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インスタ映えはするかもしれない【超ショートショート】
彼と遊園地でデート! メリーゴーランドで、木馬に並んで乗った。 「撮るよ~!」 隣の彼にカメラを向けると、彼氏と木馬が私を見て、笑った。 #オールカテゴリ部門 …
【創作大賞2024 オールカテゴリ部門】1分でホラー気分! 1
1分で読めちゃう気軽なショートショートホラー集です。
思わずニヤリ、ちょっぴりゾクっとするような小話たち。
1話完結ですので、どこから読んでも大丈夫!
リンクから気になるタイトルを選んでもよし、最初から(次話へ)をたどっていってもよし。
1話だけでも読んでみてね~(*´∀`*)ノ
https://note.com/rich_moose624/n/n5df43c7562fb
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インスタ映えはするかもしれない【超ショートショート】
彼と遊園地でデート!
メリーゴーランドで、木馬に並んで乗った。
「撮るよ~!」
隣の彼にカメラを向けると、彼氏と木馬が私を見て、笑った。
#オールカテゴリ部門 #超短編小説
はたらきもの 【超ショートショート】
「だいちゃん、なに見てるの?」
「あ、ママ! 見て見て。アリさんが食べものを巣にはこんでいるんだよ」
「はたらきものだねぇ。だいちゃんも見習おうね」
アリは一様に白いぶよぶよした何かを口にくわえて、長い長い行列を作っている。
「何を運んでいるのかしら……?」
「ほら、アレだよ!」
大ちゃんの指さした先で、数匹のアリが大きな欠片をおみこしをするように運んでくる。
小さな爪のついた、あれはた
マーキング 【超ショートショート】
「ぜったい、離れないからっ!」と背中にしがみつく彼女を、ポイッと捨てた。
次の週末、合コンで出会った、かわいこちゃんをお持ち帰り。
服を脱ぎ捨て、抱き合ったとたん、彼女が悲鳴をあげてオレを突き飛ばし、帰ってしまった。
「くすくすくす……」元カノの笑い声が背後から響く。
パッと振り返ると、鏡に映った俺の背中で、元カノの顔をしたおできが嗤っていた。
#超短編小説
【花子さん?】 超ショートショート
日本史の授業中、腹が痛くなって、
北東のトイレに駆け込んだ。
「ふぅ……」
カラカラカラカラ……
おっと、紙が終わっちゃった。
紙を交換して、
なにげなくトイレットペーパーの芯を
望遠鏡のように覗いてみたら、
向こう側から誰かが覗いていた。
#超短編小説 #オールカテゴリ部門
記念日 【超ショートショート】
「ねえ、起きて! 今日はなんの日でしょうかっ?」
彼女が耳元で楽しそうに言う。
またか……。
答えを外すと、彼女はひどく機嫌が悪くなるんだ。
仕方なく、寝起きの頭をフル回転させて考える。
彼女の誕生日じゃないし、
数えるのも面倒な付き合って何ヶ月記念日(毎月22日だ)でもないし、
初デート記念日でもない。
どうしても思い出せないので、あてずっぽうに答える。
「ええと~、初めて話した記念日
ゴメン……【超ショートショート】
深夜、舗装が傷んだアスファルトを自慢の四駆で爆走する。
大きな水たまりを発見!
周囲に歩行者、なし!
ハイテンションで、水たまりに突っ込んだ。
バッシャーンッ!
盛大に上がる水しぶきをバックミラーで確認。
…………あれ?
変だな、誰もいなかったはずなのに、泥にまみれた黒い影が追いかけてくる……。
#超短編小説
ショッピングサイトでお買い物【超ショートショート】
朝から胸のあたりがズキズキ痛む。
鏡に映してみると、虫にさされたような赤い丸。
「なんだ、これ?」
むしゃくしゃしつつ高校に登校すると、パシりに使っている「お財布くん」とすれ違った。
「うさ晴らしに買い物でもするか」と、「お財布くん」のスマホを取り上げ、いつものショッピングサイトをサクッと開く。
「なにを買おうかなぁ……え? これって……」
思い出したように、制服の胸ポケットのあたりがズ
運命共同体 【超ショートショート】
インターネットでカスタマイズされた広告が表示された。
『危険! 使いすぎ注意』
『沼る白髪染めシャンプー』
『運命を共にするパートナーがいる人限定!』
そそられる宣伝文句が並んでいる。
「女って『限定』に弱いのよネ~」と、思わずポチる。
届いた白髪染めシャンプーを使ったが、髪色に変化はない。
「なーんだ、やっぱりね」
分かってたもーん、とうそぶいて肩をすくめる。
ところが翌朝、目覚めて
青いスコップ【超ショートショート】
ある日、仕事から帰宅すると、
「スコップをお友達が返してくれなかった」と息子がぐずっていた。
妻に「取りに行ってあげて」と懇願されて公園へ。
よかった、プラスチックの柄の青いスコップが砂の山に突き刺さっている。
引き抜こうと引っぱると、やけに重い……。
無理やり引き抜いて、持ち帰った。
翌朝、息子の泣き声で目が覚めた。
「お友だちがママを返してくれないよぉ」
妻の手を見知らぬ女の子が右
ベランダ菜園 【超ショートショート】
姉さんに会うたび、あざが増えている。夫からDVを受けているのかも。
確かめるために、ぼくは姉さんの家に泊まりに行った。
玄関には『黄色い花』が飾ってあり、夕食時には、義兄の味噌汁にだけ、ベランダで栽培した『キノコ』が入っていた。
姉さんは「初採りなの。今度、近くの山で『山菜』を採ってくるわね。おひたしがおいしいんだって」とはにかんだ。
義兄さんは食事中、終始笑いすぎるほど笑ってご機嫌だ。
DV
転生 【超ショートショート】
夏の始め、蝉の抜け殻を見つけた。
懐かしくなり、ポケットに入れて持ち帰る。
おや? 抜け殻の割れた背中から声が聞こえる。
「あいしてる。ずーっと一緒だよ」
7年前に埋めた彼女の口癖。
#超短編小説
怨みますと言われても【超ショートショート】
梅雨のある日、ナメクジが大量発生していたので、塩を振りかけて退治した。
翌朝、溶けたナメクジにアリがたかっていた。
うごめく黒いアリで出来たアリ文字。
「怨」
#超短編小説
玉の輿に乗るはずが【超ショートショート】
『やった、玉の輿の縁談が来た!
今のうちに、便利だったアイツは切っておこうっと』
と男に別れを告げた。
スマホもブロック、これできれいさっぱり。
それから毎日、アイツから「捨てないで」とすがる手紙が来る。
部屋の中に放り出して置いたが、なにしろ毎日便箋9枚が届くから、どんどん溜まっていく。
紙ゴミの日に捨てようかと思ったが、わたしの名前が書いてあるし内容もマズい。
結婚式の前日、「面
ゆびきりげんまん 【超ショートショート】
百円ショップのバイト中、
「あの、針ってどこにありますか?」と声をかけられた。
ふわふわの髪、ピンクのくちびる。ヒラヒラの服のすごく可愛い子だ。
「こちらです。手芸なさるんですか?」とつい話しかけると、
彼女は「いいえ。彼氏の田中くん、私との結婚の約束、忘れちゃったみたいなの」と小指をピンと立ててみせた。
#超短編小説
彼岸花【超ショートショート】
夜中のコンビニ帰り、足元でぐちゃっと気味の悪い音がした。
彼岸花を踏んでしまったらしい。
靴下に赤い汁が飛び散っており、鉄の臭いがぷーんと鼻をつく。
そっと足を持ち上げてみると、
彼岸花だと思ったものは、花火の形に広がった剥き出しの内臓だった。
#超短編小説