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【老い支度】エピソード①

みなさんこんにちは。りりすけです。

今回は私が経験した、老い支度に関連するエピソードをご紹介します。
皆さんが通常想像する老い支度とは少し違うものだと思うので、
是非最後まで読んでいただければと思います。



始めはタクシー会社からの連絡


ある日、私の電話に見知らぬ番号から連絡がかかってきました。
連絡をくれたのはタクシー会社。

聞けば、お年寄りの女性をスーパーまで乗せたけど、お金を持っていない。
しょうがないので自宅まで送り返そうとしたが、自宅も分からない。
どうしたらいいのか。

という相談でした。

私は関係機関に連絡を取り、本人をご自宅まで送り届けました。


家族とは疎遠


その後、関係者たちと本人の支援方法を決めていきましたが、
ご家族はずいぶん疎遠で、半ば喧嘩別れのような状態であることが分かりました。

基本的に、本人の生活歴やこだわり、好きな物などをご家族に聞いて行くのですが、それが出来ない状態でした。

そのような場合、私たち支援者は一般的な方法で本人にとって最善と思われる方法をとります。
また、その時の本人の意向に沿っても行動していきます。

ただ、当時本人は認知症により意欲の低下が著しく、何を聞いても、
「はい、それでいいですよ」「わかんないから、好きにしてちょうだい」
と返事をするのみでした。


関係者のみで支援をしていく中で、、


それでもやはり支援者としては、
本人が望む生活を実現させたいし、楽しく生きてほしいと思うものです。

ある日、本人の自宅の工事をする必要が出てきたので、家の片付けを手伝っていました。

すると、本人の若い頃の写真がいくつも出てきました。
旅行へ行った先々で、当時では派手と思われるようなカラフルでおしゃれな服を着て写っていました。

思い返せば、本人は毎日服選びに悩んでいました。

ここで初めて、本人の好きなことやこだわりが一つ分かったのです。

それからは、服選びにはしっかり時間を掛けられるようにし、旅行先や服の話を支援者は積極的にするようにしました。

すると本人の笑顔は目に見えるように増えていき、徘徊などの行動もなくなっていきました。


どこに役立つの?


今回のケースで重要だったのは、
本人のこだわりや好きなことが分かったことです。

これが分かっただけで、支援の幅は大きく変わります。
エンディングノートにはこれを記すことができます。

自分の好きなことなどを他の人に知ってもらうことで、何かあった時に自分の生活を豊かにしてもらうことができるのです。


まとめ


エンディングノートは老い支度の一歩目です。
難しいことはまったくないですし、
書き始めるのに遅すぎることも早すぎることもありません。

一度手に取ってみて、家族とお話ししたり、書いたりしてみてください。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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