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先生、なんで優しい声出したの?

ある日のとある園での出来事です。(※話の大筋が変わらない程度に、本人特定できないようにフィクションを交えています)

子どもってよく見てるなと、ハッとさせられたことがありました。

【エピソード1】
Aくん(年少・3歳男児)、Bちゃん(年中・4歳女児)
私は塗り絵をするBちゃんの隣に座っていました。

そこへ、Aくんがままごとのお皿に何かのおもちゃを乗せて持ち、近づいてきて、こっちを見ていました。
私「Aくん、どうしたの?」
A「オムライスできました」
私「わぁおいしそう!」
A「はい、どうぞ」
私「先生食べていいの?」
A「うん」
私「わぁありがとう、いただきます!(ムシャムシャ食べる真似)おいしかったー。ごちそうさまでした」
A、にっこりしてお皿を持って帰る。

私、(かわいいなぁ)と思っていると、

B「なんで今優しい声出したの?」
私「え?!」
B「なんでりんこ先生今優しい声だったの?」
私「…」(あ、今私確かにすごく優しい声だったかも。あれ?なんでだろう…内心焦るが、何か答えねば、と思って)
私「そっかー。先生今優しい声出てたね。(思い出して考える)そっか、そうだったね。全然自分で気が付かなかったよ。なんでだろう。うーん、たぶんAくんが小さくて優しい感じでいつも話してくれるから、先生も真似しちゃったのかも」
B「ふーん。そおかなぁ」
私「Aくん、話し方丁寧で小さな声で優しいでしょ?」
B「えー?」
私「Bちゃん、そう思わない?」
B「思わない」
私「そっかー、先生はそう思ってるんだけど」
B、(気が済んだのかなんなのか、別の話になる)

なんとなく、心のうちを見透かされたようで、私はドキドキしながら考えて答えました。Aくんは年少児の中でもひときわ小さいのだけれど、言葉はしっかり丁寧な話し方で、コミュニケーションはスムーズに取れていて、話しやすいなと思っていました。さらに声がとても可憐な雰囲気で小鳥のさえずりのようだなとも思っていました。友達間でもめることもなく、安心して見ていられる子でした。

Bちゃんは、あらゆる面で発達の早い子でした。私の名前をいち早く覚えてくれて、たくさん話しかけてくれる子でした。年少時からの成長も目覚ましく、コミュニケーション力もどんどん複雑・繊細になり、この頃は周囲の友達(同年代の友達以外に異年齢の子も)のことも気に掛けるようになっていました。私はBちゃんのことを頼もしく思って、実際色々な場面で頼っていたと思います。

私、無意識に子どもが「?」「先生、いつもと違う」と思うような声を出してたんだな。気をつけなきゃ、とハッとしました。Aくんを内心好ましく思っていた心のうちが声に出ていたのだと思います(冷汗)。私の答にBちゃんが納得したかはわかりませんでした。

先生、なんで冷たいの?

また、別の日、別の子の出来事です。

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