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選択的夫婦別姓について

近年、結婚年齢の平均が上昇しています。

私は、選択的夫婦別姓を導入すべきだと考えます。
 そもそも選択的夫婦別姓とは、結婚した後に夫と妻が同じ姓、または姓を変えずにそれぞれの結婚前の苗字を名乗ることを選択できる制度のことです。現在日本では夫婦同姓が法律で義務付けられているため、別姓にしたい場合は”事実婚” を採用するしかありません。そこで、選択的夫婦別姓を実施することで多くのメリットがあるといえます。
 まず、姓が変わることで発生する手続きの負担を軽減できるということです。パスポートや免許証、クレジットカードなど様々な個人情報に関するものの変更手続きを、短期間で行う必要があります。この大きな負担を夫婦のどちらか一方が負担しなければならないという状況になります。
 また、仕事などで姓を変えてしまうと、多くの混乱を招くことがあります。たとえば、同僚や昔からの取引先は自分のことを旧姓で呼んでいて混乱させてしまったり、自分自身も新しい苗字に慣れるのに時間がかかるので、自分が呼ばれていることに気づかなかったりします。また、名刺やメールアドレスの変更をしなければならないなど従来まで使っていたものを変える必要があるという面倒も生じます。
 そして、SDGsなど世界的な目標として掲げられている男女平等の実現に一歩近づくことができます。日本では、今までは当たり前のように、ほとんどの家庭で女性が男性の苗字に変わったり、男性の家庭に女性が入るという価値観が多くありました。しかし、生まれたときからずっと使っている自分の苗字に執着していたり、変更後の苗字があまり気に入らない、名前に合わないなど、姓を変えなければならない片方がそういった感情を持っている夫婦は少なからずいるでしょう。正直私としても、ありきたりな苗字や名前と合わせて響きの良くない苗字に変えたいとは思いません。
 また、日本は世界で唯一の夫婦同姓が義務化している国であり、世界的に見ても日本は先進国にも関わらず遅れている国だと言えます。日本と国民性が比較的似ているドイツにおいても、1993年の法改正を経て現在は選択的夫婦別姓が導入されています。世界で夫婦別姓の議論が盛んになされるようになったのは1980年代以降とされていますが、中国が世界に先駆けて男女平等の原則から夫婦別姓を実現した1950年の”婚姻法”があります。この法律は、夫婦の関係は平等であり、自らの姓名を各自が使用する権利を持つと定められました。今日も続いている中国の婚姻法だが、1980年には、子どもが生まれた場合は両親のどちらかの姓を選択することになると改正されました。2016年から実施されている”2人っ子政策”により、2人の子どもが父母の苗字をそれぞれ名乗る方法もあるが、血が繋がっているとはいえ、違う苗字だと兄弟らしさがなくなるといった問題も発生することがあるようです。
 今まで私たちは当たり前のように、結婚した際は女性が男性の苗字を名乗り、夫婦はその同じ姓で生きてきました。しかし世界に目を向けてみると、このような考え方は古い価値観であるとして、地球規模で推し進められている男女平等に則った夫婦別姓がほとんどの国で採用されてきています。一人一人が選択できる夫婦別姓を実施することで、国内における様々なメリットや、日本はこのまま世界から取り残されないぞという意思表示にも繋がるといえます。そして、選択的夫婦別姓について特に考えを巡らせる必要のある政治家自身が、この制度をあまりしっかりと理解できていないのも現状です。日本ではまず、こうした政治家をはじめとする古い考えを持つ人々に、これまでの凝り固まった価値観を改めて見直す口火を切らなければならないでしょう。

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