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クール・ランニングは最高

いつもお世話になっています。作家の浜口倫太郎(@rinntarou_hama)です。

昨日テレビで『クール・ランニング』という映画がやっていました。

ジャマイカの人間がオリンピックのボブスレー競技に挑戦するという実話を元にした映画ですね。

今年のオリンピックにジャマイカのチームが参戦されるそうなので、この映画も再放送されたんでしょう。

この映画以前から何回か見ていて大好きな映画なんですが、あらためていい映画だなと。

自分の好きな要素が盛りだくさんなんですよね。

まずログラインが秀逸です。

ログラインというのは、一行でその作品がどんな話かをあらわしたものですが、映画はこのログラインがすべてなんです。

ログラインが面白くない映画はたいてい面白くないんですよね。

以前この記事で詳しく書かせてもらいました。

巨匠・黒澤明も、映画におけるログラインを最重要視していました。

この映画のログラインは、『南国ジャマイカの短距離走選手が、冬季オリンピック・ボブスレーに挑戦する』というものです。

このログライン聞いた段階で、興味がそそられるじゃないですか。

南国✖️ボブスレー


意外性のあるアイデアとは、異質なものと異質なもののかけ算です。

これを組み合わせの法則といいます。

この組み合わせを見てください。暖かい南国と冬のスポーツであるボブスレーという真逆のものを組み合わせているんですよね。

性質が真逆なものをかけるとインパクトを産みます。

もうこのかけ合わせだけでぐっと掴まれるんですよ。

それと尺がいいんですね。1時間38分なんです。不思議とこのぐらいの尺の映画って名作が多いんですよね。

駆け足的にストーリーが展開するんですが、その疾走感がボブスレーのスピードとリンクして心地いいんです。

ただ展開は早いんですが、きちんと人間ドラマも描いています。

短距離走で不運にもオリンピック出場を逃した選手。落ちぶれた元ボブスレー競技の金メダリスト。父親のいいなりになる気弱な男と、意固地で頭の硬い仲間。そして陽気なジャマイカ要素たっぷりの男。

さらにわかりやすい敵達。一目で悪そうなやつなんですよ。

それらのドラマをだらだらと描くんではなく、ポイントポイントで描くんです。キレがいいシナリオです。

障害からの克服という循環をくりかえしながら、ストーリーはラストの感動に向かいます。

強烈な個性のあるキャラクターたちが、一つの大きな目標に向かい奮闘する。熱い人間ドラマの中にコメディー要素もある。

この年代の映画の典型的なストーリーラインですが、これが本当に好きなんですよね。

『がんばれ!ベアーズ』『フルモンティ』とか、自分の好きなストーリーってこれなんですよ。笑いがあって感動できるのが大好物なんです。

ただ残念なのが小説でこの手のストーリー運びをすると、もう誰も読んでくれないんですよね。ベタでありきたりで終わりです。

しかしこれが王道のストーリーラインだし、僕はこの手のものが好きなんです。

結局クリエイターって、自分が過去に好きだった作品をどう自分なりに表現するかなんです。

クール・ランニングを見て、あらためて自分の原点というものを感じました。

みなさんもこれは本当に好きだという作品を列挙してみて、その共通点を探してください。それがクリエイターとしての核になります。

あと『クール・ランニング』『がんばれ! ベアーズ』『フルモンティ』を見てない方がいらっしゃったら、ぜひご覧ください。


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