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【音楽遍歴】高校3年生のときの出来事⑤

はじめに

これまで、高校3年生の11月下旬に怪我をして入院したことについて、怪我から入院まで入院生活前半入院生活後半と3回に分けて書いてきましたが、今回はエピローグとして退院前日と退院当日について書いてみます。

年末年始

12月の下旬くらいからリハビリも始まり、年末年始は家でリハビリを続けることを条件として一時帰宅しても良いという許可が出て、12月30日から1月3日まで自宅に戻ることになりました。

手術後はグリコ状態だった右腕もこの頃には下げることができるようになっていましたが、自宅で受験勉強をした記憶はあまりなく、久々に色々なレコードを聴いたり、ラジオの深夜放送を聞いたり、紅白歌合戦を見たりと、いわゆる「受験生の年末年始」とは思えないようなまったりした時間を過ごしていた気がします。

一時帰宅する前に、主治医から退院希望日を決めておいてと言われていたのですが、熟慮の上、1987年1月10日(土)にすることにしました(当時は土曜日も普通に授業がありました)。土曜日は理系コースも文系コースも共通に受ける授業があって、それに合わせて登校するとドラマティックだろうという小賢しい理由です。

退院前日

1月4日に再度病院に戻った後は、退院を待つだけの日々、そしてあっという間に退院前日。退院日は、病院から直接投稿して、2時間目の現代国語の授業が始まって5分位したときに教室に入っていくというプランも完成しました。「友達にも知らせずに突然登場した方が盛り上がるだろう」というこれまた小賢しい考えで、誰にも退院日・登校日を知らせていませんでした。

ところが・・・夕方に怪我をしたときに一緒に居た友達が見舞いに来てバレてしまいました。その友達にはプランを話し、「誰にもいわんといて」とお願いしたら、苦笑いされました。でも、自分も受験直前で時間が貴重なのに、わざわざ見舞いに来てくれる友達、本当にありがたかったです。

退院当日

予定通り、退院当日は病院から学校に直接登校。ただ、今みたいに乗換案内で「何時に着くには何時の電車に乗れば良い」というのを調べられないので、早め早めの行動をしていたら、前の授業が終わる前に学校に着いてしまいました。

仕方ないので、誰にも見つからないように、前の授業が終わり、休み時間が終わり、次の授業が始まって5分経つまでトイレの個室で息を潜めていました。そして、満を持して教室のドアを開けると・・・一斉にみんながこちらを向いて、少しして全員が拍手してくれました。このときは本当に嬉しかったなあ。ちょっと涙が出そうになりました。

その後は普通に授業を受けて、お祝いに昼ご飯食べて帰ろうということになって、友達と何か食べに行ったような気がします。「実は学校に早く着きすぎたから、トイレに隠れていた」と話したら「なんやそれ」と総ツッコミされましたが、こんな何気ない出来事も楽しくて仕方ありませんでした。

メランコリックな音楽を聴き漁る

年明けから受験が近づいて焦りや緊張を感じる中、何故かよく聴いていたのがメランコリックな音楽。気分をアゲるためにも元気が出そうな音楽を聴くのが普通だと思いますが、何故だかこの頃はThe Human Leagueの"Human"とPrince & The Revolutionの"Sometimes It Snows in April"を聴きまくっていました。

"Don't You Want Me?"の大ヒットの後、アルバム"Hysteria"が商業的には大コケした後に、当時大人気だったJimmy Jam and Terry Lewisを迎えて再び大ヒットしたシングル。

浮気がバレた彼女に対して「涙を拭いて 君が泣くのを見たくはないんだ 君を傷つけようとしたことなんてない ただ、僕を抱きしめてくれる人が欲しかったんだ」等とほざいた後に、サビで

I'm only human of flesh and blood I'm made
Human born to make mistake

 Human(The Human League)

と歌い上げるイカれ具合は中々のものです。ただ、当時はメロディとアレンジしか気にしておらず、"I'm only human〜"と歌いまくっていました。

Prince & The Revolutionのこの曲はアルバム"Parade"のクロージングトラック。"Parade"と言えば大ヒット曲の"Kiss"が有名ですが、当時からアコースティックピアノとアコースティックギターを主体に、ファルセットを交えながら、切なく歌い上げるこの曲が大好きでした。

Sometimes it snows in April
Sometimes I feel so bad, so bad
Sometimes I wish life was never ending
And all good things, they say, never last
And love, it isn't love until it's past

Sometimes It Snows in April(Prince & The Revolution)

「4月に雪が降ることもある」と繰り返されるフレーズの一番最後で「そして、愛はなくなってしまうまでは愛じゃないんだよ」と歌われるのもロマンティック。先の"Human"とは大違いの世界観で、メロディ・アレンジ・歌詞ともに秀逸。

そして、この曲が特別なのは2016年4月21日に彼が亡くなったこと。この歌詞を読み返しながら、何回も何回もこの曲を聴いていました。57歳、早過ぎるよね。

おわりに

退院してから2週間後には共通一次試験、その2週間後には私立併願高の入試、その2週間後から第一志望を含む3つの国公立大の試験という過酷なスケジュールで、この入院の影響があったのかなかったのか、2勝2敗のタイの成績で僕の受験は終わりました。残念ながら、第一志望は不合格でしたが、第二志望は合格したので、春からは大学生になることも決まりました。

受験直前の入院は色々と大変でしたが、自分達も忙しいにもかかわらず、多くの友達が見舞いに来てくれたことが本当に励みになりました。今、こうして振り返ってみて、改めて、心からそう思えます。

ダラダラと書いてきましたが、これで高校3年生の出来事は終了です。次回から大学生の頃の出来事について書いていきます。


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