「ダンスでなら、自分を表現できる」ダンサー、高安恵理さんへインタビュー。
プレイヤーであり、振付師としてスタジオを持つ高安恵理さん。(以下、ERI)
彼女は地元・大阪の同級生で、幼少期から「ダンス」の印象がとても強い。
19歳でプロデビューし、SNSで久しく連絡を取り合った頃には東京を拠点に大活躍していた。
今回、約8年ぶりに再会したのですが、人を惹きつける明るさは10代の頃から変わらず、大人の優しさや愛が滲み出ていました。
「ダンス一筋」の人生を、懐かしい話題と一緒に聴かせていただきました。
▼ERIさんプロフィール
ー高校卒業後、ダンス以外の道を考えたことはある?
実は心理学に興味があって、専攻して学ぶか親に相談したことがある。
でも「ダンスで東京に行きたい」って気持ちも大きかったし、一点集中型やから、ダンスか心理学のどちらかを100%とするか決める必要があってんなぁ。
その結果、ダンスをやめることはできないし副業としても考えられず、思いのまま上京した。
ーダンスをする人生になったきっかけは?
母に連れられて、リズム体操みたいなスクールに通い始めたのが2歳頃かな。
腹筋もできずに泣いていたのに、踊るのだけは好きやった。
でもあまりに泣くから、母が「辞めてもいいよ」って言ったけど、辞めないっていう頑固な子やったらしい。
ーダンスのある人生で、強く印象に残っていることは?
選びきれないけど・・・。
通っていたHIRO DANCE COMPANY(以下、HIRO)で、優秀賞があって。
ダンスを楽しんでいるだけのつもりが、中学生の頃に優秀賞を受賞したのはめっちゃ覚えてる。
その受賞を機に、ハッとして「これほど多くの人に見られてるのか」ってスイッチが入った。
ーいつから仕事として意識し始めた?
幼少期から仲の良いM姉ちゃんが、レッスンを教えているときにアシスタントをさせてもらったのが始まり。
高校生の頃には自分のクラスを持つようになって、好きなことと仕事が重なったタイミングがめっちゃ早かった。
ー特に好きな仕事って?
ダンス関連の仕事で、本番が1番好き。
ステージの気持ちよさはトリコになるよ。
コツコツ練習するのも大事やけど、ライトを浴びてさらにダンスを好きなるんじゃないかな。
発表会やバックダンサーは、他の人のダンスを見て感性を磨けるのも魅力やから。
アウトプットするためにインプットがある。
溜めっぱなしも仕方がないから、ドンドン出していきたい。
ー今後ダンスから離れるようなビジョンはある?
コロナ禍でエンタメ業界が落ち込んだとき・・・。
分野を変えることもできた時期やったかもしれないけれど、ダンスと他のことを天秤にかけることは無理やった。
それくらいならダンスを捨てるべきかって真剣に考えたこともあった。
けど、今も踊っているのが結論かな。(笑)
ーダンスの何がそうさせてる?
普段は自信がないタイプ。でもダンスでなら自己表現ができるのかも。
ダンスをしている自分が一番好きなのかな。
人と第一歩目のコミュニケーションがダンスやったことが多い。
子どもの頃も「一緒に練習しよう」をきっかけに人とつながっていったのかな。
ダンスで輪が広がっていく感覚が好き。
私=ダンスやから、ダンスを抜いたら抜け殻になってしまうと思う。
ー踊ってるときってどんな気分?
本番前は振り付けのことで頭がカチカチになるよ。直前に変わることもあるからね・・。
でも、ステージに立つと気持ち良くなっちゃうねんなぁ。
大半が、気持ちよかった!楽しかった!っていうことだけが残っていて他の記憶は飛んでる。
根は自信がない性格やから、お客さんやメンバーが褒めてくれたら「よかった・・・!」ってめちゃくちゃ安心する。
逆に、考えながら踊っているときは気持ち良くないし、良いダンスを踊れていないのかも。
ー教えられることって、もうない?
とんでもない!レッスンに行くこともあるよ。
それに、小さい子たちに教えていると私が教わることばかり。
スタジオを始めて4年目やけど、どういう風に伝えればいいのかを考えさせられる。
ダンスだけじゃなく、人格が作られていく年頃の子たちも多いから責任重大。
私自身が通っていたHIROで人格ができあがったタイプの人間やから、その気持ちはわかるから。
未就学児の子たちには、まずは音遊びで体を動かす楽しさを知ってもらう。
意外にも自分には向いていて、一緒に楽しませてもらってる。
ー今と昔、変わったことは?
人格とか含めて何一つ変わってなくて、気づいたら今になっていることにびっくり。(笑)
変わり続けている人たちの方がすごい。
気づいたら踊っているし、やめようかと悩んだこともあるだろうけど結局変わっていない。
強いて言うなら、上京後に仕事として動き始めてから自信が持てるようになった。
直感で動けるようになったし、「やってよかった」というような結果につながるようになってきた。
もし楽しめないことが起きても、自己責任ってわかっているからまずは決めて始める。
変わったと言うより、学んだ。
ー落ち込むことってある?
もちろん落ち込むし、心配性すぎるのかも。(笑)
けど、自分がマイナスな思考に落ちかけても「大丈夫やで」って救いあげてくれる人が周りにいる。
気持ちが倒れかけても、元に戻ってこれるような声をかけてくれる人たちに囲まれているから、どっぷり落ち込むことはあんまりない。
だんだんと直感で動けるようになってきたのも、地元の友人やダンスでつながった人たちのおかげ。
ありがたいことに、周りの人たちが「ERI」をキープしてくれているんやろうな。
だから変わらずにいられる。
楽しいことを経験してしまえば、悩んだ記憶とかも吹っ飛ぶねん。
ー仕事・プライベート、ひっくるめて幸せな瞬間って?
まずは、ビールを飲む瞬間。(笑)
ステージに立つのも、友達や家族との乾杯も大好き。
「この上ない至福」は、仕事面では本番やMV撮影のあとの達成感。
プライベートでは、友人と過去のことも笑い話にしているとき、家族と一緒に過ごしているとき。
贅沢かもしれないけど、この上なく幸せな瞬間はめっちゃある。
ーどんな人を目指している?
年代問わず「この子がいると場がおもしろくなる」って存在になりたい。
おもしろいことが本当に好きで、おもしろい先輩が大好き。
人として、おもしろいことを作っていきたいかな。
自虐ネタはよく言うけど、人を傷つけるような話題や空気は好まないし、美学に反する。
笑いに変えられなかったら、ポテンシャル不足だと思ってしまう。(笑)
ーこれから「好きなことだけで生きていきたい人」に、伝えられることは?
「誰かは見てる」
見てる人は見てる。
人に見られてないって気持ちになると、頑張れることも頑張れないからね。
自分は何が大事で、何を曲げたく無いか。人に見られているとわかってくるときがある。
どんな状況でも、根本的に大事にしているところって絶対に誰かは見てくれているから、諦めないでほしい。
ーERIちゃん、ありがとうございました!
時が飛んだのにも関わらず、変わらない太陽のような存在。
ERIちゃんの「ダンスと笑顔」が多くの人に良い刺激を与えているんだろうと感じさせてくれる、貴重な時間でした。
今度、スタジオの発展やダンサーとしての益々の活躍を楽しみにしています!
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