りいちろ

舞台鑑賞好き。演劇、落語、ダンスも好物。 さくりさく企画名義で作る側のことにも手を染め…

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舞台鑑賞好き。演劇、落語、ダンスも好物。 さくりさく企画名義で作る側のことにも手を染めました。 さくリさく企画 演劇を企画したり、協力したり、芸術に触れたり ・2018年2月 佐藤佐吉大演劇祭観劇ラウンジに5団体を招聘。 ・2019年8月 演劇公演『Solace』を企画・製作

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こまばアゴラ劇場のお出迎え看板たち 2023年度

    • ルサンチカ『殺意(ストリップショウ)の感想』

      2023年5月17日にアトリエ春風舎で観たルサンチカ『殺意(ストリップショウ』の感想。 東京での公演は終了しましたが京都で公演が予定されている舞台でありネタバレを含みます。これからご覧になる方はご留意くださいませ。 三好十郎の戯曲はいくつかの団体での上演を観ているが『殺意』(ストリップショウ』は初めて。 ひとり芝居、忽ちに取り込まれ105分を俳優の掌の中で様々に揺すぶられながら観続けた。 舞台にダンサーの衣装を纏った女性が現れる。洒脱な舞台美術、華やかなジャズが場内を満

      • スペースM&Aプロデュース『瓶底のマクガフィン』の感想メモ

        この舞台はまだ公演中ですが、内容にはネタバレがあります。作品を観劇予定の方はご留意ください。 2023年4月2日夜に八王子 スペースM&Aで観た『瓶底のマクガフィン』の感想。 スペースM&Aは初めての劇場。京王線八王子から歩いて5分の場所にある。 階段を降りて、地下の劇場へ。席に着くと舞台スペースは思ったより広く、上手奥にピアノが、中央に机と椅子、下手にバーカウンタが立て込まれている。また奥には二つの扉。 フライヤーには以下の通りストーリーが公開されている。 脚本・演出

        • 江口寿史イラストレーション展『東京彼女』の感想

          江口寿史先生は私と同世代の漫画家、イラストレーター、画家である。初めて彼の作品を目にしたのは週刊少年ジャンプ『すすめ!!パイレーツ』の連載だが、その後『ストップひばりくん!』が始まって彼の描く女性(?)の美しさに嵌まった。暫く時をおいて心を揺らされる多くの彼のイラストを目にするようになり、そのたびに新たにときめくことになる。イラスト集を購入したこともあるし、最近『彼女』という彼のイラストレーション展があちらこちらで開催されていることにも気がついていたが、なかなか足を運ぶことが

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          アマヤドリ『天国への登り方』感想メモ

          2023年3月23日夜に三軒茶屋シアタートラムで観たアマヤドリ『天国への登り方』の感想メモ。 『天国への登り方』の初演は2019年に池袋あうるすぽっとで観ている。その時にはボクシングのグローブとその先で心を交わす夫婦二人の心の通い方がとても印象的で、ずっと心に残っていた。 今回、再演を観て、その時に至る物語が新たな感触とともに蘇り、深く浸潤される。 劇場内に足を踏み入れると薄暗い舞台に長椅子も含めた何脚かの椅子が目に入る。俳優が舞台に現れ、お決まりの諸注意、そこからリーデ

          アマヤドリ『天国への登り方』感想メモ

          視点『SHARE’S』G・Hチームの感想

          2023年3月19日に座・高円寺1で観た2023年3月19日に座・高円寺1で観た視点『SHARE’S』G・Hチームの感想 視点『SHARE‘S』4日目、最後のチームG・Hを鑑賞。過去3日間の観劇で受け取った果実のおかげか、受付でチケットを渡して渡してもらうとき既にドーパミンが滲みだすような感覚があった。また、そのドーパミンがしっかりと昇華するような舞台たちだった。 ・アガリスクエンターティメント『令和5年の廃刀令』 脚本・演出: 冨坂友 出演: 淺越岳人、伊藤圭太、榎並

          視点『SHARE’S』G・Hチームの感想

          視点『SHARE’S』E・Fチームの感想メモ

          2023年3月18日に座・高円寺1で観た視点『SHARE’』E・Fチームの感想 視点『SHARE‘S』A・B、C・Dと観て、更にEの「やみ・あがりシアター」、Fの「肋骨蜜柑同好会」の舞台を拝見。また、違った劇団の個性に強く惹かれた。 ・やみ・あがりシアター『背に描いたシアワセ』 作・演出:笠浦静花 出演:加藤睦望、小切裕太、内野智 五十里直子、安藤安按、谷川清夏 河原邦恵、吉成豊 何年か前に観た舞台の再演で戯曲に仕組まれた企みも知ってはいたが、そんなことを忘れさせ一から

          視点『SHARE’S』E・Fチームの感想メモ

          視点『SHARE'S』C・Dチームの感想

          2023年3月17日に座・高円寺1で観た2023年3月17日に座・高円寺1で観た視点『Shares』C・Dチームの感想 昨日につづいて視点『SHARE'S』を。 A・Bとは全く違った面白さの2団体、たっぷりと楽しむ。 ・食む派『冷やし中華いななき』 脚本・演出 :はぎわら氷雨子 出演 :松本みゆき(マチルダアパルトマン)、江原パジャマ(バ萬) 岩本えり、岡本篤(劇団チョコレートケーキ) 波世側まる 舞台上には食堂の机が三組、下手に入り口が用意され、舞台前方には「冷やし

          視点『SHARE'S』C・Dチームの感想

          視点『SHARE'S』A・Bチームの感想

          2023年3月16日に座・高円寺1で観た視点『SHARE'S』A・Bチームの感想 視点『SHARE'S』は8団体が参加。2団体ずつが3~4公演を行う。 ルールというかこの企画の創作条件は ・基本的にワンシチュエーション ・出演人数は問わない ・音響、照明操作はシンプルであること ・上演時間は60分(一幕のリアルタイムである必要はなく劇中で時間軸が飛んだりしても良い) ・新作でなく既出の戯曲を60分に改稿したものでもOK とのこと。 そして 「一番大事なことは、カンパニーや劇

          視点『SHARE'S』A・Bチームの感想

          カリンカ『日記』の感想メモ

          2023年2月26日夜に下北沢オフ・オフシアターで観たカリンカ『日記』の感想。 作・演出は劇団普通主宰の石黒麻衣。年老いた両親とそれを気遣う子供たちという構図は石黒が佐藤佐吉最優秀脚本賞を受賞した劇団普通の公演『秘密』と同じなのだが、描かれることがその両親が暮らす田舎を訪れての出来事から両親たちをその娘が都会に呼び寄せた都会での出来事に変わったことで、新たな色合いに編まれた物語になる。 そもそも、これらの作品に描かれる様々の根っこは、たとえば小津安二郎監督の『東京物語』で描

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          Mrs.fictions『15 Minutes Made in 本多劇場』の感想メモ

          2/23日夜に観たMrs.fictions『15 Minutes Made in 本多劇場』の感想メモ。 第一回こそ見損なったのだが、第二回からはほぼ欠かさず見続けている6団体のショーケース企画。前回の開催は2017年だったとのことで約5年ぶりである。 ここで知って追いかけている団体もひとつやふたつではない。また、既知の団体であってもその力を再認識したり新たな側面を発見したりもした。短編演劇のおもしろさもたんと知ることができた。私が舞台を観るうえでの道標のひとつでもあった。

          Mrs.fictions『15 Minutes Made in 本多劇場』の感想メモ

          久保磨介・藤本康平企画公演『もういらなくて綺麗』の感想メモ

          2023年2月23日昼に池袋スタジオ空洞でみた久保磨介・藤本康平企画公演『もういらなくて綺麗』の感想メモ。 団体も、作・演出の方の作品も観るのは初めて。 冒頭、舞台の視座を担う結美(波多野伶奈)がひょこっと舞台の隅に顔を出して場内を眺め、それから歩み出し、前説をして舞台が始まる。するっと舞台の世界に取り込まれる。 大学入学で上京する結美、コンビニ店長をしているその父親(安東信助)。彼女を東京で受け入れる叔父(藤本康平)、そのウエディングコンサルタントの叔父と一緒に仕事を

          久保磨介・藤本康平企画公演『もういらなくて綺麗』の感想メモ

          劇団普通『病室』の感想メモ

          2021年8月4日に三鷹芸術文化センター 星のホールで観た劇団普通『病室』の感想メモ。 作品は2019年秋、池袋スタジオ空洞での初演も観ている。舞台のレイアウトや美術の印象はその時と同じ。4人部屋の病室、白で統一された部屋。前後に2台ずつのベット、車椅子、お見舞いの人が座る椅子。ただ、舞台の広さや高さが違うせいか、初演時には空間にもうすこし閉塞を感じていた記憶がある。今回は壁の概念が薄れ空間が外に開かれている感じがするし、中央の窓が醸す開放感がある。 パジャマを着た4人の

          劇団普通『病室』の感想メモ

          オーストラ・マコンドー『孤独』の感想メモ

          2021年7月31日昼にすみだパークシアター倉で観た、オーストラ・マコンドー『孤独』の感想。 この公演は現在上演中であり、感想の内容には多くのネタばれが含まれています。ご観劇の予定がある方は舞台をご覧になった後にお読みいただければと存じます。 馴染みの場所の新しい劇場での公演。これまでも時々足を運んだすみだスタジオパーク倉も広い舞台面を持った劇場だったが、そこはもうあとかたもなくなり、奥側に新たにすみだパークシアター倉として建てかわっていた。従前ほどではないにせよ幅があり

          オーストラ・マコンドー『孤独』の感想メモ

          ほりぶん『これしき』の感想メモ

          2021年7月29日に花まる学習会王子小劇場で観たほりぶん『これしき』の感想メモ ブレーンな舞台。床には線が2本引かれていて、後方には書き割りのような自動販売機。 前方に置かれた濃い灰色のような小さな箱が目に入る。 やがて主宰的俳優が登場してご挨拶、。コロナの影響で公演が二度中止になったこと、その間に作品も新たに変化を遂げたこと。その上で5人の女優が並び舞台の幕あけとなる。 すれ違った女性どおしのちょっとした口論から世界が歩み始める、そこに仲裁の女性が現れるは、路傍にへた

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          芸劇eyes番外編『もしもし、こちら弱いい派 かそけき声を聴くたびにー弱さを肯定する社会へ、演劇からの応答―』の感想メモ。

          2021年7月23日に東京芸術劇場シアターイーストで観た芸劇eyes番外編『もしもし、こちら弱いい派 かそけき声を聴くたびにー弱さを肯定する社会へ、演劇からの応答―』の感想。 いいへんじ、ウンゲツィーファ、コトリ会議の3劇団の作品を上演。 場内に入ると舞台が広い。座席の前2列を外してアクティングスペースをさらに確保している。すでにいいへんじの美術がセットされているが、それも舞台の広さにばらけて見える。当日パンフレットで出演者を観るとどの団体も4人から6人の出演者、俳優たちが

          芸劇eyes番外編『もしもし、こちら弱いい派 かそけき声を聴くたびにー弱さを肯定する社会へ、演劇からの応答―』の感想メモ。