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理科教育の理論&実践

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理科教育の理論と実践をつなぐ記事です。研究の最前線の話や、授業のアイデアの話を紹介します。
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#科学教育

科学教育の歴史的変遷と現代的課題

科学教育の歴史的変遷と現代的課題

この記事では、過去100年間で科学教育の目標や教授方略がどのように変化してきたかを整理した上で、これからの時代の科学教育に何が求められるかを検討します。科学教育 Advent Calendar 2023 の22日目の記事です。

科学教育の目標の変化科学教育が重要であるという主張には多くの人が同意しますが、その目標は今も昔も変わらないのでしょうか?100年前と現在とで科学教育は同じ方向を目指してい

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科学教育におけるコンピテンシー概念の定義に向けて

科学教育におけるコンピテンシー概念の定義に向けて

本記事は、オンライン読書会(@ScienceEducat10)での発表と、参加者による議論をまとめたものです。理科教育 Advent Calendar 2022 の 2日目の記事を兼ねています。
この記事では、経済分野で登場したコンピテンシー概念が教育分野に導入された過程を整理した上で、科学教育におけるコンピテンシーとは何かについて考える基盤を示しています。

社会の変化とコンピテンシー概念の登場

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理科における科学的推論の課題とメタ認知

理科における科学的推論の課題とメタ認知

本記事は オンライン読書会で読んだ本の内容と、参加者による議論をまとめたものです。理科教育 Advent Calendar 2020の5日目の記事を兼ねています。
今回,私が担当したのはChapter. 8「Scientific Reasoning During Inquiry: Teaching for Metacognition」です。この章では、学習者が探究を行う際に直面する科学的推論の課題

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探究に基づく科学教育

探究に基づく科学教育

本記事は、オンライン読書会で読んだ本の内容と、参加者による議論をまとめたものです。理科教育 Advent Calendar 2020の4日目の記事を兼ねています。
今回,私が担当したのはChapter. 19「Inquiry-Based Science Education」です。この章では、探究に基づく科学教育についてまとめられています。

能動的な学びに向けた教育改革の歴史
自然科学(Scien

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理科における仮説設定とは何か

理科における仮説設定とは何か

理科の授業では、問題解決の流れに沿って授業を進めることが多いです。
問題解決の流れとは、大まかに書くと

問題設定→仮説設定→実験計画→実験(観察)→結果の処理→考察→結論

というものです。
この内、今回は2番目の仮説設定に注目します。

仮説とは何か
仮説設定とは何かという問いはシンプルですがとても難しいです。
というのも、研究者によって仮説とは何かという考えが違うからです。
理科教育の世界で

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