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泣きたいときに泣いたらだめですか

泣いている子どもに「泣かない!」と凄む不毛さ

私が保育士になって不思議に思うこと。

泣いている子どもに「泣かない!」という保育者が多いことです。
年齢問わず、保育園でも幼稚園でも学童でもたくさん会いました。

これを聞くたび、私は居たたまれない気持ちになってしまいます。

大勢の保育者がそうしてるのだから、変に思う私の方が変なのかもしれません。

何かがあって泣いている子…まさに泣いている最中に泣かない!と言ったってそれは無理でしょう…と思っていたら、それで泣き止むこともあり、私は二度びっくりです。(もちろん泣き止まないこともありますが、いわゆる聞き分けの良い子ほど、泣き止みます)

泣き止むのだからそれでいいのか…?。

でも、なんだか気になるのです。泣き止んだ子のそのあとの表情や、泣かない!と迫力満点で真剣な顔の先生の表情。どちらも気になるのです。

これは、泣きすぎて泣いている理由もわからなくなって、泣き止みたいのに止まらない…みたいなときとは別の話です。

そういう時は、気持ちが切り替わるようにすることも必要だと思います。

今まさに泣き始めたという時や、感情の高ぶりが抑えられない、語彙が少なくて泣くことがその子のコミュニケーションの手段だったり、そういう時もあると思うのです。私が気になるのは、そういう時に、大人のタイミングで泣くことは良くないこととして強制的に泣き止むことを求めることです。

乳幼児が、高ぶる感情を生理的欲求のまま吐き出すことは、無理に止めない方が良いのでは?と思うのです。まずそれを出せている感覚を体験し、そのあとどんな風になるのか…そして受け止めてくれる心地よい安全基地を持っていることで、徐々に感情をコントロールすることを覚えたり…という順番の方がスムーズに感じます。

まだ出し切る前から、止めてしまうと、そこには不自由さ・不自然さが残りそうです。

もしかして、集団生活の中では、感情のコントロールは強制的な訓練のような形で行った方が楽なのかもしれません。(…楽なのは誰なんだろう)でもその過程で大切なものを失うような感じがするのです。

泣いていることを受け止めてもらってから、泣く以外で自分の気持ちを相手に伝える方法があることを知ることも大事なステップだと思います。だけどそれをもし大人が子どもにしてほしい・自分もそうやってみていい方法だから教えたいと思うならば、適切な伝え方やタイミングがあると思うのです。

それから、感情が高ぶって泣けてきちゃうことは大人だってあることなので、そういう種類の涙は好きなだけ泣いたらいいと思うのです。それを止めなきゃいけないなんて、ちょっと辛いなと思います。


保育士は忙しい

保育士さんってやることがたくさんあるのですよね。
私も保育士になって初めて知った、外から見ていたら見えない仕事量の多さに驚きました。
書類やら行事やら考えなきゃいけないことが山積みなんです。そして、それをやると子どものことが見れないという矛盾が起きていました。しかも、基本的にどこの職場も、長時間労働・早番遅番など不規則な勤務体系で、常に職員は足りない状態でした。

だから、誰かが泣いてしまっても、そのことにずっと関わっていたら他の子が見れなくなってしまうし、次に待っている行動に進めないのです。「泣かないで!」と子どもに言ってしまうのもわかります。

みんな余裕がないのです。


子育てと保育は違う?

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