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「これ、楽しいな」と言う呪文。

 「楽しんでやること」と「嫌々やること」の間には、埋められないほどの大きな差ができる、と言う事に僕ももっと若いときから気付いておけば良かった。例えば若い時のアルバイトで「この床を拭いておいて」と上司から言われたとして、当時の僕は「何で俺がこの床拭かないといけないんだよ、まあでも時給もらっているし、そのぶんだけは拭きますか〜、ハイハイ」みたいな感じで嫌々拭いていた。当然、嫌々やっているからピカピカにはならないし、その事でまた上司に怒られたりして、悪い連鎖が起こっていた。

 そこでもし「この床を拭いておいて」と言われて「よ〜し、ピッカピカにしてやるぞ〜、おおっ、やれば結構キレイになるなあ」なんて楽しんでやっていたら、その仕事を発注した上司もハッピー、やった本人もハッピー。そこがお店だとするとお客さんもハッピーになる。これってもう本当埋められないほど大きな溝が出来るのだな、と言う事に今頃になって気付いた。

 というわけで今は何をする時にも「これ、楽しいな」と頭の中でわざと呪文のように唱えるようにしている。「これ、楽しいな」と思うだけで、今まで全然好きじゃなかった事も意外に楽しく思えたりするもの。せっかく神様が単純で騙されやすいおバカな脳に僕を創ってくれたので、上手に自分を騙しながら、ハッピーに生きて行きたいな、なんて思っている今日この頃なんである。

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