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10倍株の思考法 「ビジネスモデル×企業価値」で考える株式投資入門 (著・ろくすけさん)

僕が尊敬する投資家のお一人、ろくすけさんの本。
今日届きました! イッキに読みました!

タイトルに ”企業価値” が入っています。今朝つくった記事でご紹介の一冊も”企業価値”がタイトルに含まれています。株価=価格ではなく”企業価値”にスポットライトが当たるのはええことだ、そう思っています。価格は分かりやすいですけれど”価値”はどう測るか、見極めるかは人それぞれ。企業価値の場合は、その会社の未来をどう見ているか、でその結果は変わります。場合というか、人によってそれは大きく変わります。

本をお読みになれば一目瞭然ですが、ろくすけさんと僕とでは、株式投資の実践手法が大きく違っています。ろくすけさんは個々の会社に直接投資されているのに対して、僕は投資信託一辺倒です。でも、考え方や大事にしていることは結構近いとこある!って勝手に解釈しています。ですから、ろくすけさんのブログはいつも楽しみに読ませてもらっています。

今回の本は、日経マネーでの連載を再構成されたものだそうです。対話形式となっているので講義をお聴きしているような感じを持ちました。

本を通じて何度も繰り返し強調されていると感じたこと。
それは

「価値」と「価格」とは違う。

これです。何がそう思わせたのかはあえて書きませんが、この「価値」と「価格」との違いって、なかなか肚の底から納得、理解する(してもらう?)ことって難しいと感じます。もしかしたらろくすけさんもそれを感じられているのでしょうか、この「価値」と「価格」との違いを、本の中で繰り返し述べられていたのかな。

この違いを繰り返し強調されていた理由としてもう一つ思い当たりました。
この違いが肚の底から納得、理解できていなければ、本の中で具体的に説明されていた事業の見極め方も理論株価(会社の本源的価値)の算出方法も役に立たないかもしれない、という推測です。事業の見極め方も財務指標等をヒントに使われていたりで、なんといいましょうかテクニック的なものを本の中から抽き出すことは可能なのかな、と思ったのです。

この 「価値」と「価格」とは違う。 が肚の奥に落ちている、収まってこその具体的な手法ですよ! というのが僕の個人的な解釈です。

「生き金」

株式投資のことについて、こう述べられています。

優良企業の株を自分で選んで買って、投じたお金がそのお金がその企業の成長を資金面で支える。それが商品やサービスの形になって多くの人々の役に立ち、社会課題の解決にもつながる。このように自分のお金にしっかり意思を込めて、それが巡り巡って”生き金”になるようにしたいと考えたのさ。

第1章 自分のお金を「生き金」にする

この「生き金」の考え方。ここは僕も近いんですよね。資産形成を始めた頃は「債券」もポートフォリオに入れとかな、とか思ってましたが、その「お金」ってどうなるのよ、どう使われてんのよ、とかそういうことを考えたら、ちゃうわ!と思うようになりましたからね(とか言うてるわりには長い間バランスファンドを買っちゃってましたが)。

この類のお話をすると、時々指摘されることがあります。流通市場で株式を買ってもそのお金は会社に届いているわけじゃないよ!という指摘です。確かにお金の流れはそうかもしません。しかし、お金と交換に手に入れたのは「株式」という事業の関係者になるチケットです。この本の特徴の一つは投資先とのコミュニケーションについてもカバーされていることです。IR担当者への照会や株主総会への出席についても述べられています。

投資先の事業と真摯に向き合う「心ある株主」となることを心がけながら、投資先とコミュニケーションを深め

キラリと光る優良企業を自分で見つけ出し、その成長をゆっくりと見守っていく過程が何より楽しい。私は株式投資を一生続けたいと考えているよ。

日本企業の価値創造プロセスに投資家として関わることを通じて、日本のより良い社会づくりへの参画意識を持つことができる

このスタンス、構えこそが「投資家」だと感じられるのです。

株式投資は、どの会社、どんな対象にお金を投じれば「生き金」になるか、という問いに対する自分なりの答えなのかもしれません。

「お金」としてリターンが戻ってくること、それが「生き金」なんだ、という考え方もあるでしょう。その一方で、ろくすけさんのように投資先の会社と過程、ストーリーを一緒に辿っていると感じられて「生き金」と感じる投資家もいらっしゃる。ろくすけさんのスタンス、構えならば、金銭的なリターン、金融資産だけじゃなくて、もっと他に大切な資産を手にすることができるのではないか、と僕は感じています。決算書やIR資料を読んで、分析する、色々と調べる、その経験や体験の積み重ねは、得難い自分だけの資産になるかもしれません。

自分の作品

時間と手間をかけ、意思を込めた投資で築いたポートフォリオ、資産のことをこう表現されています。

それぞれのやり方で社会に貢献している企業の集まりは「こういう社会になってほしい」という自分の価値観を投影したものになっているはず。いわば自分の作品だ。そうなれば頻繁に売買して銘柄を入れ替える必要は全くない。自分の作品をいつでも美しい状態で鑑賞できるように、時々メンテナンスするくらいの意識でいい。後は素晴らしい企業たちが自らの価値を複利で高めていく力に頼っていくだけだ。

第5章 プロを出し抜く 173頁

自分の資産が一つの「作品」だという意識、僕も少し持っています、まだまだですけれど。自分が関わっている投資先の会社を誇らしく思えるって素敵なことだと思うんですよね、めっちゃ。息子にも胸が張れる。

手間と時間をかけて、自分の意思を込めた株式投資

ろくすけさんは、手間と時間をかけて、そして意思を込めた株式投資を実践されています。ろくすけさんが説明されている手法で投資を実践することで得られるものはとても多いと想像します。「価格」を追いかけるのではなく、事業の「価値」、それを支える存在意義やそれに凝らされている知恵や工夫を見つけ出そうとするプロセスだからです。そうしたプロセスは多くの企業人が日々取り組む仕事の中にも何かしらあるはずです。プロセスの積み重ねが新たな発見、気づきを生み出し、さらに思わぬ出会いや機会につながるかもしれません。「機会」事業よりも「障壁」事業、そう本では書かれていますけれど笑

どこに手間と時間を掛けるかが適切であれば、その手法が「価値」を探究するものであれば、株式投資の実践を積み重ねることは、金融資産とは違った資産を自分のポートフォリオにふやしてくれる、僕はそう思います。

イッキに読んでイッキに勢いで記事をつくってみました。

自分で考えてみる刺激、きっかけをたくさん提供してくださったろくすけさんに深く感謝です。


紹介されていた3冊の本

本の中で紹介された3冊の本、僕も読んでます。
その3冊についてつくった記事です。

ろくすけさんが紹介されるのも大いに納得の3冊です。

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