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一般論はもういいので、私の老後のお金 「答え」をください! (著・井戸美枝さん)

こちらの本を頂きました。

著者は井戸美枝さん。

本の目次です。

CHAPTER1 お金に困らない人生のルール
CHAPTER2 私の年金、「答え」をください!
CHAPTER3 「老後のお金」年代別 TO DO リスト
CHAPTER4 iDeCoとつみたてNISAで「じぶん年金」
CHAPTER5 年金を増やせる!受け取り方&働き方
CHAPTER6 「年金不安でカモられないために知っておくべきこと
       (慶應大学商学部 権丈善一教授との対談)

主な対象読者は「女性」に設定されている本(表紙のイラストの下に  #日経WOMAN のロゴがドーンとあります)ですが、男性の私でも非常に参考になる一冊でした。

本の最初から最後まで非常に具体的な事例を使って丁寧に分かり易く説明されています。

本のChapter1 の一番最初、「一生を4つの時期に分けてみる」の箇所。

本では人生を4つに分けて「第1クオーター 育ちの期間」「第2クオーター 人生フル回転の期間」「第3クオーター 黄金の期間」「第4クオーター おまけの期間」とされています。人生は100年という前提です。

豊かな老後のために大切なのは、公使共にフル回転の25〜50歳の第2クオーターの過ごし方です。自分の好きなこと・得意なことを見つけて長期化する仕事人生を生き抜くスキルを付けること、お金についての知識を深めることも大切です。

つい最近、今頃気付いたのですが私も既にアラフィフでした。それまであんまり意識していなかったので、「あー、そやったんや」って。私の第2クオーターもあと少しなんだなあ、と感じました。第2クオーターを振り返ってみて「どや?」と自問してみました。100点満点とはいかずとも、及第点だよね、って自答しています。

この本では、第2クオーターに何をやるべきか、はもちろん説明されていますが、第3クオーターで為すべきこと、考えてるべきことも具体的に説明されています。Chapter5 には「会社員が年金を増やす3つの方法」が紹介されています。3つの方法のうち、1つ目は第2クオーターから取り組むことが出来ますが、残りの2つの方法は第3クオーターのお話です。私自身も漠然と認識していた内容でしたが、それがハッキリと示されていて認識を確かなものにしました。

この他にもChapter2では「育児休業を取ると年金が減る?」や「おひとりさま注意点は?」の辺りは知識が無かったので、「そうなのか」という発見がありました。

Chapter4 では #iDeCo#つみたてNISA  を使った資産形成について説明されています。180〜181ページの見開きの図は少し気になりました。

図表の下に「試算は25〜60歳まで・・・積み立てた場合。試算結果は、参考指数の過去の実績・状況から算出した数字で、将来の市場変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではない」との記載があるのですが、これはもっとデカく、目に留まるように載せるべき注意では?と感じました。

また、いくつか証券会社等金融機関を挙げて「お薦め投信」を幾つか紹介されているのですが「A証券の枠でお薦めとされている商品はB証券でも取り扱いあるんだけどなあ」という図表になっているのは、細かい点ですが気になりました。商品の選び方に対する違和感は無かったのですが、具体的な商品の紹介の仕方には、改善の余地が大いにあるものと感じました。具体的な商品名を挙げて、その横に取り扱いのある金融機関を記載する方がベターではないか、と。

投資信託の選び方に関しては、別途、それにフォーカスした書籍、例えば、竹川美奈子さんの本 を手に取るのも良いように思います。

最後のChapter6の対談、分量はちょっぴり少なめですが、読み応えがありました。

権丈さんのこの指摘は「!」と思いました。

高齢者と現役世代の割合が「胴上げ型」か「肩車型」かと、社会の豊かさには関係がないのです。
(略)
問題は、高齢者と現役世代の比率ではなくて、経済成長率でしょうね。

少子化、高齢社会化は確かに大きな課題ですが、今更時計を逆回転させることは不可能なわけですから、それを踏まえてどのように社会全体をどう豊かにするか、ということ。タイプするだけは簡単に出来ますが、めちゃ難しい課題。でも、その解決策を探らないと、ね。そんなことを感じました。


本の「はじめに」に、この本で一番、「そうだよなあ」と感じたことがあります。

お金についての大事な基本が2つあります。
何でも自分でやってみる
数字はウソをつかない

そして

誰にでも当てはまる正解はなく、その人それぞれの生き方・意思にマッチした「特注品の答え」があるのだと思います。

本当に、その通りだと思います。その人それぞれの「特注品」にたどり着くためには、やはり「自分でやってみる」ことがとても、とても大事なことだと思います。

「自分でやってみる」ための参考になる内容がこの本には詰まっています。


井戸さんのプロフィールの最後「好きなことば」に

Festina Lente (急げ、然してじっくりと)

とありました。日本語訳としてこんな風に翻訳されていたりもします。

ゆっくり、いそげ

私の大好きな本 のタイトルでもあります)

自分なりの、自分だけの特注品をつくりあげるために、この本を手に

ゆっくり、いそぎましょう!


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