オジのことどのくらいわかってる?

おじさん構文(以下オジ構文)とは、SNSでのコミュニケーションの際に、メッセージに特有なおじさん言葉が使われている文章である。

しかし、当のおじさんたちは、文章に"オジ感"が出ていることに気付いていない。

※ オジとは中年男性のおじさんの略ではなく、オジ構文を使うようなおじさんのことを指す。

そして、それが若者層にウケ、面白がられているとも思っていないだろう。

オジはどんな気持ちでオジ構文を生成しているのか。なにをもって、オジ構文と呼ばれるものなのかを調べたい。

しかし、わたしは実際にオジ構文を見たことはなく、インターネットで話題になった、オジ構文の上澄みしか知らないのだ。

そこで、友人に「渾身のオジ構文をおくってほしい」と頼み、送られてきた想像のオジ構文を読み解いていく。

オジ構文はなぜ話題になったのか。

おじさんですらないひとのオジ構文を読むことによって、話題になったオジ構文要素をキャッチできるはずだ。

今回は、友人のたけとふたりで議論を進めていく。

エントリーNo.1

りこ:成長を気にしてる感じがいいですね

たけ:わかる。それを言おうとしていた

りこ:キモさが丁度いい

たけ:ね、いいキモさ。挨拶をちゃんとしてるのも好印象と思います。いいオジですね

りこ:元気っていう言葉で隠してるけど、おじさんの元気はだいたい体調ではない

たけ:おもしろすぎる

りこ:あなたを女性として見てますよという合図が散らしてあってポイント高いです

たけ:嫌ポイント高くてバランスのとれたオジですね

りこ:もったいないのが、引き下がりがあっさりしているところですね

たけ:たしかに。さわやかになっちゃってますね。次いつにする?くらいの感じでもいいかもしれませんね

りこ:距離感的に親戚をイメージしたのかもしれません

たけ:ただ親戚でこれはキモすぎかもですね。あまりにも……

りこ:顔文字を中心とした文章でしたね。表情を鮮明に伝えてこようとしていて嫌です

たけ:表情のバリエーションが豊かでいいですよね

りこ:そうですね、自分の状態を教えてくる感じが、自己中さを表しています

たけ:そうですね、おやすみの絵文字は少し清潔すぎるかなと感じました

エントリーNo.2

たけ:今回は‼️の多さに注目ですね

りこ:‼️は外せませんね。オジの王道型といったところでしょうか

たけ:マストですよね〜。やはり赤が多いとそれだけで映えますね

りこ:わたしは、オジの感覚として‼️は若い子にウケる、面白いと思って使っていると考えたのですが、いかがですか?

たけ:わたしもそう思います。若い子にテンションを合わせよう、自分はまだいけるんだぞという意欲を感じて、非常に良いですよね

りこ:勢いと押し付けの半々の気持ちがありますよね

たけ:これを使っておけば安心という気持ちもあるのでしょうか。だとしたら泣けます

りこ:これを使うようになった背景を捉えることのできる見事なオジ構文です

たけ:なかなかの上級者ですね

りこ:「僕の為におめかし」は、相手が綺麗になろうとする原動力は自分だと思い込みたい、しかし、違うとわかっている。嫌われて、この関係が崩れてしまうのを危惧するオジの切なさが「ナンチャッテ」に込められていますね

たけ:オジの生き様の儚さ、美しさを感じますね……

りこ:同時に生きづらさ、依存性も感じられ考えさせられます。このタイプのオジは完全にお金の関係性ですね

たけ:なるほど…銀座でお寿司、というのも関係にかかわる重要なポイントですね。

りこ:まさに、お金の切れ目が縁の切れ目。このオジは理解しているようです

たけ:現実社会の残酷さをも描いた力作ですね。やはり本物のオジの魂を下ろすには、ディテールにこだわることが大切なのだと、しみじみ感じます

エントリーNo.3

たけ:はじめてのタイプですね

りこ:送られてきたときはヒヤッとしました

たけ:びっくりしますね

りこ:毎日連絡がくるのでしょうか

たけ:昨日は連絡できなくて、がめちゃくちゃ怖いですね。いちばんこわいです

りこ:一方通行に気づいていないみたいです。返信が来なくて当たり前なのでしょうね

たけ:オジもやけになってるんでしょうか…

りこ:習慣ですかね

たけ:朝一で…

りこ:おれは若い女の子と連絡をとっているぞという事実だけが支えになっている感じがします

たけ:文面も若さを感じますし。狭間で迷っている感じがあります

りこ:しかしいちばん欲が強いです

たけ:いちばんいやなタイプですね

りこ:お花見の後の絵文字があまりによろしくない

たけ:絵文字がぜんぶピンクなのも終わっていると思います

りこ:読み方はどうなるのでしょうか。お花見がしたいのか、はたまた……

たけ:ワンセットで、🌸💕🏩←おはなみ と読むのかもしれません……

りこ:そうであってほしいですね

たけ:そうじゃなきゃだめですね

りこ:絵文字の顔文字に重ねて顔文字を使うのは斬新でしたね

たけ:ほぼ同じ意味の顔文字というのも興味深いです。こだわりというか、手癖を感じます

りこ:ナンチャッテや、なんて、などを最後につけるのはオジあるあるのようです。断られるのが怖い、冗談に見せかけたい心理が働いています

たけ:オジへの理解がすばらしいですね。その中でも なん、て(笑)など、オリジナリティを出そうとしている点が非常に良いですね。ほかのオジより上に行きたいという気持ちを感じます

りこ:どのオジよりも若い感じがあります

たけ:ポケットに手つっこんでそうですよね

りこ:偏見ですね〜

エントリーNo.4

No.2同作者

たけ:わたしこれめっちゃ好きですね〜

りこ:これがきたらランチいきますか?

たけ:いきませんね

りこ:良かった点を教えてください

たけ:まず、オジとして完璧に書こうというのではなく、飾らず、心のままに書こうとして、そうしたらこうなったのだ、というふうにわたしは感じました

りこ:心からオジなのだということですね

たけ:オジ構文というのは、絵文字のバリエーションではなく、心だと思っているので。どうですか?

りこ:前半のお惣菜のくだりがとてもよかったです。絶妙に食欲を失います

たけ:脂ぎった感じが頭に浮かびますよね。非常に良いです

りこ:勤務態度はとても真面目なのだろうとおもいます

たけ:人差し指で懸命に打っているのでしょうか…泣けます

りこ:メタボの語感に時代を感じます

たけ:オジしか使わない言葉はやはり光って見えますね

りこ:そして、なんの脈絡もなく心配しはじめましたね

たけ:相手が塩だと、元気がないと思っておくほかないのでしょうね

りこ:既読がすぐについたのに、返事がない=元気がない、ということでしょうか

たけ:ねじれていて良い思考回路ですね

りこ:ひとつ気になったのは、「りこちゃん一筋だよ」の後の💤ですね。理解に苦しみます

たけ:不思議ですね。💤も、なんちゃって、の亜種で、一筋と言ったのを誤魔化している可能性もあると思いました。どうでしょう

りこ:すてきな捉え方だと思います。照れ隠しにも似た感情ですね

たけ:そうですね。そこで💤を選択するのがなんとも言えず、趣深いです

りこ:わたしは💤のあとの(^^;の絵文字までがなにかの隠語ではないかと考えました。オジ構文自体、隠語のようなものですが……

たけ:なるほど

りこ:💤(^^; ←夢中

たけ:なるほど……絵文字ひとつひとつに意味を持たせているのが重くてすごく嫌ですね

りこ:オジは重たいものですから

たけ:じめじめしてますね

エントリーNo.5

たけ作

りこ:うわ〜これはすごい

たけ:自分で送ってからびっくりしました

りこ:さきほどのオジたちに比べるとすこし顔文字は少なめですね

たけ:こだわりました!絵文字中心に回してみました

りこ:ナチュラルなのに欲がつよい。一見優しそうなのに見事に自分語り。すばらしいです

たけ:うれしいです!絶対自分語りから入ろうと思っていたので…

りこ:優しさを見せながらも、自分の欲求は通すぞ‼️という強さ、のんびりしてる時間はこのオジには一秒たりともないですね

たけ:細かい考察ありがたいです。オジは限界を生きているので…

りこ:お休みを把握しているのも気持ち悪いですね〜

たけ:ですよね〜、キモポイント見つけていただいて嬉しいです

りこ:これはお店に通っているオジですね

たけ:はい。スケジュール全把握しております

りこ:しっかりお店とリアルを分けているので、良識のあるオジと呼べます

たけ:弁えております

りこ:冗談と我慢のリフレイン、趣があります

たけ:いいですよね〜、エモい

りこ:テクニック勝ちです

たけ:やった〜

振り返り

りこ:オジ構文対決いかがでしたか?

たけ:めちゃくちゃ楽しかったです。いろんな方の参加にも、感謝

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