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  • 岩上の鷲

    初めて小説を書いています。 ただの自己満だが楽しいからOK いくぜ。

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ハイライト吸ってるやつはやめろ

21歳の冬、上京をした。 仕事で上手くいかず、家にいても家族とギクシャクし半分自暴自棄になって逃げるように家を飛び出した。 その日夜行バスから見る景色はいつもと少し違うかな、と期待していたけどなんら変わりはなかった。 東京では一人暮らしをしている友人の家にしばらく居させてもらうことができたし、仕事もすぐに見つかった。 初めての場所、初めて会う人々、毎日が刺激的だった。 ある日、友人から「タバコが吸える喫茶店を見つけたから行こう」と、誘いを受けとある喫茶店に向かった。 この

    • 人間は一冊の本

      私は本が好きだ。 文章を読んだり書いたりするのも好きだ。 だから仲の良い友人や家族とはよく文通もやっている。 自分の思っていること、心に溜まっていた感情を文字に起こして書いているとなんだか自分の気持ちが昇華されるみたいで凄く気持ちが良い。 まあ、そんなかっこいいことを言ってますが実際私は恐ろしいくらいの口下手なので手紙とかじゃないと自分の気持ちを伝えられない人間なんですよね、、トホホ。 そんな私の数少ない文通友達から先日、一冊の本が私の元に届きました。 題名は、 『20代

      • 生まれ変わっても君に救われたい

        鞍馬はよく本を読む。 暇があればすぐさま本を読む。 鞍馬が本を読む理由、それはまだ自分の中にない言葉を見つけて少しでも自分自身を理解する為である。 鞍馬にとってわからないという感情は恐ろしいものだった。 鞍馬だけに限らず人は皆、わからないという事が一番恐ろしいものなのかもしれない。 だから鞍馬は本を読む。 自分が不安に押しつぶされないためにも、自分自身を理解するためにも本を読む。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ねぇ、浅草寺で酔って鞄の中のもの全部ぶちまけた

        • 今時期聴きたくなる曲5選

          もう9月ですね。 脱毛サロンのお姉さんが会計する時、「もう9月?しんど。」と心の声ダダ漏れだったのを思い出しました。 その一言で私はここのサロンに通おうと決めました。 多分、ほとんどの方がお姉さんと同じこと思ってるんじゃないですか? そんな時こそ音楽を聴こう。 某音楽アプリの広告みたいになっちゃった。 そこで今回は私が個人的にこの時期になると聴きたくなる大好きな曲を紹介していきます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1.罪の香り  〜藤井風〜 藤井風

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        • 岩上の鷲
          4本

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          臆病傘

          雨は嫌いだ。 だって君のことを思い出させるから。 その日の天気予報で雨が降るなんて言ってなかったけど一応傘を持っていった。 運良くなのか、悪くなのか僕と君は学校帰り急な土砂降りに見舞われた。 すぐに傘を出そうと思ったけど、君が僕の手を引いてシャッターが降りているお店の軒下まで走った。 嬉しかった。全身の温度が上がるのがわかった。 びしょ濡れになりながらも君は笑って「これも良い思い出になると良いね」なんて言っていた。 雨は強く降り続いた。 このままずっと降り続けば良いのに。

          臆病傘

          伝説の皿職人

          「皿作りたくね?」 春一番が街を駆け抜けた頃、渋谷にあるとある喫茶店で東雲はこの言葉を鞍馬に向け言い放った。 しかし、鞍馬にはもうわかっていた。 自分の目の前にいる人間が、ただ決定事項を述べただけなのだと。 だからこそ、鞍馬は言った。 「バス予約するわ。」 注文したコーヒーはまだ微かに温かい。 目標が決まれば行動にすぐさま移る。 これが二人のルールであった。 こうしてコーヒーを飲み終えた二人は喫茶店を後にした。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー GW真

          伝説の皿職人

          残高125円のオンナ

          鞍馬はこう思った。 世の中でよく聞く、 「えー!お金無いんです⤵︎⤵︎」 とか 「今月はもうお金使えないです〜」 そんなもの全部空っぽに聞こえる。と。 本当に金のない奴が金のことを気にするなんて有り得ない。彼女はそう思っていた。 真の金が無いやつ、そして真の金持ちは自分の貯金残高なんて知らない。考えない。 相反する二者が唯一共通する点だ。 時は遡り、場所は北海道。札幌市において最強の繁華街で夜も眠らない街、ススキノ。北の歌舞伎町とでも言うべきか。そこに鞍馬と東雲

          残高125円のオンナ

          アイツの背中

          彼のどこが好き?と聞かれれば 「大っきくてあったかい背中!!」 と答えていた頃が懐かしい。 初デートの帰り道、転んだ私をおんぶしてくれた彼。彼の大きな背中から感じる温かさが大好きだった。 それがいつからだろう、私たち二人の時間が徐々に無くなっていったのは。 彼が疲れ切っているのはわかっていた。 仕事は残業続きで帰る頃にはもう日付が変わっている。 髪の毛は寝癖のまま、ワイシャツとスーツはシワだらけ、髭も伸び放題。 人が身だしなみに気を遣えなくなった時は要注意。 それはきっ

          アイツの背中

          頑張っている自分が好き

          高校1年生、古典の授業を受けている時だった。 「なんで人間は努力するかというと、頑張っている自分が好きだからです。」 と、その先生は言った。 そうだ。これだ。 最後のピースが嵌まる、まさにそんな感じだった。 まさかこの教壇に上がっている人からこんな衝撃を受けるなんて当時は思ってもいなかった。 髪の毛はだいぶ生命力を失っており、残っているもの達は強引に前髪へと流されている。 個性的な色のスーツを着ているが、絶妙にジャケットの大きさが合ってない。 授業に入る前の雑談が長

          頑張っている自分が好き

          雨に色は無い。雨は色を足す事柄

          2022年6月7日 この日ついに関東地方の梅雨入りが発表された。 梅雨の時期は本当に嫌い、だって洗濯物が乾かないんだもん。 そう不満を漏らす私の叔母。 きっと全国各地の主婦がそう答えるに間違いない。 でも私はこの時期が好きだ。 というか、雨の日が好きだ。 湿度は高いし、髪の毛は言う事聞かないし、靴が濡れて不快感は半端ないけど、何故か好き。 今思えば私は行事が発生する日、高確率で雨の日に遭遇する。 雨女。 はい。自覚あります。 個人的にですが、晴れの日よりも雨

          雨に色は無い。雨は色を足す事柄

          岩上の鷲

          〜3〜 ここか。 我々は依頼主から届いた手紙を元にその現場へと向かった。 到着した場所には、家というよりは近代的な建物 、昭和初期の西洋からインスピレーションを経た半分城のような建物があった。白色の外壁には蔦が絡まりその色を覆って、まさしく美術館という圧倒的存在感でそこに建てられていた。 正門をくぐり建物の中に入ると、そこには燕尾服を着た男性が立っていた。 男性の白髪が少し混ざった髭と髪はきちんと整えられており、着ているものにもシワひとつない。 見た感じは60代であろ

          岩上の鷲

          キラキラ足りてますか?

          皆さまこんにちは。 昨日は9時に就寝したKCです。 思えば友人に対し、 「私、note毎日投稿するわ。」 とデカい口を叩いたあの日。この様です。 明日頑張るから、、。と思いつつもやらないのが人間。 明日野郎は馬鹿野郎だ。いつか見たドラマのセリフが私を引っ叩いてくる。ごもっとも。 今から本気出す。本当だよ。 さて、前説はこの辺りにして今回私がお話しするのは、想像の120倍いや、それ以上の衝撃を受けた『舌のピアス施術』についてお話ししましょう。 ※舌のピアス施術なんて格好付けた言

          キラキラ足りてますか?

          祖母へ 〜2〜

          祖母へ いかがお過ごしですか。 私はちょっと忙しいですが充実した毎日を送っています。幸せですね。 先日は帰省した際色々とお世話になりました。 とても楽しかったです。 本当にありがとうございました。 何より祖母の昔話が聞けて良かったと思っています。 個人的に、過去を知るということは若者の務めであり義務だと思っています。 過去というのはその人の生き様です。 私は自分が深く愛する人間に対し、その人の生き様を、歩いてきた道を少しでも多く知りたいと思っています。 だから先日のお話はと

          祖母へ 〜2〜

          独り言

          愛とは呪いであり、最大の盾でもある。 昨日友人が言っていたセンスの良さとは自分の思うものを纏う、作ることらしい。 個人的には私はこれ!と自信のある人は全てが魅力的に見えるのではと思う。 期待を裏切るな、予想を裏切れ。 だがそんなことは簡単に出来ることではない。 その一文には見えない言葉がくっついていたりする。 例えば準備をしっかりやって、支えてくれる人がいて、ある程度の運もあってそれを踏まえた上でこの文章が完成されると私は思う。 人間は本当に匂わせと言う気づいて欲しくないけど

          独り言

          チロルチョコとポカリ

          「ご両親との思い出はなんですか?」 多くの人がこう聞かれればまず最初に母親を思い浮かべると考える。 だが、私は違う。 偏屈で、お調子者。頭の回転が速くてみんなの盛り上げ役。飲み会なんかあれば真っ先に呼ばれる陽キャ。でも、結構繊細な部分もあり、落ち込むとめんどくさい。 母は 『あんたは本当そっくりだよ。』 という始末。 正直あんまり嬉しくない。 そんな私が思い出すのは史上最強に鬱陶しいけど誰よりも愛おしい父との1番の思い出。 確か小学校四年生の時だったはず、私と父は2

          チロルチョコとポカリ

          岩上の鷲

          〜2〜 藤縄辰巳という男を一言で表すのであれば、 「変人」これに尽きる。 彼と初めて出会ったのは18歳の頃。 当時は未成年にも関わらず、喫煙を日課としている身分であった。 みんなが寝静まった夜、己の息を殺し、寮監の目を掻い潜って一人喫煙所へ通っていた。 己が忍者を生業としていたならば良い忍になっていただろう。なんて呑気に考えながら一日の締めを行っていた。 ある日のことだ。 夜中、いつも通り喫煙所へ向かうと、普段とは違う匂いがそこにはあった。 芳ばしいけど、鼻の奥をツンとつ

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