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8日目 大切なものは大切なままに

今朝は仕事の夢を見た。
仕事がうまくいかないんだけど、なんとか頑張ろうとしている夢だった。

自分の中で仕事に意識が向き始めているのかもしれない。

昨日、友人と話してありのままを全て肯定していいんだと思ってから、少し彼女への想いと戦わなくてすむようになった。

昨夜は、彼女がいつも食べていたチーズのナッツを夕飯にした。

今朝は、彼女がいつもやっていたストレッチをルーティンにした。

部屋の片付けをちゃんとやる彼女のように、部屋の掃除機をかけた。


彼女の家にいる時間。僕は普段のダラダラした自分ではなくて、一緒になって洗濯を干したり、ストレッチをしたり、自分の中で心地よい自分でいることができていた。


今、僕は1人でもそれをしている。

寂しくて真似ている部分もあるかもしれない。


けど、こうやって好きな自分を見つけることができたら、その時にはきっと病気も乗り越えているだろう。


その時に、彼女に会いに行ってみよう。


いままでのように自分自身から逃げるためではなくて、「好き」とか「嫌い」とか「ありがとう」とか「さようなら」とかそんなんじゃなくて、

前に進むために。

それが彼女のためかはわからないし、僕のためなのかもわからない。

でも、こうすべきという呪縛に囚われないでただただ会ってみたい。



今の自分の気持ちは何?

どうしたいの?

過去や未来とばかり戦わずに、今を生きよう。



昼は妻と2人でランチに行った。
久しぶりの2人きりの食事だ。
普段は行かない少し高めの焼肉屋だが、ランチはお手頃だった。

いままでこんな時間を過ごしたこともあまりなかった。きっとこの時間も大切なんだ。何気ないこの日常はきっと失ってから大切だったことに気づくというやつだ。

こないだ、妻が息子のサッカーの動画を観せてくれたことがあった。普段は疲れて興味を示さない僕が、その日は一緒に動画を観て話を聞いてくれたことが嬉しかったと言った。

妻にとってはそんな日常が幸せを感じる瞬間なんだ。

もっと妻の話に耳を傾けよう。
ちゃんと思いを受け止めよう。そう、思った。


妻と彼女。



世間では不倫は絶対的に悪のように言われている。

ネットニュースで不倫の謝罪をしている人は、自分の行動のおぞましさに気づいたと言っていた。悪いのは自分と不倫相手だと。


もしかしたら炎上するのかもしれないけれど、僕はそんな風に謝罪しているその人が信じられないと思った。

本当に2人とも大切にしたかった。浮ついた気持ちでだったらこんなに悩んでなんかいない。


彼女がいてくれたおかげで、1年半自分の心を保つことができたことは事実だから。後悔はしていない。

彼女が僕との未来をどうしたいのかはわからない。もう終わっているかもしれない。でも、僕の中にある気持ちは、どちらも大切なんだ。それに答えはでない。それでも、家族と向き合い生きていくことは決めたことだ。今は彼女への思いも心の中に一緒に置いておきながら。



家に帰ると、妻は昼寝を始めた。子どもを4人育てる妻にとっては本当は仕事のない平日は睡眠を取るための大事な時間。


その間、1人で昼過ぎの時間を過ごしていると、やっぱり少し辛くもなってくる。どうやら僕は1人になることが怖いらしい。これまではあんなに1人きりになりたいと思っていたのに。全てを捨てて1人で生きていきたいと思っていたのに。今は、1人になるのが怖い。

立ち止まっていると、何かに追いつかれてまた覆い被されてしまうような気がするから、そんな時には、ストレッチと筋トレをする。

そうするとちゃんと生きている気持ちになれるんだ。

そして、久しぶりにランニングシューズを取り出して走ることにした。

まずは実家までの3Kmを走ってみることにした。

これも、立ち止まっちゃいけない気がして、信号までを目標にゆっくりでもいいから走り切ることを自分に課していった。

30分ほどで実家についた。実家には母や妹がいる。

少し話をしてまた家に向かって走ろうとした時に、ちょうど長男が学校から歩いて帰ってきた。

長男の顔を見た時、すごく嬉しい気持ちになった。息子の顔を見るのは自分にとって幸せなことなんだということに気づいた。

長男に一緒に走らない?と誘うと、長男は少ししぶしぶだったが付き合ってくれた。昼寝から覚めた妻とスーパーで合流して、夕飯の買い物を済ませ、そのあとは息子の参考書を買いに本屋さんへ行って、期末テストの勉強を一緒にした。

これが僕にとっての日常。大切な時間なんだ。


今日は頭にモヤがかかりそうになるたびに筋トレやストレッチを繰り返したから身体を動かしすぎたかな。でも、夜はすんなりと眠ることができた。


また、明日。

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