雲より高く蜘蛛が浮かんでおる

御嶽山石室山荘は標高2820mにある。そこで浮かんでいたコハナグモ♀全国で普通に見られる種だが、ここで見ると、まさに雲上のの浮遊。

今日も石室山荘日記です。

朝、久々の上空に雲一つないご来光だった。眼下には雲海が広がった。日は遠くに見える八ヶ岳より右から昇るようになった。ご来光の瞬間、放射状に光の筋ができ、太陽の前の山々だけ光で見えなくなる。手前にある浮いた雲2つだけが、ほんのりピンクに染まった。

今日は基本的に一日中晴れていた。昼ごろから雲が上がってきたが、雨にはならない。午前中、こたつを1つ増やして2つになった。こたつ布団はそれぞれ赤いのと青いの。田舎のおばあちゃんの家みたいで目に麗しい。通ったお客さんは「うわぁ。おこただ！」と喜んでいた。小学校低学年の男の子は、こたつに潜り込み、「もうずっとここにいる」と駄々をこねていた。頂上まであと、900m。なんだかんだで登って行ったけどね。

午後は、お泊まりのお客様がこたつを囲んでワイワイしていた。おじいさま５人組。楽しそうにケタケタ笑ってた。「まじで！」なんて言っちゃったりして。若いじゃないの。

夕方、発電機を点けようとしたら、例の蜘蛛に出会った。緑の美しい蜘蛛。カメラを向けると雲の上を飛んでいる様にみえる。

ちなみに、この写真はヘリポートの横で撮影した。何という偶然。

今は、消灯して、満点の星空の下にいる。泊まり客の登山者は、お酒に酔って、スヤスヤと、もう寝ている。

天の川がきれいだ。

そしてなのだが、今日は御嶽山噴火からちょうど７年。慰霊登山や献花を持ってくる方がみえた。大切な人を亡くされた人も通っていかれた。一瞬で失われた命、とそのことを心にとめ続けながら生きる人。それが僕の心に残った。忘れないでいたい。