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インドについての豆知識

インドへ

羽田からの飛行機は、日本列島を縦断し、九州を抜けたのちに、支那を横断し、その後インドに入ります。デリーまでは8時間くらいです。
インドは、ヒマラヤ山脈など標高が高い山脈とインド洋に囲まれ、28の州と9の連邦直轄領で構成されています。約13億5000万人が住み、そのうちの約9億人が有権者である世界最大の議会制民主主義国家です。労働者人口は5億2000万人です。2030年までには人口では支那を抜き、中間層が7億人レベルにまで増加する見込みで、ひとつの国で東南アジア全域を超える経済規模になることが期待されています。農業、工業、ITが主要産業ですが、鉄鉱石などの資源もあります。木綿は歴史的に重要な意味を持つ製品で、産業革命以前は、世界最高峰の品質で売っていました。
ヒンドゥー教徒が80%、イスラム教徒が14%、シーク教徒やキリスト教徒が数%で、第1国語はヒンドゥー語。また、12%程度の国民が英語を話します。

日本とインドのあまり知られていない歴史

自分は、デリーで会社を経営しているインド人に、Japan is friend of India. We fought war together. と言われたことがあります。そのときにはまったく意味が分かりませんでしたが、あとで調べてみると、次のような歴史がありました。
大東亜戦争時、我が国の軍はインド国民軍を支援し、”自由インド”と”インド解放”をスローガンにかかげ、インパール作戦をともに戦いました。インパール作戦は、最悪の作戦であるとしか我が国では教えられていませんが、チャンドラ・ボースはこれをインド独立の絶好の機会ととらえ、インド国民が決起することを期待して戦っていました。
敗戦後、UKはインド国民軍を国王に対する反逆罪で裁いたため、インド国民が反対して立ち上がりました。これが、ガンジーの非暴力運動とともに、独立を勝ち取る要因になりました。モディは、UKが戦勝国にもかかわらず、インドから撤退したのは、ガンジーのためではなく、インド国民軍のためだとさえ、2016年に語っているそうです。
これらの歴史は我が国ではまったく教えられておらず、我が国の歴史教育が偏向していることが実感されます。植民地からの独立というインドの重要な局面での我が国との関係を知らないというのは日本人として恥ずべきことです。

多様性がインド

インド人は、歴史的に外から入ってきた民族を同化させることなく受け入れてきており、資本主義が発展するまえから、民主主義が発展していたため、多様性をもった国家を形成しました。つまり、チベット人、ウイグル人、モンゴル人を強制的に同化させ、ジェノサイドを行う、隣国の支那の共産党とは真逆のセンスをもつ人たちです。歴史上の王も、支那の皇帝のように権力と暴力で支配し、搾取するのではなく、インフラ整備と徴税権しか権力がありませんでした。
多様性の国なので、自分の意見を十二分に主張し、話し合う必要があります。話が長いインド人をよく見かけるのもそのためなのでしょう。人にもよりますが、半分くらいのインド人は話はじめると、ずーっと話している印象があります。
悪い面では、民主主義が発展しすぎていたため、州の権限が強く、国としてのオペレーションができにくいという国家としての非効率性があげられます。また、政治がポピュリズム的になってしまい、選挙の票集めに電気料金を無料にするとか、実行されるまえに成果を分配してしまうとか、不正が行われやすいとか、そういう状況になっているそうです。

厳格なベジタリアンやアルコール飲まない人たち、そしてそうでない人たち

インドは、野菜、果物、木の実の種類が豊富で、それらだけで栄養が足り、そこに宗教的な要素も加わり、ベジタリアンが多い国になっています。
もっとも重要な野菜は玉ねぎです。毎食、玉ねぎスライスを好んでつまみますが、輸出禁止政策により、国際価格の5倍で取引をされているようです。
厳格なベジタリアンが以前に日本に来たのですが、ファミレスで、だしの原料までチェックしていました。一方、適当なベジタリアンはなんでも食べます。
アルコールも同様です。厳格なひとはまったく飲みませんが、そうでないひとはふつうに飲みます。ただし、アルコールはバーやレストラン以外ではひとに見せてはいけません。外で飲んだりしていると、ハラスメントで捕まります。ビールもウイスキーも売っている場所が限られ、しかも買ったものは厳重にかばんにしまい、外から見られてはいけないそうです。筆者は、酒を買うところがないんだよと取引先のインド人に話したら、親切にもキングフィッシャーを10本も買ってきてくれ、それを普通の通勤カバンにぎっちぎっちにつめて持ち帰ったことがあります。

起業に価値を見出すインド人

インド人は起業が奨励され、独立して起業しろと圧力がかかるそうです。学生のうちに、数学を始め、会計や財務を学んでおき、学校を終えると、コミュニティが支援して、ファミリービジネスではないところで、起業をうながされるのだそうです。ITが伸びたのも、USの大学を卒業後に、インドで起業し、それらが大きくなっていったためでしょう。我が国の安定志向、大企業志向とは逆です。長く同じ会社に務めるのではなく、スキルが身についたら、そこで辞めて起業することがインド人は優秀であると認識するようです。いま大財閥であるタタ、ビルラ、ダルミアはいずれも最初は貧しかったそうです。個人企業が成長した結果、全体の経済が発展するという民主主義国家の流れです。このあたりも共産党がコントロールして経済をつくってゆく支那との違いがでています。
現在、我が国は安定しているので、必ずしもリスクをとって起業することはないと思います。安定で楽であることは良いことです。しかし、ここ20年の停滞により、リスクをとらないと安定が勝ち取れない状況が増加していると思います。インド人と多くの仕事をして、彼らのセンスを学んで行きたいと思います。

あっち系国家インド

インドはあっち系国家へと進んでいます。EVへのシフトを積極的に進め、2030年までに自動車はすべて電気自動車に置き換えようとしています。広い国土を利用した太陽光、水力、風力発電がそれらを可能にするようです。レストランではプラスチック容器がなく、紙。左巻きあっち系の活動家が泣いて喜ぶところです。
これらは、環境がもともと悪かったことに加えて、国連の富の再分配策にのっかった結果だと思います。

このレストランは食器はすべて紙。
おもしろいことに、マサラティーはもともとあっち系容器。
素焼き容器はそのまま捨てるのが、土に戻る。サステイナブル。

以上、インドの豆知識でした。人口増加による経済発展のポテンシャルから見るとインドと支那は同類にみえますが、中身は真逆で、我が国が行動をともにすべきはインドであることは明白です。残念なことに2022年7月に暗殺された安倍晋三さんが、インドとの強い関係を築いたことは、大変な貢献でした。筆者はたまたま安倍さんが暗殺された翌週にデリーにいましたが、筆者が日本人であると分かると全員が安倍さんのこれまでの貢献をたたえ、弔意を表してくれました。

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