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カナダに来ている日本人の強みとは?

先日、以前一緒に働いていた日本人の保育士である友達から連絡があって、彼女の友人の知り合いで日本のTV局で働いている方がいて、企画で海外で働いている日本人の女性で、教育・保育関係で働いている人を探しているという事を言われたそうです。

彼女も、今は違う園でマネージャーとして働いているので、その企画のディレクターさんとzoomでお話をしたそうなのですが、日本の保育と比べてどうか、日本の文化をこちらの保育に取り入れているか、もしくは日本人としての強みはどんなところか、などの質問をされたようです。

彼女は日本では保育をしていなかった事と、現在とても忙しい状態なので、それ以上の取材などに応える事が難しいとの事で私は興味はないか、代わりに取材を受けてみないか、という連絡でした。

企画の内容には興味があったし、取材を受けるという事も問題はなかったのですが、どうやら最終的にはこちらへ取材チームが来ての密着取材をTVで流す、というものだったようなので、流石にハードルが高いと思ったので丁重にお断りさせて頂きました。

ですがその質問の内容を友人と一緒に話していた時に、改めて「日本人としての強みとは何だろう」と考えました。

友人はそのディレクターの方に日本の自衛隊とアメリカ軍の合同練習の時の事を例として挙げられたらしく、日本人は時間通りに動いたり、計画性を持って、掃除などもきちんとする、というような事を話されたようです。

でも実際に私たちに置き換えると、それらは個人の性格によるもので、日本人だから、というのは少し違うように感じました。

勿論そういう日本人も沢山いるけれど、別に全ての日本人がそうではないし、何ならこちらで出会った日本人の中にはそうでない人たちも沢山います。

自衛隊の方たちは「日本の」自衛隊として参加されていると思うので、そういう日本の特色というか決まりのようなものが色濃く出るのではないかと思うのですが、私たちは確かに日本人ではあるけれど、あくまで個人です。

来たばかりの人たちは、やはり日本の文化に沿って、慣れ親しんだ習慣が出てきますが、長く住めば住むほど個人の性格が出てきます。

だから私たちのように日本での職歴よりこちらでの職歴が長い者たちにしてみれば、どちらかというとカナダの特色に染まっている方が多いのではないかと思うし、そうでなければ調和も難しいのではないか、とも思うのです。


郷に入りては郷に従え」というのはある意味日本人の特色で、余計にそうなっているのかも、と思えばそれがある意味日本人の強みでしょうか。

その場に溶け込んで、周りに合わせて、一緒に生きていく事が出来る。

自分達の文化を大切に思いつつもそれを相手に押し付けるわけではなく、相手を、違う文化を尊重できる。

「尊重する」という事は「自分を失くす」という事ではなく、相手を受け入れるという事なので、その絶妙なバランスを取る事が出来るのは日本人としての強みなのではないか、と思いました。

そしてそれは日本で過ごし、日本の文化の中で揉まれたからこそ持ち得るものでもあるのだと思うのです。

今回の事で改めて「日本人としての強み」と考えた時に、時間を守る、手先が器用、ルールを重んじる、キレイ好き、働き者、勤勉、などこちらの人たちが持つ日本人のイメージを思い浮かべたのですが、やはりこれらってすごく個人差があるから「日本人だから」というのには個人的に違和感があったんです。


働き始めの頃は折り紙や和紙を使ったちぎり絵、日本のお話や歌を紹介したりしたこともあったのですが、段々カナダでのやり方に沿ってする事が主流になっていきました。


違う国の文化や考え方を伝える事も大切だけれども、まずは自分が住んでいる国の事を知る事もとても大切だと思うんです。


だからまずは子ども達が今現在住んで生活しているカナダの事を尊重し、そんな中で私自身が大切だと思う事をしながら一緒に過ごす事で、もし彼らの「日本人」や「日本」に対するイメージが少しでも良くなってくれたら、それは日本人としての強みになるのではないのか、と思った次第です。


皆さんは日本人としての強み、何だと思いますか?






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