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大学の奨学金について

今回は大学の奨学金についてお話しします。奨学金の説明から、実際の様々な奨学金まで主にネット上で調べられるものを紹介していきます。
(私の業務の専門外ですので、誤りや追加情報がありましたらお知らせいただけると助かります)



①「奨学金」とは

大学生にとって学費はほとんどの学生の懸案事項かと思います。そうした金銭的負担を軽減してくれるのが「奨学金」です。といっても知っている人も多いかと思いますが、改めてこの「奨学金」について説明していきます。
金銭的援助が受けられる奨学金ですが、奨学金の返済については2種類あります。まずは返済義務のある「貸与型奨学金」。これは借りたら利子を付けて返してね、また借りた分だけ利子無しで返してね、そんな奨学金です。貸与型は割と審査が通りやすいですが、利子が有ることを忘れてはいけません。つまりは借金と何ら変わりがありません。これを肝に銘じておくよう学生には伝えています。
そして次に返済不要の「給付型奨学金」。これは返さなくていいよ、もらいっぱなしの奨学金です。『こんな都合の良い奨学金があるのか!』あるんです、ただ条件はもちろん厳しいです。成績優秀者や厳しい選抜を乗り越えた学生、または家計の厳しい家庭など様々な条件をクリアした学生に与えられることがほとんどです。大学はだいたい4年間ですので、毎年審査があったりして成績が落ちた日には奨学金打ち切り、なんてこともあったり。

ざっくり奨学金について説明しましたが、貸与型奨学金が借金と聞いてビビる必要はありません。利子がそれほど高いものではありませんし、日本全国この奨学金を借りている学生は約半数いますので普通の事と思ってください。


②実際の奨学金について

それでは実際にどのような種類の奨学金があるのか見ていきましょう。

②-①日本学生支援機構

まずは奨学金と言えばこれ、「日本学生支援機構(通称:JASSO)」の奨学金です。こちらの奨学金を借りていた方も多いのではないでしょうか。
上記に述べたように給付と貸与の2種類があります。
<給付型奨学金>

<貸与型奨学金>

給付型奨学金については、国が2020年4月からスタートした「高等教育の修学支援新制度」によりJASSOが窓口となって国から給付型奨学金を受け取ることができます。
※大学にも寄りますが、実際は申し込みをして通れば学費と相殺となるので直接奨学金を受け取るというよりは学費の減免、といったイメージですね。

貸与型奨学金では無利子の第一種奨学金有利子の第二種奨学金があります。こちらは第一種・第二種を併用して申し込むこともできます。
そして皆さん気になる利率の方ですが・・・
令和5年度4月の貸与利率(年利%)は、利率固定方式で「0.737%」、利率見直方式で「0.200%」です。

「えっ!安っ!」

これが今回自分が調べてみて思った正直な感想です。もちろん借金ですよ。でも新卒で就職できれば、働きながら計画的に利子分も含めて返済できる利率かと思います。ここら辺はしっかり試算してどのくらい借りて、新卒で働いてどの程度返していくと返済できるか一度シミュレーションしてみるといいですね。

また、昨今奨学金返済による破産がメディアに取り上げられることもあります。奨学金を返済すべき総数に対して自己破産の割合がどれくらいか分かりやすい数字を載せているサイトを探したのですが、見つかりませんでした。一応2016年度の数字では、奨学金関連で破産したのは3451人だそうです。

返済すべき総数が何人か分からないと何とも言えない数字ですね。


②-②民間企業の奨学金

続いては民間企業の奨学金。意外や意外、企業が奨学金を出してくれることがあるんですね。例えば以下の企業が奨学金を募集しています。

  • 三菱UFJ信託銀行(三菱UFJ信託奨学財団)

  • キーエンス(キーエンス財団)

  • コカ・コーラ(コカ・コーラ教育・環境財団)

  • ダイソー(DAISO財団)

  • ニトリ(似鳥国際奨学財団)

  • 電通(電通育英会)

ざっと調べただけでこれだけの有名企業が奨学金を行っていました。もちろんそれぞれ条件がありますので、詳しくはご自身で調べてみてください。

また、企業が学生の奨学金の返済を代わりに行ってくれる、こんな制度もあるようです。この制度を実施している企業の数は1000社を超えるようです。

いやー、知らないだけで色々な制度がありますね。


②-③地方自治体の奨学金

実は地方自治体でも奨学金を行っています。以下一部調べてみた例です。

  • 東京都足立区

  • 愛知県豊田市

  • 大阪府高槻市

これらも同様に条件がありますので、一度ご自身の自治体の奨学金をチェックしてみてください。JASSOからも調べられますので、そちらから見てみるのもよいでしょう。


②-④大学独自の奨学金

続いては大学独自に定めている奨学金です。他の奨学金と区別するために、大学側は通称「学内奨学金」と呼んでいることが多いです。それでは例を見ていきましょう。

  • 早稲田大学(なんと約150種類もの学内奨学金が)

  • 関西学院大学

  • 南山大学

とりあえず三大都市圏のメジャーな大学の奨学金をピックアップしてみました。もちろんほとんどの大学が独自の奨学金を準備していますので、興味のある大学があれば調べてみてください。


③転職活動で知っていると・・・

さて、肝心のこれらが転職活動で知っているとどう活用できるのか。もちろん受験生や在学生であれば自身の学費の助けになりますが、大学職員希望者としては直接奨学金を借りる、もしくは給付されるわけではありません。
必要なのは、こうした奨学金が学生のどのような助けになっているのか、またどういった意図で大学側がこうした奨学金を案内したり大学独自の奨学金を行っているのかを理解することです。そこから大学側の学生の家計の負担をどう軽減しようか見えてきて、大学の姿勢に魅力を感じたり、また自分自身が学生の家計負担の一助となりたい、そんな感じで具体的な志望理由ややりたい業務に活かすことができます

学生支援に興味のある大学職員希望者であれば、各大学の奨学金の情報に目を通しておくことはきっと役に立つことでしょう。



まとめ・おわりに

いかがでしたでしょうか?
今回は奨学金についてお話ししてきました。私自身奨学金については専門外で、今回色々と調べてみて新しい発見がいくつもありました。奨学金は大学や学生にとって重要になっているので、いつかは書こうと思っていました。大学案内でも受験生や保護者から聞かれることもあるので、自分自身理解を深められて大変ためになりました。
今回の記事が大学職員を目指している人に少しでも貢献できれば幸いです。

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