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上を向いて歩こうと坂本九は言ったが、上を向くと気持ちが下向くこともある。 でも 下を向いたら気分が上向く。そんなこともあるんだぞ。

アパートを出るときは降っていなかったんだけど、
途中から傘が必要になる。

世界がウィルスに侵されて、すべてが死にかけているようなどんよりした空。そこから落ちてくる白い雨。

上を向いて歩こうと坂本九は言ったが、上を向くと気持ちが下向くこともあるのだ。

と、視線をつい下に向けると、花たちがそれぞれに自らの美しさを誇るように堂々と咲いているではないか。

小さい花も瑞々しくとても美しい。

下を向いたら気分が上向く。そんなこともあるんだな。


が、しかしそんなふうに温まった心にもすぐに氷水がぶっかけられる。
小さな喜びは打ち砕かれる。いとも簡単に。

そのまま歩いてPacificHWYとBoundary Streetの交差点。
俺は信号待ちをしている。
目の前を次々に車が左折してくる。

と、その流れの中に土木業者風の白い荷車(でいいのか?前に2,3人乗って、後ろは屋根なしの荷物載せのやつ)。
助手席(左の窓側)に乗っていた白人の若い男が窓から顔を乗り出して腕を出し、俺に向かって中指を立てて、大声でわめきながら走り去っていった。

何故俺に向かって、と分かったかというと、信号待ちしていたのが俺だけだったからだ。

現実の海外生活ではこういうことはまあある。
アジア人に対してこういう行為をする白人はやっぱりいるのだ。とくに今の例の中国発生のアレのことで、普段溜まっているアジア人に対する鬱憤のはけ口を探しているのだろう。

どんなに友好を唱えても、差別的な意識そのものは消えては無くならないのである。

残念だけども。

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