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未来の自分に向けた紙ひこうき
ビジネスプランを煎じ詰めて考えていく時にふと思う。
私、なんでこのビジネスをやりたいと思ったんだろう?
きっとビジネスを始めた後にも、繰り返し湧いてくるだろうこの疑問の答えをここに記しておきたい。
私がいま考えているビジネスのアイデアの源は“夫”だ。夫が精神的にしんどくなって休職して、私より先に退職をして暗いトンネルにいた時、私は夫を何とか元気づけたいと思っていた。もちろん、元気づけることよりも休養のほうが先な時期でもあったので静観しながら、一方でこの先、夫と二人で何か事業を始めようと考えていて、その事業の根幹は夫が元気づけられるような、夫にとって意味のある仕事にしたいと考えていた。
夫がイキイキとするのは「自分が役に立っている感じ」がする仕事だ。中でも、後進を育てる仕事にはやりがいを持っている、と夫は話していた。「これからは支援者を支援したい」とも言っていた。生来の「先生(教師)気質」なんだと思う。
前の職場では、そういう彼の力を発揮できない環境にいたので両手を縛られているみたいに、窮屈な思いをしていたんだろう。できれば、これからはそういう夫の気持ちが満たされるような仕事を、というところが私の出発点になっている。
夫は「頼られたい人」なのだ。
だから、夫の持っている資格抜きでは成り立たない仕事を軸にした。それが夫のプレッシャーになるリスクもあるので、諸刃の剣だなと思いつつ。私はその周辺の雑務を引き受ける役目。
だから、いま考えているビジネスが“本当にあなたのしたいことなのか?”と問われると、それはたぶん違っていて。
私は、といえば、夫のように“頼られたい”が優先事項ではない。
私は「自由にやりたい人」なのだ。
自由にやりたいし、自分の思うようにやらせてもらえれば、それなりの成果を出す自信もある。自分の創造性が発揮できない環境、これが私にとって両手を縛られることなのだ。結局、前の職場を辞めた理由もそれだ。
夫と私をかけ合わせた時、もう一度、どこかに勤めるよりは自分たちで事業を始めたほうがいいんじゃないかなと思った。
夫の思いの実現×私の創造性の発揮
これが今のビジネスプランの出発点であり、根幹だ。これを忘れなければ、今のプランに固執する必要はない。思わぬアクシデントが起きて、プランに大幅な変更が生じたとしても、夫の思いと私の創造性の発揮に影響がないのであれば柔軟にやっていけばいい。
勝ちとか、負けとか、損得とか、そういうことに拘泥したくなったら、この原点に立ち返りたい。
今のビジネスプランの大まかな地図を私が描いたので、時々、夫に確認するようにしている。私が描いているのは、あくまでも“私が考えている夫の思い”だから、押し付けになっていたり、すれ違いが起きていたりといったことがないように。
二人三脚だから、どちらかが置いてけぼりにならないように。ペースが合わないと思ったら、「早いよ」とか「痛いよ」って声を上げなきゃいけないし、相手の声をちゃんと聞けるように。
夫の思いを軸に組み立てたビジネスプランではあるけれど、これは自分の創造性を発揮するためのものでもある、ということを忘れないようにしたい。「あなたのために」という呪いにかからないように。
多忙になったり、焦ったり、資金繰りが苦しくなったりすると、簡単にパニックに陥ってしまう自分に、今回のこの記事を贈りたい。
未来の自分に向けた紙ひこうきにして。
もしもの時のお守りとして。
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