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私はなんで書きたいか:言葉で世界を切り拓け!!

 はい、こんにちは☀️

 これが100記事目です。いやぁ〜何を書こうか迷いました。記録なんかどうでもいい!とスカしているつもりでしたが、どうしても意識しちゃいます。いつも通りの日記でいいかな〜と思っていたら思い出したんです、まだ自己紹介が未完だったことを。

 私はnote書き始めの時は「私はなんて書きたいか」ってタイトルの記事をいくつか投稿していました。その記事では私が"noteを始めるに至った理由"や"書くことの意義"について書いていたんです。

 中身のないやつに限って「さあ!行動しよう😁」とか「ブログで人生が変わりました😃」なんて"書くことについての記事”を量産しまくって"肝心な書きたいことに触れた記事はどこにもない"という悲しい矛盾を抱えているのが世の理です。私も初期はそんな属性の記事を書いていたんですよね。

 何について書いたらいいのかがわからないけど「何かを始めなきゃならない」という謎の強迫観念に突き動かされて"中身なんて無いのに入れ物だけ"を作りまくっていたわけです。

 幸い、何度か投稿を続けるうちに、書籍や音楽に旅行などの好きなものや、その時々の自分の気持ちを素直に表現できるようになってきました。そのおかげで私はこの空虚を脱することができました。

 当時の「私はなんて書きたいか」は、今となっては消しちゃいたいくらいに恥ずかしい記事なのですが、私の記事の中ではスキの数が最多(なんでだよ笑)なので残しています。こいつは文章力が向上してきている(当社比)最近の記事の倍以上スキをもらっています。私としては世知辛いですが、それが読者様の客観的な評価なのでしっかりと受け止めたいものです。(下のリンクの記事だよ)

 そして私は気づいてしまったんです、「この記事、書きかけなのに投げっぱなしじゃねえか」ということを。

 2月ごろは、記事を書き始めたものの中盤あたりで着地点を見失い、筆が進まなくなってしまった時に心の中の"蘇ったサムライ船木誠勝"にぶっ壊してもらうことはよくありましたが、まさかnoteをやり始めたばっかりの頃から話の途中で流れをムリヤリぶった斬って投稿する悪癖が発症していたとは😨クセとは恐ろしいものです。

 それゆえ今回は「私はなんて書きたいか」の真の完結編ということで『私はなんで書きたいか』にリニューアルして皆様にお届けできたらと思います。

 テレビ朝日の良い感じの深夜番組がリニューアルしてゴールデンタイムに引っ越しするようなイメージです。(無難な企画に変わってつまらなくなるパターンがほとんどじゃねえか)


 2021年の主役はだれ?

 さて皆さん、昨年こと2021年の顔と言ったら誰が思い浮かびますか?パッと浮かぶのはメジャーリーガーの大谷翔平選手や東京オリンピックで活躍した各競技のアスリートでしょうか?


 私個人としては、”リン=マニュエル・ミランダ(Lin-Manuel Miranda )”だと思ってます。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/リン=マニュエル・ミランダより

 そうです。このふにゃっとしたおじさんこそが2021年を制したエンターテイナーと言えるでしょう。去年はこの優男の手がけたエンタメ作品が無双状態でした。具体的にはディズニー映画の『ミラベルと魔法だらけの家』や、アメイジングな蜘蛛男の中で1番イケメンなお兄さんこと”アンドリュー・ガーフィールド”主演の映画、伝説のミュージカル作家の青春時代を映像化した『Tick, tick... BOOM! 』に、リンおじさんが若い時に制作したミュージカルの映画化作品である『In the Heights』などです。

 このおっちゃん、のほほんとした人の良さそうな風貌をしていますが、とんでもない切れモノです。1人で舞台作品の脚本から楽曲まで作れる上に、自ら主演までこなせてしまう超スーパースターなのです。独特な声質を生かした歌唱力とラップスキルも超一級品です。

 私がnoteを始めた理由について書く。なんて宣言しておきながら、なぜ急に変なおじさんの自慢話を始めたかと言うと、この人の手がけたとある作品が、私の執筆意欲に火をつけたからです。これこそが私が文章を書きたくなった理由です。

 と言うことでまずは、私がリン=マニュエル・ミランダ作品に触れたきっかけから説明してみましょう。今回は100記事目、せっかくなのでボリュームたっぷりでいきますよ。


 ゴルフコンペで素敵な週末を

 私が彼の作品と出会ったのは、2021年7月の土曜日でした。「長年応援してました〜😉」なんて言いたげなツラで説明してるクセに、めっちゃ最近じゃねーか💢と言うツッコミは置いておいてね、その通りだから。

 その日の私は、せっかくの休日なのにまぁまぁ憂鬱でした。その理由は日曜日、つまり翌日に取引先とのゴルフコンペを控えていたからです。別にこのイベントを嫌ってるわけでは無いんですが、「5000円払えば行かなくていいよ?」って提案されたら迷わず払ってキャンセルしたい程度には嬉しくない行事です。

 そもそも私は超がつくほどの運動音痴なので、コースを一緒に回る班の人に迷惑をかけてしまいがちです。だから空気を悪くしないよう一日中気を使いますし、なによりゴルフコンペって開始時間がめっちゃ早いのが辛いです。たいてい朝8時頃現地集合です。それ自体は別に早くはないですが、コースのある山奥まで移動しなきゃいけないので、必然的に5時とか6時代には起床しなくてはなりません。

 そうなると自動的に、前日は翌日に備えて早く寝なければならないのです。しかもたいてい、というか毎回、コンペの後には夜遅くまでダラダラと続く打ち上げが控えているので、体力を温存しておかなくてはなりません。(無尽蔵にスタミナのある人がうらやましいぜほんと。)

 それゆえあの日の私は、明日が来るのが憂鬱でただソワソワしていました。「どこかへちょっとお出かけしたいなぁ」、「でも明日早いしなぁ」なんて2つの気持ちのせめぎ合いのせいで、休みを満喫したいのに腰が重く、何をするでもなくダラダラとらYouTubeを見たり2ちゃんねるを見たりと……大事な時間を意味もなく削ってました。なぁなぁのナイフで

 そんなとき、気まぐれに見ていた映画レビューサイトでとある映画のレビューを見つけたのです。それこそが、リン=マニュエル・ミランダの制作したミュージカルを映画化した作品である、『In the Heights』だったのです。


 なんで急に歌いだすんだこの人?

 私は本物の舞台は見たことがないんですが、ミュージカルを好みます。なぜ好きなのかと言うと、数あるジャンルの中で最も場面の力が強いのがミュージカルだと思っているからです。

 どういうことかと言うと、私は映像作品を見たとき、シナリオが面白くなくても印象に残るようなシーンが1つあれば満足できるタイプの人間なんですよ。

 物語の整合性とか伏線にこだわる声に押されてなかなか主張しづらいのが現実ですが、結構あるあるですよね?「脚本が粗だらけでクソだな」って評価されてる作品に「でもあの場面は良かったじゃん😲」と反論したくなるときってありますよね?

 そういう点でミュージカルは華やかな歌やダンスでその瞬間のオーディエンスを楽しませる、私好みのジャンルなのです。「この人なんで急に歌い出すの?」なんてツッコんでる場合じゃないんです。あなたの感じるままに演者や製作陣の生み出した世界に圧倒されておけばいいんですよ、こういうのは。

 と言うことで、面白そうじゃん!と興味を持ち、早速映画館に足を運んだわけです。「そうか、映画鑑賞があったか!これなら無駄に体力も使わないし、明日の憂鬱も吹き飛ぶかな」なんて思いながら。


 『In the Heights』

 そして『In the Heights』を観賞したわけですが、私にとって超超ドストライクな作品でした。

 ヒスパニック系の移民たちが集まる貧民街”ワシントンハイツ”を舞台にしたひと夏の物語。主人公は、コンビニ(みたいな商店)で働く、人の良さそうな兄ちゃんこと”ウスナビ”です。ドミニカ共和国にルーツをもつ彼は、お金を貯めていつか祖国に家を買って暮らすことを夢見ています。ウスナビの他にもこの街には、夢を持つ移民の若者たちが集まり、金はないけど日々力強く暮らしているのです。

 特にでかい事件とか、派手な展開はありませんが、ラテン系のサウンドにノって歌いまくり、ラップしまくりの多幸感に溢れる140分でした。「もし宝くじがあたったら?」なんて皮算用もいいところのしょーもない妄想がカッコいいヒップホップと化している曲もありサイコーです。そして楽曲を彩る、超大人数によるダンスパフォーマンスも圧巻でした。

 ただ賑やかなだけでなく「祖国から離れた国で暮らす移民たちにとって、魂の故郷、心の拠り所はどこにあるのか」といった、島国に暮らす我々にはなかなか馴染みのないテーマにも触れ、心を動かされました。精神の普段使わない部分を刺激されたような感覚です。

 大いに興奮した私は「この素晴らしいエンターテイメントは、一体誰によって生み出されたんだ」と調べた結果、リン=マニュエル・ミランダに行き着いたと言うわけです。あとなんだかんだでゴルフも楽しかったよ。


 もっと知りたい、リンおじさん!

 リンおじさんに魅了された私が、次に手を出した作品が、大人気ブロードウェイミュージカルである『Hamilton』です。これこそが私がnoteを書くきっかけになった作品です。

 このミュージカルは、アメリカ建国の英雄のひとりである、”Alexander Hamilton”の生涯をテーマにした作品です。そうです、いわゆる歴史モノなのです、NHK大河ドラマみたいなね。

 この作品が革新的なのは、歴史モノと言う、お堅そうなテーマでありながら、物語が全編現代的なヒップホップで進行する点です。めっちゃかっこいいんだこれが。

 他に注目したいのが、キャスティングです。アメリカ独立の物語と言う事は、当然白人たちが主要人物なのですが、キャストのほとんどが有色人種であることが異質です。「うわでた😨またポリコレかよ、、、」なんて食傷気味な方もいるかもしれませんが、しっかり意図があってのキャスティングです。

「出演者たちは現代のアメリカそのものであり、国際的でもある」

「過去に亡くなった白人の物語であるが、有色人種の俳優が出演することによって物語をより現代に近付け、現代の観客により理解しやすくなっている」

 ということで、何かの開会式のように多様性!多様性!と連呼しているだけではなく、世界観を表現する上で必要なキャスティングなのです。一度観ればあっさり受け入れられますし、超クールです。


 『Hamilton』

 さて、せっかくなので『Hamilton』についてほんのちょっとだけ説明してみましょう。今回の説明は、"西川秀和"様のwebサイトを参考にしています。この『Hamilton』、私の観た当時は日本語字幕が存在しなかったのです。

 ですので、理解できる範囲で、なんとなく雰囲気で楽しんでいたのですが、この素晴らしいサイトのおかげで物語の面白さや奥深さに触れることができたのです。ちなみに今は字幕ありますよ。

 あと、この記事でも何曲か楽曲を紹介しようと思いますが、版権がディズニーにあるため著作権がめちゃめちゃ厳しいのです。ですので非公式にHamiltonをアニメ化した動画をリンクしていきます。音源は本物ですが削除されていないので、こっそり紹介していきます。

 "szin"氏や"HuangHYing"氏によるアニメーションも独特の雰囲気を纏っててなかなか良いものです。この方々の動画は、設定を弄れば日本語字幕が出せます。さあレッツゴー!!


 第一部:独立しようぜ野郎ども

 辺境の島で孤児として育った主人公"アレクサンダー・ハミルトン"は、卑しい生まれでありながらも、類まれなる知性と向上心を持つハングリー精神の塊のような青年でした。特に文才に長けており、幼少期に"故郷の島を襲ったハリケーン"の被害状況について書いて新聞社へ投稿した記事は、その表現力の高さから島中の評判になりました。「ハミルトンマジ半端ないって」と思った島の人々は、費用をカンパし、才能あふれるハミルトン青年が大学へ進学できるよう支援をしたのです。(1.Alexander Hamilton)

(鋭い方なら、私がこの作品にどう影響受けたか気づいちゃったかも知れません。その予想であってます、でも温かい目で見守ってね☺️あとちょっとだから)

 1776年、大学に進学したハミルトンは、彼の生涯に渡ってのライバルとなる男"アーロン・バー"に出会います。(2.Aaron Burr,Sir) 対立したり協力したりと"悟空にとってのベジータ"のような関係性です。そしてハミルトンは、心強いZ戦士たち(詳しくは作品を見てね)とも知り合い、当時のアメリカを理不尽に支配していたイギリスに対して反骨心・独立心を高めていくのです。(3.My Shot)

 そしてなんだかんだで(詳しくは(以下略)、後のアメリカ初代大統領"ジョージ・ワシントン"の右腕となった(8.Right Hand Man)ハミルトンは、Z戦士たちとともに、イギリスとの独立戦争に挑むのです。この時の楽曲20.Yorktown(The World Turned Upside Down)はめちゃめちゃ盛り上がるので一見の価値ありです。

 「Immigrants,we get the job done!!」
 (移民たちよ、俺らでやり遂げようぜ!!)


 ここまでが劇の前半、第一部です。

 実際の舞台では、ここで休憩が挟まります。入場前に買っておいた、助六寿司でも食べておくと良いでしょう。太巻きにいなり寿司、そしておーいお茶(伊右衛門じゃねーのかよ)が食欲を刺激します。私は地味な寿司が大好きなのです。


 第二部:ゴタゴタしようぜ野郎ども

  独立戦争に勝利し、アメリカを建国したハミルトンとZ戦士たちは、今度は内なる闘争に挑みます。すなわち、政敵との内輪揉めに巻き込まれていくのです。(1.What'd I Miss)

 この"アメリカ独立直後から、ハミルトンが没落していくまで"を描いたのが第二部です。政治的なゴタゴタが見事にエンターテイメントに昇華されています。

 なかでも”Cabinet Battle#1-2”は白眉の出来です。なんと、閣議がラップバトルとして表現されているのです。型破りで一瞬戸惑いますが、めっちゃかっこいいのですぐノれます。現実の政治もラップバトルで勝負すればいいのに。(馬鹿なこと言ってねぇで早く終わらせろ)


 『Hurricane』

  やっと本題に入れました。私が文章を書きたくなったきっかけである楽曲13.Hurricaneを紹介します。

 この曲で語られるのは、政界から失脚の危機に陥ったハミルトンが、不利な現状から抜け出すために自らの生涯を回想する一幕です。

 ちなみになんでピンチなのかと言うと「世間に不倫をばらしちまうぞ😡」とライバルに揺すられているからです。まったく男ってヤツは、、、笑

 この場面でハミルトンは、己の人生経験から導き出した打開策、いうなれば"自分にとっての最強の武器"が何なのか?について、ある1つの回答を導き出すのです。

 下手に要約するより原文の方が良いので歌詞を引用します。訳文は西川秀和氏のものをお借りします。


When I was seventeen a hurricane Destroyed my town. (中略) 
I wrote my way out, Wrote everything down far as I could see. I wrote my way out. I looked up and the town had its eyes on me. They passed a plate around. Total strangers Moved to kindness by my story Raised enough for me to book passage on a ship that was New York bound… 

17才の頃、ハリケーンが私の街を壊した。
(中略)私は自分の考えを書いた。私が見たものすべてを書いた。私は自分の考えを書いた。私が街に立ち寄ると、街の人々が私のことを見ていた。彼らは皿を回してお金を集めた。まったく見知らぬ者さえ私の話によってほだされた。そして、ニュー・ヨークに向かう船を予約するのに十分なお金が集められた。
https://americanpresidentsinfo.blogspot.com/2021/01/Hamilton-37.html


And when my prayers to God were met with indifference, I picked up a pen, I wrote my own deliverance. 

神が私の祈りに無関心な時、私はペンを執って自分で救済を書いた。
https://americanpresidentsinfo.blogspot.com/2021/01/Hamilton-37.html

 そうです!これなんです!!

 この力こそが離れ小島の孤児を、世界の中心へ導いた潮流だったのです。

 文章力とは、目の前にある景色、自分の心の動き、誰かに訴えたいこと、こういった形に残らないモノを具現化し、世界へ突きつける力です。

 たかが言葉、ちっぽけな存在ですが、受け取った人の心を動かし、行動を生み出し、やがて大きな力となっていくのです。雪崩式DDTのような破壊力。

 "ペンは剣よりも強し"って名言や、”ライティングで人生変わりました🤗”って煽りをよりわかりやすく分解すると、この一連の歌詞になるんだと思ってます。


 まとめ:私はなんで書きたいか


 と言うことで結論です。

 「私はなんで書きたいか?」

 ……それは、ミュージカルで描かれたアレクサンダー・ハミルトンのように、文章の力で自分の世界を切り拓きたいからでした。

 ってドラゴンボールZを観て「俺も悟空みたいに強くなりてぇ😆」とか言って、急に腕立てとかスクワットを始める小学生男児と同レベルじゃねーか!?

 ……ちなみに、その後ハミルトンはピンチを抜けだせず、普通に失脚します。


 おしまい

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