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参加者募集中!「救済」で終わらない、ホームレス問題の解決に挑む越境プログラム

皆さん、こんにちは!株式会社リディラバの石井です。

このnoteでは、2023年7-8月に開催するフィールドアカデミーLITEについてご紹介します。

開催概要

・日程:2023年7月~2023年8月(計4日間)
・エリア:東京都新宿区ほか
・テーマ:ホームレス問題
・プロジェクトミッション:『-『救済』ではない、新たな社会価値創造-
サステナブルな『ホームレス問題解決』のプレイヤーと共に、誰もが再挑戦できる社会を描き出す。』
・パートナー:ビッグイシュー日本東京事務所長 佐野 未来 氏

フィールドアカデミーとは?

フィールドアカデミーは、経済産業省「未来の教室」実証事業から生まれた、企業人が慣れ親しんだ会社の外に飛び出して、社外の仲間と共に社会課題の解決に挑む越境型の人材育成プログラムです。

普段の業務ではなかなか出会えないリアルな社会課題と向き合い、多様な業種のメンバーとチームを組んで、共に課題解決に挑むことを通じて、与えられたお題を解決する「HOW」の力だけでなく、答えのない領域で自ら未来を切り開く「WHAT・WHY」を決める力を育みます。

テーマ:ホームレス問題

社会問題といえば、真っ先に頭に浮かぶホームレス問題。「ホームレス」という言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?

路上で生活している人や働きたくない人、もしかしたらひげもじゃのおじいさんを想像するかもしれません。もちろん、これら全ては間違っているわけではありませんが、この問題を考えるにあたっては、そもそも「ホームレスと呼ばれる状態とは何か」を考える必要があります。

「ホームレス」とは、家がない状態を指す言葉です。
イギリスの定義では、『適切な住居に住むために助けを必要とする人々』としており、所謂路上生活者だけでなく、ネットカフェや24時間店舗で寝泊りする人や友人の家を転々とする人、はたまた家があっても経済的な理由や家庭ない暴力で家にいられない人も、ホームレス支援の対象となっています。

日本の場合はどうでしょうか。日本で法的に定義されるホームレスは、「市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者」に限られています。

厚生労働省「ホームレスの実態に関する全国調査(令和4年度)」

2022年の厚生労働省の調査によると、路上や駅で生活する人の数は年々減少傾向にあるといわれています。一方で、この数は路上生活者を目視でカウントした数です。そのため、路上生活はしていないものの、屋根はあるが家がない/家で生活できない人(簡易宿泊所やネットカフェ、カプセルホテルやファストフード店等で夜をあかす)をカウントで来ておらず、その数は一晩に東京都内で4,000人と推定されています。(2018年 東京都調査)
この様に、ホームレス問題というのは、「路上生活している人」だけを想像しても、問題の全体像をつかみづらい傾向があります。

ホームレス状態になる理由や経緯は、人それぞれに異なります。失業や借金、家族との離別や介護離職、災害の罹災などその原因は多岐に渡っていますが、多くは非常に見えづらい要因で構成されています。

ただ一つ、共通して言えるのは、どのケースも仕事や人間関係、お金、家といった有形・無形問わず様々な“資産”を失うことで陥るといわれています。


『カフカの階段』

ホームレス状態は、ある時その日から急になるというよりも、階段を1段ずつ降りるように、資産を失っていく中で起こります。

「ホームレスの人は働けばいいのでは?」と思う方も少なくないのではないでしょうか。ここから仕事を得るまでには、深く落ちた階段から、壁を一気にあがる必要があります。

住所がないと、仕事を得るための履歴書を書くことができません。住所がないことで携帯電話を持てず、仕事の連絡を受けることができません。住居がないことで休養などの日々の余裕を作ることができず、日々の糧を稼ぐのに
精一杯で、他のことを考えることができません。また、住所がないことで健康保険への加入ができず、常に健康のリスクに晒されています。
ホームレスという状態は、一度陥ると私達が思い浮かべる以上に抜け出すことが難しい構造にあります。


ホームレスという言葉で思い浮かべる路上生活者という「見えやすい」問題の裏には、資産を失う中で陥る回復の難しい構造や、その裏にある「見えづらい」家で安心して暮らすことのできないリスクに晒されている人が何千何万といます。

もし、、、、あなた自身が介護離職をしたら。DVの被害にこれから遭ったら。離婚してシングル家庭になったら。性心疾患を罹患したら。親族に障害を持つ当事者がいたら。性的マイノリティだったら。

この問題は特定個人の努力不足という問題に収まりません。一方では日本の経済や伴う雇用の形が生み出してきたものであり、一方では社会の成熟・価値観の変遷がゆえに生まれ、今なお私たちの生活にじわじわと侵食している、日本社会全体が向き合わなくてはならない大きな問題です。

この問題は、どうしたら解決できると思いますか?今あなたに見えているもの、その奥にはそんな構造や問題があるのでしょうか?

社会課題解決に答えはありません。
関係する人の数だけ理想の社会があり、だからこそ何が問題を決めるのは他でもないあなた自身です。

Field Academyは、熱い気持ちを持つ精鋭たちと共に、あなたの発想と力で、答えのない、難解な社会問題の解決への道筋を自ら切り開いていくプログラムです。

パートナー:ビッグイシュー日本

今回のプログラムを取り組むにあたって、ビッグイシュー日本 東京事務所長の佐野未来さんをパートナーにお呼びしています。

ビッグイシュー日本 東京事務所長 佐野未来さん


そう、大きな駅で赤いキャップとベストを着てるおじさんが販売しているあの雑誌です。何を隠そう、あの雑誌を販売するおじさんたちがホームレスの当事者の方々です。

一般的にホームレス支援というと、炊き出しや生活用品の配布などの活動のことを指します。これらは言うまでもなく重要な支援ですが、志高い個人や基金等の善意を前提に運営されている事例も多く、その活動のサステナビリティには限界があること、またそれだけでは根本的な解決とならないこともまた一つの現状です。

ビッグイシューの販売員さん

一方で、ビッグイシューの取り組みは、ホームレスの人が自ら小商いに取組むことで、職業や人間関係などの『階段を下りて言った中で』失った様々な資産を取り戻していく当事者が社会に参画していく支援と、事業としての存続性を両立させた、サステナブルな事業に取り組み続けています。
今年で創刊から20年を迎える今、106人が販売、これまでの登録者数は2009人、14億8,920万円の収入を提供と、凄まじい社会的インパクトを創っています。(22年3月末時点)

ビッグイシューが掲げることは一貫しています。
誰もが恐れることなくチャレンジする事や何度も立ち直りやり直す社会を描くということ。
誰もが居場所と出番のある、包摂的な社会の仕組みを作るということ。
そしてその手法は多ければ多いほど良いということ。

今回のプログラムでは、佐野さんと共に、ホームレスの当事者であり販売員の方から、行政やNPO等の今ある課題に異なった側面から向き合う人達、そしてその課題に新たなソリューションを作ってきた事業家等・・・さまざまなステークホルダーと対話を重ね、ホームレスやもうすこし引いた目で見たら日本の貧困問題の根本的な課題構造をあなた自身の手で解き明かしてもらいます。そして、問題のボトルネックであり、ビッグイシューが挑むべき「次の一手」を提言してもらいます。

このプログラムは、佐野さんがやりたいことを引き出したり、ビッグイシューの組織的な課題を提案するプログラムではありません。

どんな社会に生きていたいのか、課題だと感じたものの解決のために真に実行すべきことは何か。社会の大局を見据えながらも、今ある問題のボトルネックを掴み取り、解決のための最良の一手を打つ。それは、他でもないあなた自身です。


私たちリディラバがフィールドアカデミーを通じて実現することは、「HOW」型から「WHAT」型へマインドを切替え、「未知の問いに挑む力」を身につけてもらうことです。
答えのない、大きな領域だからこそ、普段の経験から解き放たれて全力で挑める。その挑戦こそ、成長の起点になります。
社外の仲間と共に社会課題の解決に挑むフィールドアカデミー。あなたの挑戦をお待ちしています。

※参加を希望される方は、各社の申込ページよりお願いします。
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