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ストレスを溜めないための整心論〜ビジネスパーソンの日々の再起動15

【私はこんな人】


【前回投稿】



はじめに


アスリートと同じく、ビジネスパーソンにも「心技体」のコンディショニングが大事です。特に、心(心理、気分など)の影響は、技(パフォーマンス、スキル)や、体(身体的な健康)にも影響が出ます。

逆に、技や体が上手く調整できれば、心への好影響を出すことも可能です。

このような好循環を生み出す手法について、自分の心理について考えたり、振り返ったりすることを「整心論」と私は名付けています。

サブタイトルは「再起動」としていますが、調子が悪くなってからの手法だけでなく、普段の活動についてもお伝えし、これまで、バラバラになりがちだった「心理」(心)、「ビジネススキル」(技)、「健康管理」(体)の相互関連をベースに、ビジネスパーソンのパフォーマンスの適正化を図るための情報(=整心論)を、私のリワーク体験や復職後の体験に基づき、お伝えしたいと考えています。

本日は、前回に続いて「認知の偏り」について、お伝えします。

「認知の偏り」の例
①べき思考
②オールオアナッシング
③極端な一般化
④結論への飛躍
⑤個人化
⑥過剰な拡大解釈
⑦ラベリング
⑧フィルタリング
⑨ポジティブ要素の否定
⑩自分の感情による根拠づけ


「結論への飛躍」とは

論理的には根拠になり得ない事項を根拠にして、ネガティブな結論を出して、決めつけてしまうことです。
たまに「根拠のない自信」を持っている人に出くわしますが、その逆で、「根拠のないネガティブ感情」を持っている状態です。
周りから見ると、「大袈裟な」感じに取られる可能性がありますが、本人にとっては、決して大袈裟なものではなく、「大問題」になっています。
例えば、人に話しかけて、返事がなかったとき、「無視された」と思ったり、「嫌われている」と決めつけるなどがあります。勿論、本当に嫌われていることもあり得ますが、返事がなかったのは、聞こえなかっただけかもしれませんし、相手の機嫌がたまたま一時的に悪かっただけかもしれません。
一旦、決めつけてしまうと、中々、他の可能性を探ることは難しくなります。

「結論への飛躍」への対応方法

「結論への飛躍」により生じるネガティブな結論も、ほぼ「曖昧な根拠」に基づいています。これは、前回に投稿した「極端な一般化」と類似しています。
ここでも、大事なことは、自分で自分にツッコミを入れてみるということです。何故なら、私のこの投稿を含めて、他人からのツッコミは、受け付けたくないというのが人情だからです。ストレスをマネジメントするためには、自分で自分にツッコミを入れましょう。ただし、それだとどうツッコミを入れてよいか分かりにくいと思われますので、例を挙げてみます。

①本当に自分が嫌われているのでしょうか?
②「嫌い」だと言われたのでしょうか?
③仮に嫌われていたとしても、仕事が回せる道筋が一切ないのでしょうか?
④仕事を回す道筋について、誰かに相談したでしょうか?
⑤その人に嫌われて、本当にあなたは困るのでしょうか?


以上のように考えてみては、いかがでしょうか。つまり、「結論に飛躍」しているのですから、逆に言えば、この場合も「例外」や「ツッコミどころ」がどこかにあるはずなのです。


結論も具体的にしてみる


今度は、「嫌われている」という結論を具体的にしてみましょう。

「嫌われている」というのは、どのような状態なのか考えてみましょう。

例えば、「口を聞かない」「挨拶しても返してくれない」「罵声を浴びせる」などがあるかもしれません。これらは、当事者にしてみれば、不愉快極まりありません。

ただし、これらは、相手方にとっても、いい状態ではないのです。

もしかしたら、嫌われているのは、あなたではなく、あなたに罵声を浴びせている側の人物である可能性があります。

本当に酷い場合は、しかるべき部門に相談するなど、自分の身を守る方が優先で、嫌われているかどうかは最早あまり考えない方がよいということもあり得ます。


自分のネガティブな感情を肯定する根拠を探し過ぎない


ここで注意しておきたいのは、自分のネガティブな感情を肯定する根拠を無理矢理探し出そうとしないことです。

例えば、「誰かに嫌われている」という感情に対して、自分で自分にツッコミを入れた後、相手がそっけない対応をすると、「やっぱり嫌われている」と、根拠づけを強化してしまうことがあります。

「そっけない対応」は、私も苦手です。でも、相手の反応に過度に期待しないことが大事です。嫌われていても、仕事が上手く運べばいいのですから。こちらの仕事が上手く運ばなくて困るのは、相手も同じなのです。

「ネガティブな感情を否定できる根拠」と「肯定する根拠」は、どちらも頭に思い浮かぶかもしれませんが、前者を重くみるようにしましょう。

本日のまとめ


本日は、認知の偏りのうち、「結論への飛躍」を紹介し、その対処方法を考えてました。

「自分の考えの前提条件や結論を具体化する」のがコツです。具体化すれば、自分の出した結論の根拠が曖昧で、「そうとは限らない」と言えるようになります。

できれば、タレントのひろゆきさんが口にする「それって、あなたの感想ですよね」と自分に言えるといいですね。これは、あなたが出した結論は、「事実」ではないという意味でもあります。
是非、ひろゆきさんになったつもりで、自分にツッコミを入れてみてください。

本日もやや長い文でしたが、お付き合いいただき、ありがとうございました。

皆さまそれぞれにとっての「最高の日」を過ごせるヒントになれば幸甚です。

また次回以降も、よろしくお願いします。

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