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鉄道博物館は人を惹きつけるワンダーランド

 以前は東京・秋葉原の高架下にひっそりとあった鉄道博物館が装いも新たに、埼玉・大宮市に移転して日が経った。いまだに多くの来場者でにぎわっているというその巨大な施設の充実した展示内容は、単に鉄道ファンのみならず一般客が来場しているのでブームとなっている。

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 このほどネット上で発表された小学館DIME発のランキング「日本人に人気の博物館ベスト20」で初めての第一位を獲得している。

 オープン10年を経て新館建設などのリニューアルを施し、人気が加速。鉄道ファン自体も増えているのではないかと思える動きである。

 ちまたにはジオラマ(ミニチュア模型)を置く飲食店なども増えており、これも結構はやっているそうである。本物は大きさがあるので、なかなか実車を保存する場所がないが、先日は東京に世界一のジオラマ館である「スモールワールズ」もオープン。ジオラマの街には鉄道は欠かせない。

 英国などでは紳士の趣味と言われる鉄道趣味

 だが、日本では趣味の代表格ではあるものの、鉄道模型はお金も掛かるし、以前からオタク系とも勘違いされることもあり、あまりメジャーなものではなかった。

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  確かに昔から鉄道マニアは男性を中心に一定数は必ず存在し、日本の鉄道の発展は奥深いので分野も細分化しているのだが、一般的にその数は以前に比べて減少しているというのが通り相場であった。子ども達があまり鉄道に興味を示さなくなった。

 その代わり女性たちがファンになっている。かくれファンも併せると結構な数。それからすると、こうした施設の登場は決して時代に逆行しているものでもなく確かにブームなのである。

 ファンとまではいかなくても、乗り鉄、切符鉄、カメラ鉄など細分化して鉄道が好きといった層はかなり厚いということを思い知らされた。あえて都会でマニア向けとしてではなく、一般を対象にした店を作ることで付加価値や差別化が図られ、家族連れなどが多く訪れることで商売繁盛に結びついているようだ。

四国に鉄道ファンが楽しめる場所ってあるの?

 一方、ここ四国にも西条市に規模は本当に小さいが「四国鉄道文化館」があり、「四国鉄道ぽっぽや検定」というのも始まり、相対的に鉄道に対しての興味は高まっている。鉄道は立派な国の文化産業遺産である。

 高松琴平電気鉄道は旧型車両の博物館としてマニアの間では有名だったが、レトロ車両が一部動態保存を残して引退してしまったため、ファンの注目度は薄れてしまった。英国のファンのように鉄道線を車両ごと買取り、動態保存してしまうほどのファンはいなかった。現在は各地の公園などに引き取られている車両ならそこに行けばふれあえるものの、実際には錆びて朽ち果ててしまい誰も見向きもしないのがオチ。

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女性鉄道ファンはお気に入りの電車を擬人化して可愛がる

 以前と比べると女性のひとり旅や女性会社員の出張が増えて、電車と接する機会が多くなっていることも原因のひとつ。主に女性は洗練されたデザインで内装もオシャレで、何より顔つきがかわいい最近の電車がお好みだそう。新幹線などは女性が大好き。最近の車輌のデザインは進化しているし、日本は鉄道会社も多く種類が豊富にありマニア道は果てしない。

 鉄道会社では観光列車を多数走らせているJR九州の人気が高いようだ。JR四国も岡山駅でそのまま瀬戸大橋線に乗り入れ、高松駅に来る事が出来るフリーゲージトレインに運行される日が来る事を願っていたが、そのフリーゲージ電車の開発計画はいつのまにか立ち消えになってしまった。

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 ただ日本でここだけ夜行電車のサンライズエクスプレスが走ってるのは強い。出雲大社に琴平行き(高松行き)が連結をして東京から岡山に。そこで切り離されてそれぞれの場所へ。もっとこの電車をクローズアップして首都圏の女性に一度、乗ってもらえる様なキャンペーンを行ってはどうか。

京都鉄道博物館周辺が急速な観光地化で沸騰中

 京都市の梅小路機関区の跡地にはJR西日本が誇る鉄道博物館がある。隣接する梅小路公園の隅にひっそりたたずんでいた梅小路蒸気機関車館を拡大リニューアルしてできたもので、埼玉に負けず劣らず魅力的な展示物。

 現在は公園内に京都市水族館も誕生して一大レジャーパークとなっている。横を通るJR山陰本線(通称・嵯峨野線)に新駅もでき、一気に近隣エリアが新ホテルラッシュとなっている。ここは完全に日本人観光客のエリアとして、今後、更に発展が期待できるエリアとなっている。

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 日本の鉄道の歴史は案外古くてその歴史をたどるとまだまだ光を当てて欲しい側面があるのだが、既に資料がなくなっているケースもあるようなので、しっかりと収集している人がいる間に何らかの形で残して欲しい。

 関西は昔から私鉄王国として有力な私鉄が群雄割拠しながら、発展してきている。しかしその電車達を振り返るような博物館はほとんどない。阪神電鉄にまなび基地があるくらい。街の発展、都市生活に欠かせないインフラとしての鉄道の歴史は大変重要で、見せ方次第では鉄道ファンでなくても訪れる価値のある場所となる。

 どこか車両基地の隅にでも敷地を確保して鉄道ミュージアムを新規に誕生させてくれる鉄道会社が出て来ないものですかね。商業施設への併設でもいいですよ。


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