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#35 最後の医者は桜を見上げて君を想う

#読書の秋2022

入院中この本を読んでいて、あーこういう病院独特な雰囲気のことを書きたいんだなとか身近に感じられる描写が沢山出てきた。

手術の後の耐えられないような痛みと管だらけの身体。日々外されていく管たち。
まさに数日前に自分が体験したことと同じだった。

まず目次から驚くと思う。○○な死 そればかりが並んでいるのだから。

だいたい、医者は患者を長生きさせる方法を考えて提案して励ましていく存在であることが正解だと思っていた。

でも桐子のような医者がいてもいいのではないかと考えが変わった。
音山のように悩む医者がいてもおかしなことではない。

医者だって人間なのだから悩み苦しむことも沢山あると思う。

医者は、毎日何人もの死と向き合ってきているからこそ、1つ1つに真剣に向き合っていたら彼らも心が持たなくなってしまう。

だからこそ彼らが医者で在り続けるためには、死というものへの感覚を自然と麻痺させなければならないのかもしれないと思った。それはそれで、とてもつらい仕事なのだと知った。

死神と呼ばれる桐子はその人がその人らしく生きられるように、生命を全うできるように、そうでなかったら長く生きたとしてもそれは本当に生きたとは言えないのではないかと考えている。

私もそう思う。
家族はなんて思うのかはわからないし、自分に子どもができたときにどう思うのかもわからないけれど、私も自分が自分でいられる形で終わりたい。
最後まで苦しみながら、なんとなく息絶えていくことだけは避けたい。そう思った。命というものと自分がいかに真剣に向き合わずに生きてきたかを教えてくれた一冊。

また元気になってから読み返したい。

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お医者さま目線の記事を偶然見つけました。
誠に勝手ながら、良い記事だったので加えて紹介させていただきます。

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