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『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』を読みました。もちろん、投資信託、アクティブファンドを頭の中におきながら。

林伸次さんのこのノートをきっかけに、『なぜ、あの飲食店に集まるのか』を買って、読んでみました。

本の表紙にもある通り、22年続くバーのマスター、林さんが、都内の人気飲食店のオーナーへのインタビューを20店、ドーンと載せられています。

全てのお店のオーナーのインタビューを読んでみて、感じたのはオーナーの皆さんがお客さんに対して提供したい「価値」をハッキリとお持ちになっていること。そして、その「価値」をどうやったらお客さんに感じ取ってもらえるのか、伝わるのか、を強く意識して行動されている、ということでした。それはオーナーの皆さんそれぞれの「哲学」と呼んでも良いように思われました。

それを引き出していたのが、林さんのインタビューでした。林さんのお人柄やキャリアはもちろん、林さんご自身が訪れているお店、オーナーへの好意、好奇心、関心がそれを可能にしていたように思います。

特に印象的だったのが、

5店目に登場された、COFFEEHOUSE NISHIYAの西谷恭兵さん、
6店目に登場された、fuzkueの阿久津隆さん、
17店目に登場された、SAKE storyの橋野元樹さん、

でした。西谷さんの「コーヒーで」というのは信念であり、哲学と感じました。阿久津さんのお店のシステムに「そんなお店があるんだ」と驚き、林さんのインタビューでそのシステムに至った理由に納得させられました。

橋野さん。

日本酒がなかなか流行らなかったのは「難しい・分からない・閉鎖的」だったからだと思うんです。

どこかで聞いたようなコメントです。

実は、この本を読み始めて割と早い段階で、「お店」と #投資信託  を頭の中で絡めていました。ファンドマネジャーの見立てにお金を委ねる #アクティブファンド  と。共通点がめちゃくちゃあるように私には感じられました。

どんな「価値」を届けようとしているのかを示すこと、その「価値」を実現するためにどんな工夫をしているのか伝えようとすること、伝わっているか確かめること、これが大事。でも、それがどんな経緯や道程があって、そうなったか、という「これまで」を知ることで伝わりやすくなるのかな、と。今回の本で、林さんのインタビューではその「これまで(お店を始めるまで。どうやって始めたか)」が非常にしっかりと説明されていたんですよね。それがあるからこそ、その「価値」はこうして生まれたのか、つくりだされたのか、ということの輪郭がハッキリしたように感じました。

投資信託の説明書に「目論見書(もくろみしょ)」という法律で定められたものがあります。率直に言って、非常につまらない、無味乾燥なものです。書いてあることはどれも似たり寄ったり(独自性を出そうと努力されている例外もありますが)で、これだけでお金を託そうなんて思わないじゃんねー、というシロモノです。「こんな投資、運用をします」とは書いてあるものの、どうしてそこに来たのよ、という「これまで」が書かれていることはほぼゼロなんですよね。

そこで思い出されたのがこのコンテンツでした。

あらためて読みましたが、どれも素晴らしいインタビューだと感じました。こうしたインタビューがあると、お金を託してみるかどうかを考える、検討するのに非常に参考になるものと、私は思います。もう少し踏み込むと、この類のインタビュアーが出来たらなあ、なんて思ったりします。

いきあたりばったりに、思うがままに書き進めたので、今一つまとめきれずすみません。

「お店」も、アクティブファンドも、素晴らしいインタビューが、その理解を深めてくれる、一度行ってみたくなる、お金をちょっと託してみたくなる、そういうことを感じました。

この本で紹介されているのは、ほとんどが東京の西側のお店でした。東めが生活圏なので知らないお店ばかり。唯一存在を知っていたのは、下北沢の茄子おやじさん(でも、訪れたことはありません、、、)。この本を頼りにしてお店巡りしてみようかな。

色んなことを学べる一冊でした。
林さんと20店のオーナーの皆さんに感謝です。


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