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「さようなら、スカート」スカートを怖くて履きたくない私

(※こちらは2019年3月22日に書いた記事です)

皆さんはスカート履きますか?なんでスカートを履きますか?

幼い頃はよく私服でスカートを履いていた。理由は女の子だから。学生の頃はよく制服でスカートを履いていた。理由は女の子だから。女の子だから、スカートを履くものなのか。女の子のためのスカートなのか。いつの日か、そう考えるようになってきた。洋服は性別で決められるものなのかと。

しかし、20代になるとスカートよりもズボンになっていった。体型を隠すためにズボンを履くようになった。それが、スカートから離れるキッカケのひとつ。その当時、薬の副作用によって体重が今よりも20kg以上太っていた。

だが、その後にダイエットなどをして元の体型に戻っても、慢性疲労症候群で倒れてしまい、冷え性で脚を冷やさないようにするためにも、下半身を覆うように冷えとりのスパッツを履くようになった。体型を隠すために履いていたズボンが、今度は冷え性対策のスパッツを隠すためにズボンを履くようになっていく。そうして、どんどんスカートから遠くなっていった。



けれども、たまにはスカートを履くのもいいかもしれないと思って、ロングスカートを履いて鏡の前に立ってみた。だが、違和感しか感じない。「こんな自分で外に出るのは嫌だ!私らしくない!」それが日に日に心の中で増していくのだ。スカートが嫌いなわけではないのにスカートを履きたくない。ズボンの姿に慣れすぎたとか思ったが、違う。色々悩んだ末に出た答え。そうきっと、私はズボンを履くことで安心しているのだと。

私はズボンを履くとなぜか安心する。「なぜ?」と言われると、ズボンを履くことにより、ゲームで例えると何か強い防具を身につけたようなのだ。ズボンを履くことによる謎の透明な衣がついたかのような安心感が私の外見への自信に繋がる。ズボンを履くことによって強くなれる。だから、スカートを履きたくない。強い防具がない。安心できない。それには訳がある。


これは少し前の話。私は過去に制服姿でも私服姿でも、初めての会った人(男性)に言い寄られたことが何度もある。また、ネット上でコミュニケーション取るためにボイスチャットを求められて使うと、これまた何回か話しているうちに言い寄られたりする。それが怖いのだ。一方的な強い感情、衝動。そういう感情を持つ人たちが、褒め言葉としてこう言う。

「キミって可愛いよね。優しいよね。白のワンピースとか似合いそうだね。」と。

私はこの言葉のイメージから抜け出したくて堪らずにズボンを選んだ。スカート履くと可愛いというイメージを勝手に思い込まれるくらいなら、スカートをやめよう。その人たちが言う可愛いイメージがある服装を絶対にしたくない。私は優しくも可愛くもないのに、向こうが勝手に思い込んだイメージで恋愛的に見せかけた強い感情・強い想いをぶつけてほしくない。そんなの、怖い。不安になる。そして、それはアセクシャルの私にとっても、ものすごく怖いことだ。

なら、真逆のズボンを履く。ズボンを履くことにより、私がかわいいから離れたカッコいいイメージの人間になろうと。そしたら、外見と中身も一致するし、自分に自信がつく。強くなれることで、安心できる。

だから、私はズボンを履くことにより、守っているのだ。可愛いから逃げるため。初めて会う人に言い寄られる恐怖を少しでもなくすために。


今日もこれからもズボンを履く。スカートは履きたくないし、履けない。いつの日か、安心してスカートを履けるような日が訪れることを心から願って、私は自分を守るためにズボンを履く。怖くないように。もっと強くなれるように。安心できるように。

さようなら、スカート。こんにちは、ズボン。


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