恋愛しないって、ずっと独りだよね？アセクシュアルって、寂しくないの？
(※こちらの記事は2019年に書かれたものです。最新の記事はこちらで確認してください。)
「恋愛しないってことは、ずっと独りだよね？寂しくないの？」
このクリスマスに近い時期だと、特に恋愛云々の話になることが多い。だからなのか、自然と異性愛が前提として、恋愛話を聞いてくる人たちはよく見かける。けど、恋愛しないから独りで寂しいって何だろう。他者に恋愛感情を抱かないだけなのに独りで寂しいと言われなきゃいけないのか。恋愛しないから、独りで寂しいののか。アセクシュアルだから？
この記事は、アロマンティック・アセクシュアルである私が、様々な物事などをアセクシュアルの視点で書いてみるというものだ。
・アセクシュアル とは？(※個人的な解釈です。)
アセクシュアルは他者に性的惹かれを抱かないという、性的指向のひとつ。しかし、日本の場合は他者に恋愛感情を抱かないアロマンテックの意味も含めて指すこともある。 詳しくはこちらの私のサイトで確認してほしい。
今回は、アロマンティックな話であるが、世間一般的には性的惹かれも恋愛的惹かれも同じなので、アセクシュアルとして語っている。
そもそも、恋愛しないとずっと独りだから寂しいと思ってしまうのは何故だろう？
読んでいるみなさんは、考えたことはあるだろうか。「恋愛しないってずっと独りだよね？寂しいないの？」というのは、なぜ出てくるのだろう。
読んでいた本や雑誌、インターネットなどでの記事で書かれていたからなのか。いつのまにか、そう脳内で刷り込まれている。恋愛しない=独りで寂しい人間って。そう思ってなくても、世間ではそう言われていることを何故か知っている。
一体、誰が決めたのだろう。
あらゆる媒体で「恋愛しない=独りで寂しい」書かれてしまっている世の中だからこそ、強く感じるだけであって。そこまで書かれてない世の中だったら、強く感じないであろう。私には「恋愛しない＝独りで寂しい」という考えが世の中には染み込みすぎている気がしてならない。恋愛に対しても、何に対しても、色んな考えがあっていいはずだ。
恋愛しないと独りで寂しく感じるけど…
「いや、恋愛しないと独りで寂しく感じるよ！え、そんなことも言っちゃダメなの？」とここまで書いて思った人もいるかもしれない。いや、それについて書いたり言ったりするのが悪いわけではない。それもまた、誰かの考えや体験からくる個人的なの意見であり、その考えはそれでいいのだ。
しかし、それをあたかも当たり前のように誰かに強制させるのはよくない。
恋愛しなくてもできなくてもなんでも、恋愛しないからひとりで寂しいと思わない人間もいる。もちろん、私も恋愛しないからひとりで寂しいなんて思わない人間だ。
恋愛しないと言うだけでアレコレ言う人たち
「そういえば、最近どう？恋愛とかいいことあった？」こういう質問をされたことはないだろうか。少なくとも、私はされたことがあった。最近あったことを聞かれたのかなと思ったら、恋愛がセットになっている聞き方。いや、恋愛がメインで質問されているやつである。そういう時は「恋愛に興味ないから特になにもないよ。」と返すのだが、こう言われてしまう場合がある。
「なんで恋愛しないの？独りで寂しくないの？」
特にこのクリスマスのシーズンは言われるだろう。クリスマスが恋愛行事となってしまっているから、普段は意識してない人でも何故か恋愛を意識してしまうこの時期。クリスマスは恋人と過ごすのが一番の理想なんて思われがちな空気。この時期に恋人やら好きな人がいないと、「クリスマスは独り寂しく過ごすのか…。恋愛しないなんて寂しい人だな。」と、勝手に解釈されてしまうのだ。
「独りでも寂しくないし、恋愛しなくても生きていけるし。」こちらもお決まりの言葉で返すしかなくなる。相手に勝手に解釈されようが、それが私なのだから。けれども、相手はそうじゃない。
「そう言って強がっているだけでしょう？絶対、恋愛したほうがいいよ。今度、良い人を紹介しようか？」
こうなったら、もう逃げ場がない。相手が最強の切り札を出してきたのである。良い人を紹介しようかと。余計なお節介だが、クリスマスは恋人と過ごすのが理想なんて思われがちの空気を吸っているなかでこの言葉だから、相手も相手でよかれと思って言っていたりもする。
これが意外とつらかったりして、こういう人たちとどうしても距離を置いてしまうのだが、やはりどこかしら傷つく。なぜ、そこまで言われなきゃいけないのだろうと。
「恋愛しないで、ずっと独りで寂しくないの？」と言われるつらさ
恋愛はともかく、独りが寂しい時は誰しもあると思う。特にこのクリスマスの時期は、何かと誰かと過ごすイメージがある。それが恋愛的に好きな人じゃなくても、イメージとしてあるのだ。たとえ、今年は友達と過ごす予定がたててあっても、来年はわからない。さらに10年後なんてわからない。クリスマスソングで溢れる街中で、ひとり歩く自分を考えると寂しくなるのも事実。いつまで、恋愛しないからって独りで寂しいとか言われなきゃいけないのだろう。いつまで、恋愛について言われ続けなきゃいけないのだろう。そんなふうに悩んだり。落ち込んだり。
けど、忘れないでほしい。あなたがアセクシュアルであってもそうじゃなくても、恋愛しないからって独り寂しいとは限らない。
恋愛をしている人たちもそうじゃなくても、遅かれ早かれ最期はひとりなのだ。ただ、その途中を恋愛的に惹かれた人たちと過ごして生きるか、そうじゃない別の魅力で惹かれたな人たちと過ごして生きるかの違いなのだ。それが恋人であれ、友達であれ、家族であれ、飼っている猫であれ、それをどうするかは自分で決めるもの。他人が決めるものでもない。
だから、「恋愛しなくて独りで寂しくないの？」とか「強がっているだけだよ。良い人を紹介しようか？」とかは、発言したその人の恋愛に対しての個人的な考えや価値観なだけであって、世の中の代表でも何でもない。「恋愛しないって、ずっと独りだよね？寂しくないの？」という余計なお節介に悩まなくていい。悩む時間が勿体ない。
さいごに
いっそ悩んでしまうくらなら、新たな空気を吸いにいこう。心の窓を開けて。クリスマスは恋人と過ごすのが理想なんて思われがちの空気を入れ替えて、新たな空気を入れよう。恋人同士だけじゃない、新たなクリスマスを楽しむために。
「恋愛しないって、ずっと独りだよね？寂しくないの？」と囚われてばかりでは見つからないものが、あなたには見えているはずだから。
新たなクリスマスを探しにいこう。
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