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スロベニアで感じた、性別意識のおおらかさ|スロベニア日記 #5

スロベニアで暮らしていると、日本にいたときより性別による隔たりがめちゃくちゃ低いこと、性的なこと?へのオープンさにびっくりすることがある。その観点における日本との差はスロベニアに来て一番印象的だったことだと思う。日本にいたら信じられない、もしくは笑っちゃうようなことばかりだった。自分的にカルチャーショック度が強かった順で紹介したい。


① 人前で普通にキスしてる

これは、ドラマとか見ていてもなんとなく予想がついたことだけど、道でカップルたちが普通に唇同士のキスをしてるのだ。しかも若者だけでなくて、結構年上の人でも。それでも、知らない人だとまあそういうもんかって思えるけど、友人カップルと一緒に遊んでいたときに、彼氏の方が用事があって先に帰ることになって、別れ際に2人がナチュラルにちゅってしててびっくりしちゃった。あとからシンプルにびっくりしたよって、文化の差に触れながら伝えたら、驚かせちゃってごめんねって彼女に謝られてしまったけど、全然謝ることではなくて。悪いことしているわけじゃないし、日本もそのくらいオープンでもいいよね〜。(ただ、個人的には超遠距離恋愛中の私にとってはまちでそういう光景を見かけるとちょっと切なくなります笑)


② 性別関係なく、下着をパブリックスペースに干してる

私は住んでないけど、大学が運営している寮では、洗濯機と乾燥機は共同でドライエリアもみんなが入れる場所にある。そこに共用の物干し用のラックもあるんだけど、そこには男女関係なく下着まで干している。友達に聞いたけど、別に気にしていないみたい。治安もいいから、盗られることもないらしい。

あとは、これは私のすんでるシェアハウスでの話だけど、普通に生理用品をトイレの棚に置いてあるのもちょっと驚きだった。日本でシェアハウスに住んだことないから、ユニセックスのシェアハウスだったら割と普通のことなのかもしれないけど、どうなんだろう。


③ 寮では男女で同じ部屋に入れられることもある

上で書いたような寮は、博士課程の学生用の部屋を除いて、2つのベッドで1部屋が基本となっている。その1部屋にどの2人が入居することになるかは申込者の中から完全にランダムなんだけど、男女が同じ部屋に入れられることもあるらしい。日本だったら棟ごと男女別になっててもおかしくないのに、同じ部屋に2人は衝撃的すぎる。なんか事件とか起こらないのだろうかと勝手に不安になってしまう。スロベニアの友達に聞いたら、生物的な性別だけで判断はできないじゃん?って言われたけど、それにしてもフラットすぎるのではないか、、、と私は思ってしまった。

基本ユニットはこんな感じ。Študentski dom Ljubljanaのサイトより

④ 衝撃的イルミネーション

12月のリュブリャナの名物、イルミネーションのなかで、もうかなり衝撃的だったのがあって、それがこちら。

受精の瞬間を表現したイルミネーションである。これは別に風俗街にあるわけではなくて、普通に老若男女が歩いているような通りにある。そして、この通りには他にこんなフォルムのものもある。

奥にXXもあったよ
宙を泳ぐ精子

この通りのイルミネーションは全体で「生命の神秘」みたいなものをコンセプトにしているのだろうか…。日本でこんなイルミネーションがあったら、近隣住民からの苦情やネットの炎上で一瞬にして撤去が決まるだろうな〜と思った。むしろ、アイデア段階でこの案が採用されることがまずないかもしれない。これ何?って子どもに聞かれたら親はなんて答えるんだろう?


⑤ 銭湯が…!

もっともカルチャーショックを受けたのは、公衆浴場が男女混浴だったこと!銭湯というよりは、学生価格でも€16と結構値段も高く、お風呂の種類も3種類くらいあって、サウナも2種類ある広めのお風呂だったので、スーパー銭湯とかスパみたいな位置づけかもしれない。そこでは誰も水着を着ておらず、タオルは巻きたい人は巻いていい(でもタオルを巻いたままお風呂に入るのはNG)ような環境。

来ている年齢層は比較的高めだけど、それでも若い人もちらほらいた。韓国の子とチェコの子と一緒に行ったのだけど、サウナではおじちゃんが気さくに「どこから来たの?」と話しかけてきてくれたりと、コミュニカティブな雰囲気。また、もちろん脱衣所も男女共用。最初は面食らってしまったけど、あまりにもみんなが普通にしているから途中からは完全に慣れてしまった。異国の地だとこんなことでもすんなり受け入れられてしまうから驚きである。それに、普段シェアハウスでシャワーしか浴びていない身には久しぶりのお風呂とサウナは至福のひとときだった。。。

行ったのはここだけど、他のとこも混浴らしい。




こんな感じで、性別間の区別とか男女の関係性にまつわる行為へのおおらかさが日本のそれとは全く異なっていてとっても衝撃的でおもしろい。

私の意見としては、パブリックな場所でキスするくらいだったら、道を塞いだり音がうるさいとかじゃなければ日本でも全然やってもいいのになと思う。でも、それ以外は日本で同じことはできないかな〜という感じ。みなさんはどう思いますか??

最後にちょっと真面目な話を加えてみると、男女でお風呂が別か/混浴か、だったり、寮が男女別か/共同か、だったりはどちらが良いというものではなくて、そもそものアジアとヨーロッパの価値観や文化の違いだ。

けれど、こういう垣根の低さや性別によって区別されるタイミングの少なさがジェンダーギャップの小ささ(スロベニアはThe Global Gender Gap Index 2023 rankingsで29位、日本は125位)につながっているんだろうな〜とは思う。そういう観点でいうと、制度ばっかり整えるんじゃなくて、例えば日本でもランドセルの色はもう男女関係ないし、赤か黒かの二択でもなくなってきているように、日常のちょっとした行為や慣習から変えていくことも一種のジェンダーギャップを小さくするアプローチなのかもしれないな、と思った。

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