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父と忠犬

入院中の父をずっと待っている君

仕事人間で、不器用な父は
7年前、定年直前で病に倒れた

この先どこまで続くか分からない闘病


何もいわないけれど
悔しさが滲む父の姿に
子どもたちなりに励ます方法を
かんがえて…


そして君はやってきた

***

今度の入院は長くなりそうだ
もしかしたら
もう帰宅は難しいかもしれない


散歩していても
遠くで車の音がするたび、立ち止まる

じっと聞いている

ありがとう
君は誰よりもこの7年
父の近くにいてくれる