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2021年5月の記事一覧

『茜色に焼かれる』石井裕也監督作品 田中良子、理不尽と闘うためのアイテムは「ルール」なのか。「ルール」って何さ?

『茜色に焼かれる』石井裕也監督作品 田中良子、理不尽と闘うためのアイテムは「ルール」なのか。「ルール」って何さ?

トップの写真は、リンクした公式サイトより、拝借しました。

2020年、去年の初め。中国武漢の状況から知らされることになった新型コロナウイルス感染症は、瞬く間に世界に広がり、日本でも緊急事態宣言が出され、社会の機能が一時停止した、その頃。

「誰も助けてくれないんだ」

うちの娘がそう話した。若い彼女は、それまでは日本の国の政府や行政は、非常事態が起きたとき、弱い立場の人が困ったとき、助けてくれる

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歌は、どこから来るの? 『ブータン山の教室』(パオ・チェンニ・ドルジ監督)は、ただの遥かなる山の呼び声映画ではない。

歌は、どこから来るの? 『ブータン山の教室』(パオ・チェンニ・ドルジ監督)は、ただの遥かなる山の呼び声映画ではない。

トップの写真は、リンクした映画公式サイトから拝借しました。

幸せの国、ブータン王国、と聞いたことはあるけれど、実際ブータンてどこにあるの?

こちらのリンクは、映画『世界で一番美しい村』。ネパールの山村の話でしたが、ネパールとブータンは、お隣同士。文化もよく似ている。標高3000mを超える山岳地帯に、永い時を変わらぬ暮らしを続ける村々がある。

リンクばかりで見づらいですが、こちらは少女マンガに

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「大泉サロンなど、なかった」ー『一度きりの大泉の話』萩尾望都ーから蘇る子どもの記憶は、きっとあなたにも繋がっている。マンガを愛する全ての人たちへ。

「大泉サロンなど、なかった」ー『一度きりの大泉の話』萩尾望都ーから蘇る子どもの記憶は、きっとあなたにも繋がっている。マンガを愛する全ての人たちへ。

今を去ること49年前。ほとんど半世紀が過ぎた昔の話。1972年(昭和47年)わたしは、10歳。小学校4年生。色々なことがあった。鍵っ子になった。隣の仲良しだったえりちゃんが引っ越した。ずい分早い、生理が来た。

そして、生まれて初めてマンガを読んだ。週刊少女コミック。一冊七十円だったか九十円だったか。もう記憶は、さすがに遠く朧げにしかないけれど、マンガ本を手にした興奮は、はっきりと鮮明だ。

その

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映画『ミナリ』を見る。率直によくわからなかった。素朴な覚書。

映画館で一度、宣伝を見ただけで行ったのですが。想像してたのと全く違う映画だった…以下、完全ネタバレですので、差し障りのある方はスルーでお願いします。

韓国移民がアメリカで苦労する話、なのは間違いないが、勝手にアメリカ人との葛藤や諍い、移民の苦悩がメーンの話だと思い込んでいた。
苦悩も間違いないんだけども、描写は、ほぼ主人公の家族に徹されている。白人コミュニティは、彼らにとって外部として描かれてい

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