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#68 僕と7浪目の親友

親友何人いる?
などと言う聞いてどうするんだと言うような質問を投げかけられたことがあるだろう。

親友と友人で態度を変えたり、接し方を変えてるわけではないが僕にははっきりとした親友がいる。
スーパーイケメンである。
今回は名前をKくんとする。

タイトルにある通り彼は7浪目に突入している。

この記事を読んでくれている方の中に浪人を経験している方がどのくらいいるのか分からないが、浪人を重ねると古くからの友人とは疎遠になることが多い。
向こうも連絡しづらいし、僕からも連絡しづらいからだ。

浪人生からすると大学生は、別世界の宇宙人のように見えることがある。

模試なんかで出来が頗る悪い時に、予備校帰りにワイワイしている大学生を見るとそう思った。

受かって早く宇宙人になりたいなあ。とばかり思っていた。

K君とは2浪目にクラスが同じになり、たまたま席が近くたまたま彼が牛乳を僕の教材にぶちまけてから話すようになった。

彼は僕よりも成績が良かったし、勉強量も日にならないほど重ねていた。
それにイケメンで高身長だった。
「浪人生じゃなくなったら最強だな」と僕はよく言っていた。

しかし4浪目までかかったものの先に医学部に受かったのは僕の方だった。

前期試験で失敗して後期での合格だったので、僕は半ばどころか完全に諦めていたところだった。

K君からは先に不合格の知らせを聞いており、じゃあまた1年だな・・・とお互い話していたので何と連絡していいか分からなかった。

遂に合格したという嬉しさの次には、K君に少しだけ罪悪感があった。

罪悪感など本来感じる必要はないのだが、連絡するまでに何回も文章を書いては消してを繰り返していた。

次の日に受かったことを送ると、すぐにこう返ってきた。

「おめでとう!何となくそう思ってた笑
初めて自分以外が合格して嬉しいと思った」

自分が逆の立場ならいくらLINEとは言え送れない。
少しなんて送ろうかためらったりもしたと思う。

もちろん這い上がるために全力で努力したし、それはK君も間違いない。
そんな中で報われた側におめでとうとストレートに言える優しさと懐の大きさに、涙が出てきそうだった。

定期的に連絡は取ったり近くまで行ったときにはご飯に行ったりもするが、そこも毎回割り勘にしている。

僕はアルバイトをしているが、そこで奢るのは対等じゃない感じがして嫌だからだ。

僕はK君と自分を比較して優劣をつけようと思ったこともないし、K君もそうだろう。

お互いを取り巻く環境が変わっても常に対等でいられる。

僕はそういう友人のことを親友と呼ぶことにしている。
K君のSNSは知らないし毎日連絡も取らないし、写真も撮ったことはない。

人それぞれ価値観は違うけれど、僕の中でその価値は低い。

だから、K君が最後まで頑張ると決めているので僕は最後まで影から応援している。
周りがもうやめなさいと言っても、K君がやめるというまで応援する。

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