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今年の誕生日プレゼント

今年の誕生日プレゼントにおねだりして買ってもらったもの。ブランド物のバッグ? 靴? アクセサリー? 

いえいえ、もっと(そしてかなり)シブいもの。

ジャジャーン! それは・・・

誕生日のプレゼントは


「鰹節削り器と本枯鰹節」

鰹節セット

友だちには「シブ過ぎる…(絶句)」と言われましたが、これがこの半年ほど欲しかったもの。

ザ・ねこまんま

秋の頃に参加した発酵の講座で、自分で鰹節を削ってご飯の上にのっけて、お醤油を垂らして食べたのですが、その美味しさと言ったら。まさに「ザ・ねこまんま」なわけですが、シンプルイズベスト。

先日、「私の人生で最初で最後!」という悲壮な覚悟(?)で行ったジョエル・ロブションのフレンチに勝るとも劣らない美味しさ(ジョエル・ロブションさん、ごめん)だったような。

それは多少大げさだとしても、それぐらいアツアツご飯に削りたて鰹節がマッチするということです。

削り器選び

と言うことで、欲しくてたまらなくなった鰹節削り器。ネットで見ると、木製のものや、引き出しがついたもの、回転式のものなどいろいろあって悩みました。

とりあえず、初心者なのでお値段もリーズナブルでお手入れもしやすそうな貝印の削り器に決定!しました。そうです、刃物で有名な貝印さんです。こんな風にひとつにまとめて収納できるのも魅力でした。

削り節器 合体版

削り器すべて

刃の裏側はこんな感じになっています。

裏から見たら

世界で一番硬い食材

そして、鰹節。発酵講座で鰹節も発酵食品であること、そして、世界で一番硬い食材であり、発祥の地はモルジブだということを知りました。

確かに、鰹節、めちゃくちゃ硬いです。これで殴られたらとんでもないことになりそうです。

鰹節 お皿の上

モルジブが鰹節の発祥だとしても、日本でもかなり昔の大和朝廷のころから鰹節に近いものは存在していたようです。モルジブと日本が交易を直接行っていたという文献などは残っていないようですが、14-15世紀に貿易の中継点として栄えたマラッカ王国などを通じて、鰹節づくりの何らかの技術伝承があったのではないかとも考えられているようです。

こちら、「小林食品」さんのウェブサイトに鰹節の歴史が詳しく説明されています⬇️

こんな歴史を知ると、世界史や地理をもう一度勉強してみたくなります。

発酵食品なのは

さて、鰹節が発酵食品だと書きましたが、鰹節すべてが発酵食品ではありません。鰹節は大きく「荒節」と「枯節・本枯節」とに分類され、「荒節」はカツオを燻製したもの、そして「枯節」は荒節の表面にカビ付けを一度行ったもの、「本枯節」はカビ付けを二度行ったもの、という違いがあります。

カビを表面に生やすことで、水分が減り熟成が進み、旨味や芳醇さが増す。ですから、鰹節の中でも、微生物の働きを活用した「枯節」「本枯節」だけが発酵食品に該当するのです。

前述の「小林食品」さんのウェブサイトに、鰹節と発酵食品について書かれています。

「にんべん」さんのウェブサイトには、カツオの水揚げから本枯鰹節が出来上がるまでの過程をドキュメンタリー映像にした動画もあります⬇️ふだん目にすることのない鰹節作りの現場が見られるので面白いです。非常に手間ひまかけて作られていることがわかります。

ちなみに、この動画、最後の方に一部フランス語のナレーションらしきものが入っていたので、気になって調べてみると、フランス人クリエーターが80日間かけて日本をまわり、日本の職人の仕事をドキュメンタリーにして、日本文化を発信している「80 Jours Japon」というプロジェクトの一つだそうです。

「ねこまんま」意外と奥が深い

さて、私が今回手に入れたのは「本枯鰹節」。本枯鰹節を使うことで上品で澄んだ出汁がとれるとのことです。

が、とりあえず私が一番食べたかったのは「ねこまんま」。はたして「ねこまんま」にふさわしい鰹節をちゃんと削ることができるのかが心配でした。

最初は刃にうまく当たらず、すべる、すべる。粉ばかりになりました。見た目も鉛筆の削りカスのようです。でも、何回か削っているうちに、鰹節が手に馴染んできて、多少はふわっとした「いわゆる」花かつおっぽいものもちょっぴり誕生するように。

削った鰹節

削った鰹節 お皿

ご飯にかけてもよかったのですが、あまりに粉っぽそうなので、今日はねこまんまは断念し、きつねうどんと合わせて食べてみました。

うどん

ふわっとした部分が少ないので、口のなかで多少モシャモシャした感じはありましたが、旨味たっぷりで美味しいのは間違いなし。

理想のねこまんまを食べるためには、まずは鰹節削りの技を磨くことが必要そうです。ねこまんま、意外と奥が深い。

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