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コーチングが魔法のように感じるのは何故か考えたみた

何故なのかよくわからないけど、コーチングを受けると、現実がどんどん変わっていく・・・。私がコーチングを受け初めて早10年。コーチングを受ける中で、通常体験することのない大きな気づきや変容が起こることが度々あります。まるで何かの魔法にかかったみたい・・・そう感じることがあります。

そして、私自身がコーチングを提供する側のコーチとして活動する中で、クライアントさんから、「りえちゃんは魔法使いみたいだ」と感想をいただくことが何度かありました。コーチングを受けることで、今まで気が付けなかったような気づきや、アハ体験が起こるから、と。

コーチング習いたてのころは、この魔法は、コーチングの「スキル」によるもので、何か特殊な手法が魔法のようなミラクルを起こさせているのだと思っていたこともありました。

でも、どうも、違う。

400時間のコーチング提供実績を経て、そして、自分自身のクライアント体験を経て、今、私が感じる「コーチングの場における魔法」について、書いてみます。

「魔法」が常に起こるとは限らない

ここで言う「魔法」とは、クライアントさんに大きな気づきや変容が生まれること、としましょう。

まず、前提として、私は何か目に見えないものを感じる力、いわゆる霊感やサイキックな能力があるわけではありません。

「直感」として、何かを感じたり、もしかして・・・?とピンとくることはあっても、霊能者のように霊視ができたり、見えないエネルギーで何かを操ることはできません。

そして、私が提供するコーチングの場でも、必ずしも毎回魔法のような大きな気づきや変容が起こるわけではありません。

「この関わりでよかったんだろうか・・・」と自信を無くし、コーチングをすることが怖くなったことも度々あります。

今でもどのようなクライアントさんでもOK!どんな悩みでもOK!の無敵なコーチでは全くありません。

なので、前述のようなクライアントさんの感想のような事が常に起こっているわけではないのです。

そして、これまでは、そのような事(気づき、変容)があまり起こらないクライアントさんも正直いました。

「魔法」が起こる時と起こらない時、何が違うのか?

コーチングのスキル。これもすごく大切。傾聴、反映、認知、質問、提案etc・・・。色々なスキルがあって、スクールではしっかり習います。実践でもスキルはとても大切で、たくさんのコーチ達がスキルアップに力を入れています。

でも、ある程度のところまでくると、コーチのスキルにはそこまで大きな差はないように感じます(もちろん、ベテランのコーチと駆け出しのコーチでは差はあると思いますが、熱心に学び、それなりに実践の経験を踏んでいるコーチであれば、の話)。

もちろん、スキルによって、何か大きな気づき・変容が促されるということもたくさんあると思います。

思いますが、それ以上に大きなものが、クライアントさんの気づき・変容に関係していると、とある時から感じるようになりました。

それは何か。2つあります。

1.安心の場であり、本音が語られているか

すごく当たり前の話のようであり、一番大切だと私が感じているもの。

コーチングを受けようと思う時点で、コーチには何でも正直に本音で話せるのが当たり前だと思ったら、実は違うのです。

・コーチがすごい人のように思えて、コーチの前では優等生の自分になってしまう。
・コーチの求めているだろう答えを無意識に選び答えてしまう。
・本音を伝えることが怖い。どう思われてしまうかが気になる。
・コーチがなんとかしてくれる気がして、コーチの反応・選ぶ言葉から正解探しをしようとしてしまう

実は、こういう事がクライアントさんの中で起こっていることもあります。

これでは、気づき・変容は起こりません。

コーチング用語で「意図的協働関係」という言葉があります。

コーチとクライアントさんは対等な関係であり、2人の協働関係は、どちらか片方が実権を握るのではなく、2人で一緒に創っていくものなんです。

どちらか一方が何か違和感を感じているのになんとなくやり過ごしているようなコーチングの場は、完全な「安心の場」にはならないのです。

この場では何を話してもいい、何かあっても2人でまた関係性を創り直していける、そんな信頼関係があって初めて、クライアントから思わぬ本音が語られ、コーチからも本音のフィードバックの言葉が出てくる。

そこに、化学反応が生まれる。

そう、「本音」というのは、クライアントさんがコーチに対して、だけではなく、コーチがクライアントさんに対して、というのも同じくらい大切なのです。

もちろん、コーチという職業倫理を逸脱するような本音は語ってはいけないですし、プロとしての自己管理をするべきこともあります。

が、基本、「本音と本音」でお互いが安心してその場に居られることが、コーチングの場ではものすごく、ものすごく、大切です。

「本音」は、ものすごく大きて強いエネルギーです。

それが双方から語られたら、化学反応が起こる。想定以上の何かが起こる。

上辺だけの言葉や、いつわりの言葉には、エネルギーは乗っからないのです。だから、伝わらないし、変化も起きないのです。

なので、この「協働関係」がとても大切で、だからこそ、コーチングは単発ではなく、継続的に受けていただくことに価値があると思っています。

回を重ねれば重なる程、コーチとクライアントさんの関係性も深みを増していき、協働関係も強固になっていくからです。

2.相性

もう、これは、本当に大切です。

これまでの私の経験の中で、体験セッションだけで終わってしまうクライアントさんと、継続契約をいただくクライアントさんの大きな違いは、「相性」だなと感じています。

「相性」って良く使われる言葉だし、抽象的なので、もう少し解像度を上げて説明するならば

「コーチのことをどれくらいその時点で知っているか」

がこの相性に大きな影響を与えていると思います。

コーチのこれまでの生きてきた歩み、苦労、キャリア、大切にしている価値観、どのような人にコーチングをしたいのか。内面的なものだけではなく、外見、服装、声などの要素もしかり。

コーチがどういう人なのか、という実態をクライアントさんがちゃんと事前に把握できていて、それを把握していただいた上で

「この人のコーチングを受けてみたい」

と思える状態にあるかどうか。

これが、コーチとクライアントさんの「相性」が良いかどうかのファーストステップになるのですが、この時点で、実は、相性のかなりの部分が決まっているような感じもします。

正直な話、私のことを何も知らない状態で、完全なる初対面で体験セッションをさせていただいて継続に繋がることは私の場合ほとんどなかったです。コーチング提供当初は、「体験セッションが継続契約につながらない」という苦悩にかなり打ちひしがれて、毎回凹んでました。

体験セッションの1時間の中で、自分のことを理解してもらえるほど、私は話し上手ではなく・・・。良い面ばかり見せようとしてしまったり、逆に、クライアントさんが良く思ってくれるように相手に寄せてしまったりする自分がいました。

なので、事前に私の全体像をなるべく知っておいてほしい、そう思うようになりました。

自分の実名、顔写真、動いている様子(ラジオやyoutube)、これまでの挫折な苦労話、家族関係の話など、リアルな私を出すことは、すごく怖くて、なかなか勇気のいることでした。

一方で、私は第一印象の雰囲気・歩んできた表向きの経歴と、内面にギャップのあるタイプという自覚が自分にもあり、内面の部分もちゃんと表に出さないと、「話してみたら違った」ということが起こりかねないなと薄々分かっていました。

なので、今も発信は勇気がいりますが、私という人物像の解像度を上げて理解していただけるように、色々な形で自分のことを伝えることを大切にしています。

その方が、クライアントさんにとってもハッピーですし、私もハッピーなのです。

100人体験セッションやって、少ししかご縁がつながないよりも、5人体験セッションをやって5人の方と継続して関わらせていただける方が、自分にとってもサステナブルだなと感じます。

コーチングが大好きだから、そんなところでコーチングを苦痛に感じてしまう自分にはなりたくないのです。そして、「そんな事で凹んでたまるかー!あたって砕けろ!数をたくさんこなしていけばそのうち慣れる!」というようなやり方ができるほど、タフな心の持ち主ではなく(;'∀')

ここで凹んでいる時間があれば、コーチングの研鑽に時間を使いたい。

多分、相性が合わない方は、私の発信を見て、私を選ばないでしょう。「あ、違うわ」って思ってもらって全然良いのです。万人受けしたいとは思っていないので。本当にお互いが出会うべくして出会えたね、そう思えるクライアントさんと出会いたいです。

そういう方と、継続して、協働関係を創っていって、2人だからこそ築いていける関係性を大切に大切に育んでいきたいと思っています。

結論:コーチングの場では魔法はかけていない

あらためて、ここまで書いていて感じるのは、コーチングはチームプレーだということ。テニスのダブルスのような。

コーチばかりが凄腕でも、クライアントさんが受け身である限りは、良いプレー(コーチングの場)にはならないのです。

ある程度のプレー技術があっても、良いプレーができるとは限らない。ペア同志の信頼関係、あうんの呼吸、そういうのが重なりあった時に、ミラクルショットが出る、そんなイメージ。

コーチとクライアントの関係性に何か化学反応が起こった時に、結果的に「魔法にかかったような<何か>が起こる」ということはあっても。コーチがクライアントさんに魔法をかけている、ということではない、と私は思っています。

お互いが、お互いの本心のところから言葉を出し合って、違和感があれば正直に伝えあって、「ここからどうやってさらに良い関係にしていけるかな」ということを話し合って。

この関係は自分達で創っていくんだ、そして、この人とならそれをやりたい、それができるんだ、という主体的な意識がすごく大切なんだなと感じます。

まるで、恋人や夫婦関係のような。

どうしても折り合わない、という時がきたら、離れることを選ぶのもあり。そしてもしかしたら、また未来に出会い直して、新しい関係を創り直すこともあり。

「あなたにもっと良い人がいると思うの」と言って、別のコーチを紹介するのもありなんです。

それくらい、自由で、流動的で、主体的。

大人になっても、そういう関係を誰かと創っていけるって本当に素敵だなとつくづく思います。

深くて、味わい深くて、豊かで。

だから、どれだけコーチングをしていても飽きないし、やればやるほどスルメ感があって、もっと深めていきたくなるんです♪

と、ここまで思えるようになったのも、本当につい最近の話で。

もがいている時間の方が結構多かったです。し、これからももがくこともあるかもしれません。でもきっと諦めない。ずっとやっていくんだろうな。そう感じているそんな今です。

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コーチ仲間のさゆりさんからインタビューしていただきました。


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