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【読書日記】嘘なのか、それとも真実なのか
ちょっと久しぶりに読書日記です。
なんとなくタイトルに惹かれていたこの本、
『六人の嘘つきな大学生』
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かなり緻密に設計されて書き上げられたミステリーでした。
私は電子図書で読んだのですが、巻末に作者の浅倉さんが、書くときに自分はこうしてますとあり、なるほど!と納得。だからかー。
ミステリーなので種明かしはしませんが、
超人気企業、スピラリンクスの就職試験の最終メンバーとして残った六人の大学生。
時は、2011年。
起きたことと、インタビューによって様々なことが明らかにされていく。
いやむしろ、人の言葉によって謎が深まる場合も。
最初は、内定みんなに出すかも!
だからグループディスカッション頑張ってね!
と言われて、グループとして同じ方向を向き、
持ち前の有能さ?を皆がそれぞれの方角に発揮。
私はここが嫌だった。
型にハマった就活生と、採用側の欺瞞の香りがして。
なんとか自分を良く見せようと頑張る就活生。
その結果、企業が求める姿に自分をはめざるを得ない方に走ってしまう。
作られた世界のなかで、お約束を背負って走り回らざるを得ない。
しかも内定が取れること🟰その人を認めたこと
つまり内定取れないと人格否定されたみたいじゃないの。
私も採用側にいたことがあるので、色々思い出して気分悪くなって、ちょっと本を読むのをやめたりして。
でも、とあるメールを境に状況は一変します。
そして迎えたグループディスカッションの日。
誰もが困惑する事態が起き、それにより…
ここからはある程度一気に読めました。
人の多面性、性格なんて一面しか見てなかったら真実はわからないよね、ってことと、
読者が、登場人物達に対してこのスピラに就職したい人の集まりだというバイアスがかかって読んでいる限りは、伏線は見破れません。
そもそも、見破る必要はなく、鮮やかに話が進んでいきます。
どんでん返しにどんでん返し。
一転してからは、想像もつかないほど爽やかに終わる。
ふう。不思議な感覚。
でも既視感を持つ人がとても多いのではないでしょうか。就活とか関係なく。
きっとそこが、この本の人気のひとつなのでしょう。
読んで後悔のない、スッとした気持ちを味わえる清涼感ミステリーでした。
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