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素敵な未来が来るといいが。

青年と話をした。
日本は飽和社会であるという。だから歪みもでるのだと。

さて、「モンスターなんちゃら」っていうのが流行ってから久しい。
ショップでの買い物やレストランでの食事なんかだけに留まらず、学校だろうが役所だろうが「サービスは受けてあたりまえ!」と、言いたい放題やりたい放題。

学校の先生が尊敬の対象だったのなんて太古の昔。
先生の言い分は却下可能、自分の言い分は断固決定、なんてのは珍しくもない。「お客様は神様!!」ってのがさしづめ彼らの葵の御紋なのである。

さてさて、日本人は他人のことを思いやるのが美徳の一つだと何かの書物に記してあったようななかったような。相手を察し気遣い、自らを低くする。大昔には謙譲の美徳という言葉もあった。

さてさてさて、我々は「自然淘汰」という言葉を知っている。今では「自然選択」と言うらしい。まあこれは生物の話だが、外界に適応したものは栄え、適応しないものは滅びること(新明解国語辞典第六版)、である。

ということはだ。モンスターなんちゃら隆盛の日本社会は、自然選択の末に「お客様は神様」は栄え、「思いやり」や「謙譲の美徳」は滅びたということである。

昭和の演歌の大御所はそんなつもりで使ったのではないようで随分迷惑をしたらしいのだが、「お客様教」とでも名づけて新宗教団体でも構えておれば、今頃宗教勢力図を塗り替えるような団体になっていたかもしれぬ。

オレと青年の違うところ。
それは彼がその社会を受け入れているという点だ。そう言うと語弊があるかもしれぬが、少なくともそういう人たちに対しても眉間に皺を寄せたりはしない。諦めに似た境地に居て、オレの方が諭される始末。

さてさて、素敵な未来は、日本人に訪れるのか。

来るといいがな。


※写真は「鍋先生」っていうチャイニーズレストランの焼き餃子。

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