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26.あの世に持っていけるもの

私たちは 裸の体ひとつで この世に生まれ
そして この身ひとつで あの世へといく

〝あの世にたったひとつだけ持っていけるものがある。
 それは思い出〟

あるドラマを観てこの言葉が強く印象に残った。

裸で生まれ裸で死ぬけれども、
ただひとつ思い出だけは
この魂に刻まれてあの世へ持っていける

人は皆、命をもらって
死ぬその日までを歩いていく。
ゴールには死がある。

どうやって生きたって、ゴールは死だ。

死ぬのは怖いか、私には分からない
ただ、こうして人という動物に生まれ
感情をもっているので、欲をかき
一度だけの人生ならば、
大切な誰かと笑う時間がより多くありたい
と願ってしまうのである。

ただ同じ毎日を繰り返していくこともできるけれど
人間は友達をつくる。家族になる。
大切な誰かを見つけてしまう。

どうして心にぎゅっと届いたのか

私にとって、まさに
思い出が生きていく上での宝物だったからか。
あなたにとってもそうだろうか。

記憶のカケラが、わたしを組み立ててつくりあげる。

いつの時代だって、誰でも。
息を吸って、息を吐いて
ひとつひとつ足を前に進めて歩いていく中で
出会った人や、ものごとがその人というものをつくる

大切な記憶も、忘れてしまいたい記憶も
全部があって、わたしがあり、あなたがある。

22歳の時、わたしは知り合いのお父様の
もうずっと仕舞い込まれていたそうな、
一台のフィルムカメラをいただいた。

カメラは魔法。
過ぎ去っていくこの瞬間を動かない証として
この世に残してくれる魔法の道具。
死ぬまでにたくさんの写真を撮るつもり。

人生はいつ終わるか分からない
わたしは今日、
大切な人への愛の電話をして
遠いところへいるあの人へ正直な手紙を書いて
記憶のカケラを星屑のように増やしながら
眠りにつこうと思う。

今が続くとは限らない、
大切な誰かと笑う時間をつくりながら
尊いゴールに向かおう。

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