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人を好きになる方法

話をすることと話を聴くこと

自分語りをしがちな私だが、ただただ人の話を聴くのも好き。
話を聴くのっておもしろい。相手がおもしろいと思っていることが自分にないものだったりすると、ラッキーな気持ちになる。
普通に生きていたら自分だけでは気づけなかったことを知れたのだから。
もちろん、その場面がライバルとのやりとりだと心中穏やかではないこともあるのだが・・・

一方で、自分語りをすると、面白いときとそうでないときがある。
ほとんどの人は誰でも経験するだろうけれど、自分が良かれと思ってした話があまりウケないと、落ち込むこともある。
やはり人間は誰しも自分が一番好きだし、自分が一番かわいいものだ。

自分のことがあまりに受け入れられないと、自分を心底嫌いになるか、周りの人のことが嫌になるか、果てには人というものを嫌いになるか。

元々人が嫌いな人もいるかもしれないが、それは自分も一人の人だからではないかと思う。自分の中にあるものの扱い方がわからないと辛い。
自分のことは大好き、他人のことだけが大嫌い、という人を私は見たことがない。もしそう教えられても、だいぶ半信半疑である。

相手の中に自分を見る

だから、私はひそかに『嵐が丘』にでてくる" I am Heathcliff(you)." の原理を追求している。
誰かを自分以上に好きになることも実際にある。

「私、この人が好きだからやっていけそう」
「私、この人に好かれているなら生きていけそう」

実際にリアルタイムでそう思っているわけではないし生死という重たい話でもないけれど、こうして一体感の中で気持ちが軽くなることは多々ある。
その関係が生きがいになることもある。

一体感。人とのつながり。
そのためのコミュニケーション。

言葉だけでなく、何かを発し、反応をもらう。
相手の発したことに反応する。これが自分を知ってもらう情報になる。
一方で、何も反応しないという反応もその人らしさになる。情報の一つ。
自分を出すことで人と人は繋がる。

多くの人は(ときに私もその一人だが)失敗しないようにしようとする。
迷惑をかけたらいけない、嫌な思いをさせてはいけない、失礼なことをしてはいけない。
〜ない、は自分を守る手段にはなる。

しかし、自分を出してみると不思議なことが起こる。
何もしなければ0の出来事が1や-1に変動する。
マイナスにいかないよう何もしないという意思決定。
選択肢としては必要だろうが、それでは人との距離は変わらない。

だから、話してみる。反応してみる。

人を好きだと感じる瞬間

全てが完璧にうまくいくことはないけれど、話してみてどんな気持ちになったか。反応してみてどんな雰囲気を感じたか。
すべて、その人と一緒に過ごす時間の中で起きたこと。

時間の粒度は人によって違うけど、同じ空間にいることでしか感じられないことがある。
その話なのか、反応なのか、その場の空気なのか、時間なのか。
一緒にいることによって感じる何かが「この人いいな」のきっかけに思う。

人のことが好きになれないという悩みを解決できるわけではないと思うけれど、THE 私流・人を好きになる方法は、「ただ人と一緒にいること」。
そして、同じ空間にいるとき、「自分を出すこと」。発信でも反応でもいい。
そのままの自分をみせてもいいという経験を増やすことだと思う。

かくいう私はかつて、本の中にいる三匹の子豚が大好きだった。
友達というものを認識したのはたしか7歳の頃だから、相当本の中の世界が好きだったのかもしれない。

初めて人を好きになったのは、小学校で話しかけて喜んでもらえたとき。
中学生になってから、「xxちゃんは話しやすい」と友達が言ってくれたとき。
自分の話をしただけで喜ばれたのは、肌感覚で嬉しかったんだと思う。

そうして身につけた社交性を頼りに、今日は会社の研修で初対面の同期とたくさん話した。人見知りをどんなに克服しても、初対面の人に話しかけるのはやはり緊張するものだった。

ただその中で、自分の話をしたときや相手がこだわりを話してくれたとき、笑顔で頷いてくれたとき、相手の表情が柔らかくなったとき、「あ、なんかいいな」って思う。

一瞬、ドキっとする。そしてホッとする。
きっとその感覚が「あ、なんか人っていいな」というやつ。

とにかく人といる、というのはまた別の話だけど、人を好きになる最低限の方法は「一緒にいること」だよ。

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