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‘すぺしゃる’の向こう側 (8)

愛を探しに出た ぼくとりゅう。旅の向こうに もっと大切なものが あった。本当の幸せを手に入れる方法を 見つけた ぼくの冒険物語。

8)サーカスでのきらきら
サーカスでの毎日は、けっこう、忙しい。朝早く起きて、フォンダと一緒に、動物たちに、朝ご飯を食べさせる。りゅうにも、干し草をいっぱいくれたから、とてもありがたかった。りゅうは、朝から、干し草をいっぱい食べて、毎朝、ごきげんだ。ぼくも、フォンダや、サーカスの他の人と一緒に、朝ご飯を食べる。サーカスは、夜は忙しいから、朝にたくさん食べる。町のお店で見た食べ物が料理してあって、ぼくには、とても、めずらしい料理ばっかりだ。味は、あんがい、ぼくの知っている野菜や果物と似ていた。ぼくは、特に、紫のスパゲティに青いソースがのっているのが、お気に入りだ。ママが作るスパゲティに味が、ちょっと似ているからだ。

朝ご飯を食べると、みんな、練習をする。動物の訓練をする人もいる。ぼくは、フォンダと、動物が練習している間に、緑のテントと、檻をそうじする。そうじが終わったら、ちょっとお水を飲んで、ぼくたちも、練習。ぼくは、まずは、ショーのはじまりのダンス。ぼくは、家でも、お気に入りのダンス番組を見て、おどっているから、はじまりのダンスは、すぐにおどれるようになった。ダンスの担当のおねえさんに、ほめてもらった。うれしかった。

そして、練習の後は、ちょっと昼寝をして、そのあと、フォンダと、町にいって、動物たちの果物を買う。そのときに、フォンダは、毎日、1つだけ、ぼくが食べたい食べ物を、買ってくれる。果物のときもあるし、野菜のときもあるし、おかしのときもある。今現在の、ぼくのお気に入りは、水色の星の形をした果物だ。甘ずっぱくて、さっぱりしていて、とっても、おいしい。

テントにもどったら、動物たちに、果物をあげて、ぼくたちも、ショーの用意をする。ぼくは、顔に、面白い化粧をして、かわいい色のつるつるで、ぶかぶかの服に着替えたら、ダンスのおさらいをする。ショーが始まる音楽とともに、赤いテントに行く。そして、ダンスをする。たくさんの人が、ぼくのダンスをみて、
「かわいい!」
「じょうず!」
と声をかけてくれて、大きな拍手をしてくれる。

ママ、ぼく、今、きらきらしているよ!

ショーが終わると、おかたづけを簡単にして、化粧をおとして、おふろに入って、寝る。疲れて、ぐっすりだ。ぼくは、フォンダと一緒に、紫のテントで寝る。特別に、りゅうは、ぼくの友達だから、動物だけど、緑のテントじゃなくて、ぼくと一緒に寝る。りゅうは、ときどき、もぞもぞ動いて、
「きゅるきゅる」
と、寝言をいう。とてもかわくて、ぼくは、りゅうをしっかりとだいて、寝る。

つづく…

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