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琳琅の会
2020年12月2日 23:12
鴇田重喜の視点4 JR線のプラットホームで、僕らは二本目の電車を待っていた。始発は結局逃してしまい、自動販売機で買った温かいココアを片手にホームドアに寄りかかる。体温を攫って行く風を避けるように、僕と小羽は身を寄せ合った。「今度はさ。その先輩の個展、連れて行ってよ。わたしも自分の映っている写真見たい」「わかった。次に展示する機会があったら連れて行くよ」 彼女が僕の知らないところで父