見出し画像

読書|ももこの話

さくらももこさんのエッセイ集は大好きで、これまで少しずつ読み進めてきました。「もものかんづめ」「さるのこしかけ」「たいのおかしら」の三部作はもちろんのこと、爆笑シリーズ第一弾の「あのころ」は読みながらケラケラしていた思い出があります。

「あのころ」「まる子だった」の次に続く本作「ももこの話」も呼んだつもりでいましたが全くの勘違いで、今回、まだ見ぬさくらももこさんの小学校時代に遊びに行ってきました。

私が心に残ったエピソードは「春の小川の思い出」です。ちびまる子ちゃんでもお馴染みのたまちゃんが登場するのですが、メダカを一生懸命探す話から始まります。

小川で気持ちよさそうに泳ぐメダカ。お店のメダカとは一味違うメダカに出会う楽しみは、中学生に入学しても続き、ももちゃんとたまちゃんは高校生になっても一緒にメダカ探しの旅に出かけました。

学年が上がっていくのに連れて、メダカに会えるかどうか、という目的は少しずつ流れていき、二人で楽しくお出かけをすること自体が定番行事となります。その二人の友情や穏やかな時の過ごし方にほっこりとしていると、高校三年生の夏、お互いの夢を語り合う時がやってきます。

ももちゃんの「漫画家になりたい」という夢。たまちゃんの秘めていたある夢。その夢を叶えたときには、二人で一緒におでかけすることができなってしまう。隣の家に住む仲良しの二人が、いつまでも一緒にいることができない切なさと、お互いの夢を応援する気持ちが交差しました。

今日メダカに会えなくても、明日またメダカに会える。そんな明日も二人で一緒に笑い合える日々の尊さを眩しさを感じた物語でした。

***

ももこさんの「あとがき」を読み、そうだよな〜と思ったことを一つ取り上げます。

努力とかやる気とか、そういうものより肝心なものが”調子”だと私はこの三日間で知った。

P219-220

努力パワーでなんでも解決するかといえば、そうではなく。意外にも、その日の調子とか気分で、物事や出来が左右することなんてザラにあると思っています。そのことを本作のエッセイを書きながら、ももこさんが実況中継してくれているのが、私の心をくすぐりました。

ちなみに、今日の私はnoteを書く”調子”がよく、一気に書くあげることができています。




前回の読書記録はこちらです。

この記事が参加している募集

#読書感想文

190,092件

#わたしの本棚

18,452件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?