【商業出版する方法+α17】本の価値が下がっていると言われている時代にどう本を出していくか?

元KADOKAWAのビジネス・実用書出版コンサルタント&編集者の渡邉です。

本を読まない。本が売れない。そう言われて久しいと思います。

本への価値は、まあ、確かに昭和時代と比べて下がっているんじゃないかな、って思うことは否めないです。

社会はスマホが浸透し、SNS全盛でもある。

そういう「声」もよく見聞きしますしね。 

でも「本を出したい」「出版は目標である」と言われるビジネスパーソンはますます増えている。

このジレンマというか、矛盾というのをどう整理したら良いのでしょうか。

私が出版業界にどっぷり浸かっていた経験からお伝えするとすれば、 

「本の世界は成長市場ではないが、意外に衰退もないんじゃないか」

ってことです。

ちなみに出版は「日本独自の文化」です。無論コミックとかは、アニメ映画などやグッズに変化し「二次利用」されて海外輸出はあるけど、他の業界と違って「グローバル化」はとてもじゃないけど見込めない。

でもね。これも私よくいうんですが、日本の人って紙の本が何だかんだいってすきなんですよね」って話です。

電子書籍もゴマンと出されているけれど、電子本はネット記事に比べると重めコンテンツを数万字の文字量で凝縮した文字を読む・・にはあまり適していない。

小説や文学系なんてその最たるものですが、ハウツー本であっても「やっぱり紙の本でないと読むのに(文字を追うのに)疲れる」という人もまだまだ圧倒的です。

「この業界・この先厳しいですからね〜」とはいえども、それでも日本人は紙の本へのロイヤリティーは高い。

だから、ヘタに希望を失うようなこともないのでは、と考えます。
楽観視ではないけれど、一方的な失望感も持たなくても良いのではないかと。

ただ大事なのは、重厚で良質なコンテンツを著者がしっかり放出できるか。そういう著者を編集者が発見できて、適切に料理できるか、、という点かもしれませんね。

ビジネス書や実用書の世界では、最近ぶっちゃけ「誰でも本が出せますよね」みたいな感覚で、一部の読者から揶揄されているのも事実です。

でも!

これって、やっぱり間違っているんですよね。

はっきり言えば「誰でも出せる!」みたいな世界に思われがちだけど、意外にもそうすんなり・・・ではないかな。
見ているとね。

「公平に門は開いている。だけど、門の中に入って生きていこうとすればそれなりの力を身に付けたり、蓄えたり、切磋琢磨で成長したりは必須だよね」


って話かも。

なんせ「ライバル」が多いですから(笑。

大御所と新人と、あらゆる著者が”競合”にもなってくるから、その意味でも著者さんのコンテンツクリエイターとしての力量はめちゃんこ問われてくるかな、って実感しています。

今売れている本は、簡単に誰でも読める!わかる!というよりは「ネット記事にはない”重厚さ”」みたいなものですね。

あとは「新しさ」が発揮されて「面白い!」本です。

単価少々高め。な本も売れてるとみてます。

今と半年後の時代を読み

「あえて本を買ってまで知りたい・読みたい!楽しみたい!」

と思えるコンテンツ+本づくりが、今後のカギになってくるのだろう。と実感していますね。

自戒を込めて。


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