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「実録」大型シェアレジデンスのコミュニティデザイナー。

▼概要

ー2021年11月~2022年2月

コミュニケーション能力を買っていただき、不動産会社の新規事業としてオープンした69戸の大型シェアハウスで、コミュニティデザイナーとして業務委託を開始。
中心人物として人々を繋ぎ、居心地のよい物件に導いていくような仕事です。

スタートは3ヶ月の契約。他2名のコミュニティデザイナーと社内運営チームで協力し、入居者や入居を検討している内覧者へ向けての情報発信、イベント企画を実施。
コミュニティデザイナー同士では互いの不足要素を補填しあいながら、3ヶ月間どのように活動したいかなどを話し合いました。

ー2022年3月〜2023年2月

3名での活動終了後。
1名のコミュニティデザイナーとして年契約を結ばせていただき、再スタートしました。

前置きしたいことは3点

  • 一般入居者としてではなく立場がある身での生活(仕事とプライベートが生活空間に存在する)

  • 69人が住む大型シェアレジデンス(シェアハウスとの違いは後述)

  • ワンフロアの共有ラウンジとホテルライクの居室がある(2階ラウンジ+3〜14階が居室)

シェアハウスといえば海外で多く存在し、利用されているイメージがありますよね。
5人程度で一つのアパートに住むような。
なのでこのようなシェアレジデンスに住むイメージは、なかなか周りの方に想像しづらいようでした。

ハウスではなく、レジデンスと呼ぶのは運営さんの公式であることと、ハウスという一軒家やアパートではなく縦に長い新築マンションであることが理由。
(入居してすぐは、その違いをあまり意識していませんでしたが。)

コミュニティデザイナーと性格

コミュニティの中心に立つことは、10代から自然としていたので違和感はありませんでした。
“みんな一緒にやろうよ”と呼びかけたり、“知らない人とすぐに会話を始めてみる”というアクションには抵抗がないので。

ただ、その性格は10代からの延長線と海外でのモデル経験で、強化されすぎていたようです。
居心地とは、一人一人違います。
「私はこれが楽しいと思う!」「たくさん話したほうが喜んでもらえる!」という突き抜けたポジティブシンキングは万人を幸せにできるわけではないです。

今回コミュニティづくりに携わるのは2度目だったので、そのような性格と温度感は、なんとなくコントロールして過ごしてみました。
相手と自分の温度感をその空気で判断していたような感じですね。
もちろん、私にも静かに過ごしたいタイミングはあるんですよ。(笑)

立場はあるが目の前にいるのは友人

新しいキャラクターを持つ人々が入り混じる中で、役割を意識しながら自分の私生活を確保する。
「今、業務中です。」と言いながらコミュニケーションなんて取れるのだろうか。
そんな業務的に作られていく関係は求めていないし、提供したいものではなかった。

自分と相手、誰かと誰かが繋がるための会話や企画には、業務を超える私生活の時間を使ってでも“こうしていたい”という気持ちが大きかったです。
なにより、私にとって運営さんは仕事相手でも、入居してくるメンバーは暮らしを共にする大切な友人なのだから。

そのため物件の出来事・情報はかなりセンシティブなものだと認識しなければならない。
世の中へ発信したいけれど、入居者にとって完全プライベートで“住所”であることは1秒たりとも忘れないようにしていました。

何か一つでも手本になりたい

人々が繋がって、楽しい、嬉しいをシェアする企画を考える。
私にとって好きでたまらない時間でした。

それに、自分が好きなものをシェアする喜びをみんなにも知ってもらえたらな、と思いながら過ごしていました。
私の場合は「美味しいをシェアする」「サプライズ企画をする」が最も喜びですね。
(手本なんかせずとも、そういうのは自然と起きていたと思います。)

コミュニティデザイナーだから、必ず中心に立てるわけじゃない。
参加する人々がコミュニティデザイナーを立たせてくれていました。

「この人たちが笑顔になってくれるだろう」と想像することがとにかく好き。
だから自分のささやかなアイデアを、他のみんなに広がってどんどん真似してほしいと思いながら過ごしていました。

暮らしの中にある業務とプライベート

ドライなことを言わせてもらいたい。
祝い事や約束事までもが私の業務だったのだとしたら、それは無休を意味します。

誰かを祝い歓送迎し、遊びに出掛けて、プライベートの時間までも業務のために交流するような業務契約は一切ないです。
コミュニティづくりも交友関係も、そこまで粗末に生きていませんからね。

なので。
立場あってのコミュニケーションと、立場をわきまえて私生活を送りながらとっていたコミュニケーションの境目はとっても薄かった。
その薄い境目は苦ではなかったし、むしろ自然体でいる自分が誰かの救いや癒やしになったのであれば、それほど嬉しい生き方はない。

私はそのプラベートの時間(つまり、ほぼ毎日)がとても愛おしかった。
自分が周りに興味を持つように、一緒に過ごす人たちが自分に興味を持ってくれた気がしました。

交友関係が気づかせてくれた可能性

専門学校卒業後、モデル業にだけにフォーカスして生きていました。
ただただ好きな業界、憧れの職業の中に存在していたかったから。

1件目のシェアハウスを含む、今回のシェアレジデンスでもさまざまな職業、経験者の人と出会いました。

生活リズム、働き方、遊び方、得意分野、笑いのセンス、恋愛や趣味への熱量、物事の捉え方、笑いあり涙ありの過去の経験、多種多様な価値観・・・。

知る機会のなかった人々の生き方を物凄いスピードで知りました。
コミュニティデザイナーとして抜粋され物件に住んでいなかったら、このような出会いはなかったと思います。
私の未来にヒントを与えてくれましたし、今まで心の奥に仕舞っていた遊び心を思いっきり解放させてくれました。

数ある中での個性は、こんなにも周りの人々によって引き出されていくんだと実感しました。

過去の経験と新しく見つけた自分

前向きさと行動力、自由思考を前に出しながらも、時に不安で潰れそうになる。選択も下手で器用ではない。
ストイックなことと逃げることの差が極端だったりもする。

そんな波打った性格でモデル業と向き合ってきました。(笑)

喜怒哀楽の経験と人々の優しさ、刺激がなければ、こんな波打つ自分を知ることはできなかったし、どの要素が自分の武器になるのかさえ見つけられなかったと思います。
偶然、私のコミュニケーション能力は武器だと見つけてくれた友人が、今回のコミュニティデザイナーに導いてくれました。

過去の経験で培ったことは、どこで活かされるか分からない。

  • 不安よりも好奇心を信じる。

  • 文化の壁や言葉の壁もあるけど、優しさはすぐに伝わる。

  • 知らないことを知らないままにしてはおもしろくない。

コミュニティデザイナーとして周りの人が評価してくださったのは、これらの学びが自分のモットーになっているから。
モデルからコミュニティデザインが繋がっていくなんて思いもしなかったです。

終わりと始まり

2021年〜2023年にかけてシェアする暮らしと密に関わってきました。
運営と入居者の間にいることは、ある意味自分らしい住み方だったんだと思います。

同じ物件に住む一員として救われたことがたくさんあります。

  • 慣れないマーケティングの仕事を、全然分からないと嘆いていたら「十分頑張っているよ」と励ましてくれました。

  • 体調不良で部屋に閉じこもっていると、多くの人が何が必要か連絡をくれたり、そっと差し入れをしてくれました。

  • 心の内の不安を話してみると、弱みだと思っていたことを強みに変えて話してくれました。

  • 挑戦したいことを話してみると、すぐに力になれそうな人を紹介してくださったり、さまざまな情報をシェアしてくださいました。

  • 「みんなの中心があなたでよかった。」と言っていただけました。

  • 思わぬところに感謝されたり、細かなことに気づいてくれていたり、自分のために涙を流してくれました。

20代の多くの時間を費やして身につけたものを、人へ与えられる形に変換させてくれました。
今後の人生を見つめるとき、確実に影響していくと思います。

長い人生のうち短い期間での濃厚な経験は、前職から離れた瞬間に訪れました。
変わるべき時に変わったんだなぁ。としみじみ思います。
シェアする暮らしも、改めてひとりの入居者として過ごしてみたいですね。

今回採用された自分の能力をしっかり実績として残したいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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