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 高松空港は、民営化2年を経過した。何が変わったの?という方は一度、高松空港から飛行機を利用してもらいたい。セキュリティーエリアを通ると、待合スペースを中心に居心地が大きく変貌した。現在は制限エリア手前をリニューアル。物販や飲食のテナントの改装も行っている。

 昨年は瀬戸内国際芸術祭開催年。国際線でソウル線に続き台北線もディリー運航化が実現。地方空港で2つの国際定期路線がディリー運航している空港は聞いたことがないと言われた。

 そんな環境を整えられたのも、いち早く路線誘致に動き、路線開設をしてからも相互交流の橋渡しを継続してきた関係者あっての賜物である。

 4回目となった瀬戸芸開催のタイミングも手伝い、

 コロナ禍前まではインバウンド需要が沸騰していた。ここでは“国際芸術祭”という称号が生きてくる。様々なメディアで取り上げられたように、「瀬戸内海」は世界的にも注目をされる観光エリアとなったのである。
 その玄関口となる関西空港のみならず、エリア内に位置するゲートウェイ空港として高松空港の存在が俄然生きてくる。

 松山空港や徳島・高知空港にも国際定期便の路線開設の機運が高まってきていたが、一歩先んじている高松空港の知名度や利便性の高さで優位性が揺るぎがない。

 懸案となっていた高松空港の公共交通アクセスも、

徳島・祖谷方面に続き、相次いで高知方面と愛媛方面のリムジンバスの運行がスタートして四国の中核空港としての面目が出て来た。これまで岡山空港に流れていたビジネス需要も取り込む。

 自家用駐車場も懸案となっていた立体駐車場も稼働し、高松市中心部とのタクシー利用がし易くなるような定額制タクシーも導入。瀬戸芸の船便利用など人数が多く荷物が多い場合に相乗りをすれば大変便利。
 懸案として残るのは東讃エリアから鳴門方面との乗り継ぎを便利に出来るアクセスルートの開拓くらいだろう。現在、ことでん琴平線との乗り換えが不便であり、早急に改善を求めたい。ここまですればほぼ県内ビジネスや観光には困らないアクセスが出来上がる。

 さあ更なる就航路線網の拡大で言うと、やはり国内線が東京と沖縄便のみであり、さすが新幹線利用には叶わない。
 だが依然として福岡や札幌、仙台、静岡などへ行くには新幹線ではやはり時間が掛かりすぎるエリア。高松市からの所要時間はいまだ縮まっていないのはどうすべきか。

各地で進む空港民営化。高松線は?

 福岡空港が民営化し、地元資本連合が引き受けた。次は熊本空港も民営化になるが、こちらは三井不動産連合だ。2021年4月からは広島空港も民営化を予定する。三菱地所連合が入札から撤退してしまったので、残った三井不動産と地元企業連合に決定すると思われる。

 高松空港と同じく三菱地所と東急電鉄のコンソーシアムが担当した、富士山静岡空港も民営化された。このグループが明らかにした事業提案によると、現在7つの路線がある国内線にプラスして成田・仙台と高松空港への路線を開設したい意向があるという。

 東海道新幹線は静岡県へ行きたい場合は、名古屋駅でこだまに乗り替えが必要なケースが多く、意外と不便。航空便はインバウンド観光の「ゴールデンルート」と四国が直結されることの意義・効果は大きい。高松空港と同じ三菱地所が運営に入っているので、両空港の活性化を目指す上での連携で路線開設は理にかなっている。

 高いリスクを取る代わりに、ハイリターンを目指すという民間の発想は、両空港の運営でも遺憾なく発揮されているようだ。すでに高松空港では着陸料の減免にも及んでおり、スピード感を持って運営している。

 高松空港はすでに開港30年を経ており、

 これまで駐車場に余裕がないことから、空港見学者が少なかった。これに対して静岡空港では昨年度約109万人の見学者を記録していて、飲食や土産物などの店舗は14店舗を抱える。航空機利用客が約71万人なので、それよりも多い勘定だ。
 
 こうした点も参考に取り入れることが出来れば、まだまだ空港の可能性を拓くことが出来よう。2022年までに約57億円を投じて、ターミナルビルの増築リニューアル計画が進む。寄りたくなる空港を目指し日々挑戦が続く。早くコロナ禍からの復活を目指してもらいたい。

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