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聴覚障がい学生と“透明マスクとの可能性”

1.はじめに


私は早稲田大学の聴覚障がい学生である。

今回、提示することは、
“感染予防のしっかりした透明マスクの必要性“
である。

現在、大学からの支援を受けて、学生ボランティアによる文字通訳つまり、パソコン通訳のご協力をたまわりながら、授業に出席している。
卒業予定としては、一年半ほど先となる。

2.困難な障壁にぶち当たる


その中であれ、なんかマズいぞ、的な事態が起きた。

コロナ渦による人々のマスク着用である。

それによって、授業を受ける際の理解度が格段に落ちる。
対象であるーろう、難聴、中途失聴者などの聴覚障がい者は残存している聴力のレベルによるが、口の形を見ることに頼ることがほとんどである。

いわゆる口話である。
口の形を読み取りながら音声会話を理解する手段の一つである。

この方法で、完全に内容を把握しかつすべて読み取れる訳ではないが、聴者が音声を発する内容の概要を知るために有力である。
ほとんどの聴覚障がい者はこの方法で、理解しようと試み、聴者社会へコミットしている。

3.モンスター級 “高い壁” が あらわれた


が、卒業するための高い壁が出現した。

新型コロナ感染症の流行である。

それによって人々は感染防止のために、マスク着用を極力、義務付けられた。

マスク着用により、表情が読めない、また口の形が読めないとなると、口話での会話のやり取りが困難になり、コミュニケーションの疎通が一方通行になる。


4.なぜ、高い壁かというと…


私は、生まれつき両耳聾で人工内耳を装着している。生活のほとんど人工内耳の機器を用いつつ口話(口の形を読み取りながら会話を理解する方法)そして、最近では音声で聞き取ることに限界を感じたり。

また、手話に魅力を感じ始めたことで、半年前ほどから、手話の勉強を始め、その中でろうの友人ができたことで、だんだん使う頻度が増え、口話に加えて、日常生活のなかで手話を使うことも多くなっている。

5.どうやって授業を理解してるの?

支援学生のご協力を得ながら、授業を受けてる。

マスク着用で先生の言うことのみならず、先生と学生同士の会話形式になるともうマスクあろうがなかろうが、お手上げの状態である。

が、2021年春学期から、オンライン授業から対面授業をメインとする方針に切り変わった。そうなると、マスク着用のまま、口の形が読めない。

となると、先生の口が読めず、何を言っているのかわからない状態になってしまう。

つまり、授業に取り残されてしまう。当然、試験や課題ではいい結果がでず、単位取得するのも大変なのだ。…卒業が厳しくなる。
先生に事情を話してみて授業受講の工夫ができないだろうか。

本当だったら、周りの生徒と同じように授業を理解し、その上で課題に取り組み、試験を受けて、結果に一喜一憂しながら卒業をしたい。
それがなぜ難しいのだろう。

6.画期的な透明マスクとの出会い


行き詰まりを感じながら、ろうや手話者の友人に相談した。
その中で友人がニュースを教えてくれた。
表情や口の形が見える透明マスクがある。

note_透明マスク

参照元:https://www.d-unicharm.jp/category/TYPE_MASK_TRANSPAREN/


画期的なアイディアだ。

これを先生に装着していただければ、口の形が見える。何を言わんとしてるのか、完全ではないが、ある程度把握できる。マスクによって情報量が激減してるが、ユニチャーム社の、この透明マスクであれば、口元全体を覆うように装着するタイプのため、感染予防対策できる。

従来の透明マスクは、隙間があり、十分な感染予防と言えないのだ。


だがしかし、このマスクがあれば。

7.出会いにドキドキ


絶望的になった気持ちが希望に満ち、ドキドキが止まらなくなった。
早速、友人に相談し、事情を話すと、ある団体と繋いでくれることになりそうだ。

この記事には、起きたことの軌跡を語りたい。
目的は、何かの問題が起き、問題提起するときに、何が必要でどんな行動が良いのか、どんなコミュニケーションをとりながら、協力者を得られるのか、次生きる次世代の大きなヒントしてここに記す。

8.終わりに

そして、透明マスクの必要性をまず皆さんにご理解いただきたい。
それによって、助けられる“未来”がある。
どうか、最後までご応援を願う。



✍中川夜


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