和來花果(かずき かのか)

和來 花果(かずき かのか)です。 エブリスタ、ノベルデイズなどのサイトで小説を書いて…

和來花果(かずき かのか)

和來 花果(かずき かのか)です。 エブリスタ、ノベルデイズなどのサイトで小説を書いています。 【note様×WEB別冊文藝春秋様の投稿企画#2000字のホラー】にて、大賞&文藝春秋社賞に選んでいただきました。 もしも気が向いて、お時間いただけましたら、嬉しいです(*´▽`*)

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  • 1分でホラー気分!【超ショートショート】

    一瞬で読めちゃう、ベリーショートホラー! 1話完結です(*´∀`*)ノ #超短編小説 #創作大賞2024 #オールカテゴリ部門

  • たった20文字の物語

    『小牧幸助文学賞』応募作品をまとめています。

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【創作大賞2024 オールカテゴリ部門】1分でホラー気分! 1 

1分で読めちゃう気軽なショートショートホラー集です。 思わずニヤリ、ちょっぴりゾクっとするような小話たち。 1話完結ですので、どこから読んでも大丈夫! リンクから気になるタイトルを選んでもよし、最初から(次話へ)をたどっていってもよし。 1話だけでも読んでみてね~(*´∀`*)ノ https://note.com/rich_moose624/n/n5df43c7562fb https://note.com/rich_moose624/n/na7fe54a65a51

    • インスタ映えはするかもしれない【超ショートショート】

      彼と遊園地でデート! メリーゴーランドで、木馬に並んで乗った。 「撮るよ~!」 隣の彼にカメラを向けると、彼氏と木馬が私を見て、笑った。 #オールカテゴリ部門 #超短編小説 

      • はたらきもの 【超ショートショート】

        「だいちゃん、なに見てるの?」 「あ、ママ! 見て見て。アリさんが食べものを巣にはこんでいるんだよ」 「はたらきものだねぇ。だいちゃんも見習おうね」 アリは一様に白いぶよぶよした何かを口にくわえて、長い長い行列を作っている。 「何を運んでいるのかしら……?」 「ほら、アレだよ!」 大ちゃんの指さした先で、数匹のアリが大きな欠片をおみこしをするように運んでくる。 小さな爪のついた、あれはたぶん……だれかの小指。 #超短編小説 #オールカテゴリ部門 

        • マーキング 【超ショートショート】

          「ぜったい、離れないからっ!」と背中にしがみつく彼女を、ポイッと捨てた。 次の週末、合コンで出会った、かわいこちゃんをお持ち帰り。 服を脱ぎ捨て、抱き合ったとたん、彼女が悲鳴をあげてオレを突き飛ばし、帰ってしまった。 「くすくすくす……」元カノの笑い声が背後から響く。 パッと振り返ると、鏡に映った俺の背中で、元カノの顔をしたおできが嗤っていた。 #超短編小説

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        【創作大賞2024 オールカテゴリ部門】1分でホラー気分! 1 

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        • 1分でホラー気分!【超ショートショート】
          48本
        • たった20文字の物語
          11本

        記事

          【花子さん?】 超ショートショート

          日本史の授業中、腹が痛くなって、 北東のトイレに駆け込んだ。 「ふぅ……」 カラカラカラカラ…… おっと、紙が終わっちゃった。 紙を交換して、 なにげなくトイレットペーパーの芯を 望遠鏡のように覗いてみたら、 向こう側から誰かが覗いていた。 #超短編小説 #オールカテゴリ部門

          【花子さん?】 超ショートショート

          記念日 【超ショートショート】

          「ねえ、起きて! 今日はなんの日でしょうかっ?」 彼女が耳元で楽しそうに言う。 またか……。 答えを外すと、彼女はひどく機嫌が悪くなるんだ。 仕方なく、寝起きの頭をフル回転させて考える。 彼女の誕生日じゃないし、 数えるのも面倒な付き合って何ヶ月記念日(毎月22日だ)でもないし、 初デート記念日でもない。 どうしても思い出せないので、あてずっぽうに答える。 「ええと~、初めて話した記念日……かな~?」 「ブッブー!」  彼女の声が2オクターブは低くなり、僕の体は金

          記念日 【超ショートショート】

          ゴメン……【超ショートショート】

          深夜、舗装が傷んだアスファルトを自慢の四駆で爆走する。  大きな水たまりを発見! 周囲に歩行者、なし! ハイテンションで、水たまりに突っ込んだ。 バッシャーンッ! 盛大に上がる水しぶきをバックミラーで確認。 …………あれ? 変だな、誰もいなかったはずなのに、泥にまみれた黒い影が追いかけてくる……。 #超短編小説 

          ゴメン……【超ショートショート】

          ショッピングサイトでお買い物【超ショートショート】

          朝から胸のあたりがズキズキ痛む。 鏡に映してみると、虫にさされたような赤い丸。 「なんだ、これ?」 むしゃくしゃしつつ高校に登校すると、パシりに使っている「お財布くん」とすれ違った。 「うさ晴らしに買い物でもするか」と、「お財布くん」のスマホを取り上げ、いつものショッピングサイトをサクッと開く。 「なにを買おうかなぁ……え? これって……」 思い出したように、制服の胸ポケットのあたりがズキンと痛む。 「あっ、あーっと。とくに欲しいものはないなー」とサイトを閉じて、

          ショッピングサイトでお買い物【超ショートショート】

          運命共同体 【超ショートショート】

          インターネットでカスタマイズされた広告が表示された。 『危険! 使いすぎ注意』 『沼る白髪染めシャンプー』 『運命を共にするパートナーがいる人限定!』  そそられる宣伝文句が並んでいる。 「女って『限定』に弱いのよネ~」と、思わずポチる。 届いた白髪染めシャンプーを使ったが、髪色に変化はない。 「なーんだ、やっぱりね」 分かってたもーん、とうそぶいて肩をすくめる。 ところが翌朝、目覚めてビックリ。 髪が若返ったように黒くなっている。 なぜかお肌もツヤツヤ、ぷるっぷる

          運命共同体 【超ショートショート】

          青いスコップ【超ショートショート】

          ある日、仕事から帰宅すると、 「スコップをお友達が返してくれなかった」と息子がぐずっていた。 妻に「取りに行ってあげて」と懇願されて公園へ。 よかった、プラスチックの柄の青いスコップが砂の山に突き刺さっている。 引き抜こうと引っぱると、やけに重い……。 無理やり引き抜いて、持ち帰った。 翌朝、息子の泣き声で目が覚めた。 「お友だちがママを返してくれないよぉ」 妻の手を見知らぬ女の子が右手で握っていた。 そしてその左手には、青いスコップ……。 #超短編小説 #オー

          青いスコップ【超ショートショート】

          ベランダ菜園 【超ショートショート】

          姉さんに会うたび、あざが増えている。夫からDVを受けているのかも。 確かめるために、ぼくは姉さんの家に泊まりに行った。 玄関には『黄色い花』が飾ってあり、夕食時には、義兄の味噌汁にだけ、ベランダで栽培した『キノコ』が入っていた。 姉さんは「初採りなの。今度、近くの山で『山菜』を採ってくるわね。おひたしがおいしいんだって」とはにかんだ。 義兄さんは食事中、終始笑いすぎるほど笑ってご機嫌だ。 DVだなんて、ぼくの取り越し苦労だったのかと胸をなでおろす。 「ビールもらうね」と

          ベランダ菜園 【超ショートショート】

          転生 【超ショートショート】

          夏の始め、蝉の抜け殻を見つけた。 懐かしくなり、ポケットに入れて持ち帰る。 おや? 抜け殻の割れた背中から声が聞こえる。 「あいしてる。ずーっと一緒だよ」 7年前に埋めた彼女の口癖。 #超短編小説

          転生 【超ショートショート】

          怨みますと言われても【超ショートショート】

           梅雨のある日、ナメクジが大量発生していたので、塩を振りかけて退治した。  翌朝、溶けたナメクジにアリがたかっていた。  うごめく黒いアリで出来たアリ文字。           「怨」 #超短編小説

          怨みますと言われても【超ショートショート】

          玉の輿に乗るはずが【超ショートショート】

          『やった、玉の輿の縁談が来た!  今のうちに、便利だったアイツは切っておこうっと』 と男に別れを告げた。 スマホもブロック、これできれいさっぱり。 それから毎日、アイツから「捨てないで」とすがる手紙が来る。 部屋の中に放り出して置いたが、なにしろ毎日便箋9枚が届くから、どんどん溜まっていく。 紙ゴミの日に捨てようかと思ったが、わたしの名前が書いてあるし内容もマズい。 結婚式の前日、「面倒だけど、これもいい女の証明みたいなもんか」と、鼻歌まじりにまとめてシュレッダー

          玉の輿に乗るはずが【超ショートショート】

          ゆびきりげんまん 【超ショートショート】

          百円ショップのバイト中、 「あの、針ってどこにありますか?」と声をかけられた。 ふわふわの髪、ピンクのくちびる。ヒラヒラの服のすごく可愛い子だ。 「こちらです。手芸なさるんですか?」とつい話しかけると、 彼女は「いいえ。彼氏の田中くん、私との結婚の約束、忘れちゃったみたいなの」と小指をピンと立ててみせた。 #超短編小説

          ゆびきりげんまん 【超ショートショート】

          彼岸花【超ショートショート】

          夜中のコンビニ帰り、足元でぐちゃっと気味の悪い音がした。 彼岸花を踏んでしまったらしい。 靴下に赤い汁が飛び散っており、鉄の臭いがぷーんと鼻をつく。 そっと足を持ち上げてみると、 彼岸花だと思ったものは、花火の形に広がった剥き出しの内臓だった。 #超短編小説

          彼岸花【超ショートショート】