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読書|少年と犬

昔、祖父母の家でパピヨンを飼っていました。パピヨンの割には体が小さく、チワワのような女の子でした。

蝶々のお耳に艶やかな毛並み、小顔のパピちゃんは本当に可愛くて、亡くなった今でも大好きな存在です。

小学校が夏休みの間だけ自宅でパピちゃんを預かることもあり、夜寝る時、クーラーにあたりながら足元にふわふわのパピちゃんがいるのが幸せでした。

犬が主人公である「少年と犬」
孤独や死と隣り合わせである人々が、どこからかやってきた”多聞”に出会います。

多聞の力強い眼差しや立派な姿から、生きる力を得て、最後を迎えるその手前まで希望を見出したり愛情を感じたりします。

多聞は孤独の匂いを嗅ぎ分けて自分たちの元に来てくれている。家族探しを中断してでも、孤独な人に寄り添ってくれる。多聞とは言葉が通じないけれど、深い大きな愛情で繋がっている感覚がありました。

多聞がずっと探していた”家族”と再会し、その家族の心の中に多聞が生き続けた時、涙が溢れてしまいました。多聞がどんな思いで遠くの地から家族のもとに来たのか、想像すると心がいっぱいになります。

多聞は本の中でしか生きていないはずなのに、息遣いや走っている姿が頭の中を巡りました。私にも力強い愛情を与えてくれていたのかもしれません。また素敵な本に出会えて、私は幸せです。


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