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放課後のメモリースケッチ

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教員時代に書いた学級通信をもとに実践を振り返りながら教育について考えています。
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2022年11月の記事一覧

24 源平橋のチア・ガール:全員ゴールインを祈って

「よりによって今日はどうしてこんなに寒いの?」12月中旬のマラソン大会当日は恨めしいほど…

しおりん
1年前
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23 いざという時のために:避難訓練は大切だけど

私が中学一年生のときでした。夜中に母にたたき起こされました。「〇〇さんの家が火事よ」私は…

しおりん
1年前

22 陰に目を向けて:体育館裏の桜の木

ある学校に赴任して3年目のことでした。体育館裏の焼却炉(当時は各学校に焼却炉がありました…

しおりん
1年前
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21 学級通信はこんな気持ちで書いています 

朝、出席を確認しに教室に向かいます。「親分」(学年主任のM先生は職員室ではそう呼ばれてい…

しおりん
1年前

20 うれしい予感:素敵なクラスになりそう

父の突然の他界で1週間近く学校を休みました。新年度が始まってすぐのことです。勤務中に入っ…

しおりん
1年前
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19 首相から届いた手紙 

教員時代、何人かの首相に生徒からの手紙を送ったことがあります。若者の政治への関心が薄らい…

しおりん
1年前
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18 「鯉を見ていると心が落ち着く」と言った少年 

正門を入ってすぐのところに池があり、鯉が数匹泳いでいました。かつては1匹しかいなかったのですが、ひと月ほど前に近所に住む人が立派な鯉を数匹寄付してくれました。池はとてもにぎやかになりました。事務職の小山さんが毎日えさをやっているので、鯉は小山さんが近づくだけで寄ってきます。登下校時に鯉を眺める生徒も多いようです。「鯉を見ていると心が落ち着く」と言っている男子生徒がいました。私も池の前を通りながら鯉を眺めるのが好きでした。 数日後、何匹かが死んでしまいました。池が寂しくなり残

17 いつも頭の片隅に 

授業をしていたとき飛行機の爆音が聞こえました。県内には米軍基地があります。おそらくそこを…

しおりん
1年前
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13 名前には深ーい意味がある

かなり前のことですが、自分の子どもに「悪魔」という名前をつけた人のことが話題となり、その…

しおりん
1年前
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12 かつて南の島で起きたこと

6月23日。毎年この日は沖縄戦で亡くなった人たちに哀悼の意を捧げて一日をスタートさせていま…

しおりん
1年前
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10 あかりもひとりでさびしかろう 

生徒が教室を移動し、だれもいなくなった教室に電気が明々とついていることがあります。そんな…

しおりん
1年前
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9 流されないで生きる 

NHKEテレの「100分で名著」という番組をよく見ます。再放送ですが今月はギュスターブ・ル・…

しおりん
1年前
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8 深まる秋に生と死を考える 

1989年の秋に俳優の松田優作さんが亡くなったとき学級通信に次のように記しました。私は彼…

しおりん
1年前
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7 いろいろな舞台で自分の役を精一杯演じる 

「この世はすべて舞台」という有名な言葉を残したのはイギリスの劇作家ウィリアム・シェークスピアですが、彼の意味するところとはちょっと違う意味で私も「この世は舞台」だと思っています。社会、家庭、学校、職場など様々な舞台で人は自分の役を演じているのだと思います。生徒たちも家庭では息子や娘、姉や妹、兄や弟など家族の中での役割を演じ、学校では生徒、友人、先輩、後輩などの役割を演じています。 ここで私が「演じる」というのは「演技する」と言う意味ではありません。自分を大事にしながら自分の